第2話
〈side 燐〉
ジリリリリッ!
「んにぁ、まだ7時。今日はまだ寝よ。」
バサッ!
布団が剥ぎ取られる。
「おい!りんにぃ!起っきろーーー!」
髪の毛を2つに纏めた可愛い少女が、雑誌を丸めてメガホンにしている。
「奈津、あと5分だけ。」
燐は眠そうに目を半開きにして言った。
「ダメ!早く起きて!今日は奈津がご飯作ったから!」
「あー、わーったから。今起きるよ。だから……布団返せ!」
そう言って燐は奈津から布団を奪う。
「あーー!また寝る気だな。こうなったらお姉ちゃんを呼ぶしか。」
「起きる!今起きる!」
燐は勢いよく起き上がった。
「それでよし。」
「奈津、昨日は気付かなかったけど、可愛くなったな。」
奈津は顔を赤くして、
「バカ!朝からそんなこと言うなーー!」
「あ、ごめん。もう小4か。」
「うん…」
「俺の知らない間に。」
燐は頭を片手で抑えて言う。
「てい!」
「うわぁっ!」
奈津が燐に飛びつき、2人はベッドに倒れた。
「奈津いきなりなんだよ。」
「奈津だって寂しかったんだよ?」
うるっとした目で上目遣いで言う。
ゴクッ、
こいつどんだけ可愛くなってんだよ。
「あー、ごめんな。じゃあ早く降りようぜ。」
「うん!今日はサンドウィッチだよー。」
2人は仲良くリビングへ
リビングには母と沙織の姿がある。
「おはよ〜。」
「燐、おはよう。」
母が微笑む。
「燐、遅い、あんた今日から学校でしょ。」
「あー、うん。久しぶりにな。何?心配してんの?」
「バッカ!そんなんじゃない!」
「ふぅーん。」
(少しは心配だけど、ほら別れ方があれだったしね。)
「りんにぃ、早く座って!」
「おー、悪い悪い。」
燐と奈津が席に着き。
「「いっただっきまーす!」」
サンドウィッチはハムやレタス、玉子を挟んだものだった。
「どう?美味しい?」
「ああ、上手いなこれ。」
「YES!」
奈津はガッツポーズをした。
「今日のお弁当も奈津が作るから。」
「まじ!?いけんの?」
「当たり前じゃーん。」
「ちょっと心配なんだけど…」
奈津はブーブーと唸っている。
「燐、大丈夫よ、なっちゃん凄く上手だから。」
「ほんとか?」
「ええ、燐に作るって言ってずっと練習してたわ。」
母はそう言うとふふっと笑った。
「奈津、お前可愛いとこあんなー。」
燐はそう言って奈津の頭をくしゃくしゃする。
「当たり前だろ。」
奈津は頬を赤め嬉しそうだ。
朝食を食べ終えて、身支度を済ませる。
「はい!これお弁当。」
奈津が燐に手渡す。
「おー!サンキュー。」
「うん!残すなよ。」
奈津そう言ってビシッと指を差し、
「いってきまーす!」
そう言って出て行った。
なんか奈津だれかに似てきたな。
うーん、誰だっけ。喋り方がなぁー。
「じゃあ、俺も行ってくるわ。」
「あ、燐待って。」
「ん?」
母はそう言って燐に駆け寄り、
「これでよしっと。」
ネクタイを直した。
「ありがと。」
「うん、しっかりね。」
「おう、じゃあ、」
「あっ、待って、」
沙織だ。
「今度は姉ちゃんかよ。何?」
沙織は不安そうな顔で燐を見つめ、
「ううん、やっぱりいい。」
「そうか、じゃあな行ってくる。」
「「いってらっしゃーい。」」
燐は出て行った。
「沙織、どうしたの?」
「少し、心配事があって、」
「あのことね」
「うん…」
「心配無いと思うわよ。」
母は優しく微笑みかけた。
「そうだよね。」
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校門前
「おー、桜綺麗だなー。」
桜の花びらがヒラヒラと舞っている。
話しながら歩く2人の男子高校生の姿。
「お前、だからやめとけって言ったろ?」
ん?なんだ?
「でも、俺は桐山先輩のこと好きなんだよ。」
「結局フラれただろ?」
「まあ、そうだけど。」
「大体彼氏いるんだから無理だって。」
「でもその噂って信憑性低くない?」
「まあ、そうだけど、実際結構見かけてる人多いし、」
「うーん、納得いかん。」
「いやでも、お前フラれたから。」
「それ言うなーー!!」
懐かしいな。
桐山か、彼氏出来たのか。
良かったな。
少しだけ寂しいな。
燐は少しだけ微笑んだ。
ドンッ!
強い衝撃が身体に走った。
ん?なんだ?
「いててて〜。」
声のする方を見ると、少女が尻もちをついていた。
プリントが飛び散っている。
「ごめん、君、大丈夫?」
燐は手を差し出す。
「え、はい!大丈夫です。」
少女はそう言って自分で立ち上がり、パタパタとお尻をはたいた。
思っていたよりも身長が高い、165ぐらい。
髪は茶色のポニーテール。
少しつり上がった目が印象的。
顔はかなり可愛い方だ。
スタイルもでる所はしっかり出ている。
燐は散らばったプリントを拾い、彼女に渡した。
「はい、これ。ごめんね。」
「別に大丈夫です!」
燐の顔をジッと見ている。
頬が赤くなる。
「ん?なんか顔についているかな?」
「え!?いえ、別に。」
「そう、じゃあね。」
燐は立ち去る。
(誰だろうすごくカッコよかったなあ。名前聞けばよかったな。)
少女はため息を吐いた。
えーと、まず職員室だな。
ガラガラッ、
「すみませーん。転校生の立花ですけど。」
その言葉に反応した、女性がクルッと振り返り、
げっ!あの人は…
「ひっさしぶりー!!立花くん。元気してた?」
相変わらずテンション高え。
「はぁ、まあそれなりに。」
「もうっ、いきなり転校するから先生寂しかったよ〜。」
燐に抱きついてきた。
「ちょっ、足立先生。当たってます。」
「当ててるんだよ?」
はあ?全然かわってねえーー!
「早く!教室に。」
「あ、そうだね。じゃあ行こっか。」
マジでこの先生疲れる。
教室に着いた。
3年3組か、3が並んでんな。
ちょっと緊張してきた。
「じゃあ入ってーー。」
「はい。」
ガラガラッ!




