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第61話

〈side 燐〉


今日は文化祭


電話の内容はスペインへの呼び戻しだった。

断ろうと思ったけど、断ると契約が破棄になると言われ、断れなかった。

まだ家族にしか言っていない。


急すぎてあまりリアクションもとれない。

しかも出発は今日。

後夜祭に出れずに出発。


はぁー、まだやり残したことあんのに、


というわけで、俺は今日桐山に告白します!

今度はいつ帰って来れるから分からんからな。

せめて気持ちだけでも伝えないと。


でも全然チャンス無いんだよなー。


「立花さま!」

「はいはい、今行きまーす。」


メイド喫茶は大盛況。


全然休む暇ないし!

この服動きにくすぎる。


「お姉さん、良かったら俺と写真でも。」

「そう言うのはすみません。」


燐は愛想笑いで返す。


さっきからなんだよ!

俺は男だーーー!


「燐、お前やるじゃないか。」


夏目が肩をまわして言う。


「心の底から嬉しくねぇ。」


燐は顔を顰めて言う。


「まあ、そう言うなって、お前のおかげで俺のクラスは一位間違い無し!フハハハハ!」


夏目は高らかに笑った。


俺はもっと休憩欲しいんだよな。


「燐くーん!」


さつきと葵だ。


うわ、来たー


「おい、燐お呼びだぞ。」

「へいへい。」


燐は2人のもとへ行き、


「おかえりなさいませ、ご主人様。」


精一杯の作り笑いをして、高い声で言った。


バレないよな?


「えっと…、燐くん?」


さつきは困った表情で言った。

葵は頭の上にハテナを浮かべている。


「へ?」


まさか…

バレたの?


「燐くんだよね?何してるの?」

「立花くん、メイドさんなんだね。」


「えーと、何のことかなー?私燐くんじゃないアルよ。」


マジで!?何で気付いた?


さつきは頬を膨らまし、


「もー、何言ってるの?似合ってるよ。」

「うんうん、びっくりした。すっごく可愛い。」

「ごめん、何で気付いたんだ?」


2人はキョトンととし、


「そりゃあ、燐くんだもん分かるよ。ねー、」

「ねー、」


2人は顔を合わせた。


この2人凄い。


2人を席に案内した。


はぁー、マジか、

絶対バレたくなかったのに。


「おい、燐休憩していいぞ。」

「まじで?」

「ああ、その代わりあの2人の席でな。」


夏目が悪い顔をしている。


「お前、これが狙いか。」

「おう!」

「休憩貰えるからいいけど。」


そう言って燐は着替えようとする。


「おい、服はそのままだ。」

「はぁ?いや無理!」

「じゃあ働け!」

「お前鬼か!」

「どうせまた着替えるんだから、いいだろ。」

「チッ!わーったよ。」


燐は2人のもとへ


さつきは楽しそうに、


「うわぁーー!メイドさん来たー。」


燐は照れている。


「メイドって言うな!」


さつきは口を尖らせて、


「え〜、いいじゃん、可愛いんだし、ね?葵ちゃん。」


葵はビクッとして、


「うん、立花くん可愛いと思う。」

「ごめん全然嬉しくない。」


そこからは普通に会話をしたが、

転校のことは言えなかった。


「じゃあまたあとでね。」


さつきはそう言って手を振って、出て行く。


燐は後夜祭までの合間にさつきに呼び出されたのだ。


「立花くん、後夜祭でね。」

「ああ…うん…」


燐は歯切れの悪い返事をした。


文化祭が終わり、片付けの時間


燐は一日中働いていたので、片付けは免除されていた。


階段を登り、重たい鉄の扉を開ける。


扉の向こうには、

夕日に照らされた金色の髪が風に揺らされている女性の姿があった。


眩しい。


逆光で顔が見えないが、女性が誰なのかは分かる。


「さつき。」

「やっと来たね。」


こちらを向き顔が見える。

その顔は笑っていた。


「うん、ちょっと遅くなった。」

「いいよ、来てくれたから。」

「何の用?」

「うん、それはね…」


さつきは手を後ろで組んで立っている。


燐は唾を飲んだ。


少しの間を置いて、


「燐くん、君の事が好き。」


シンプルな言葉だった。


さつきの表情はどこか穏やかだ。


そんな気はしていた。

呼び出された時から分かっていた。

でも俺はその期待に応えることは出来ない。


やっぱり、心が痛む。

こんなに可愛い子を悲しませる俺はどれだけ罪な人間なんだろうか。


燐は口を開く、


「ごめん…さつき。」


さつきはそっと微笑んで、


「うん、なんとなく分かってた。」

「え?」

「私じゃないんだろうなって。でもいいの、この気持ちは私にとって大切なものだから。それに私は葵ちゃんのことも好きだし。………ありがとうね。」


その笑顔は俺を悲しくさせる。


「だから、最後に」


そう言って、さつきは燐の頬にキスをした。


ガタンッ!


扉の方から音がする。


2人は音の方へ振り返る。


「え?桐山!?」

「葵ちゃん!?」


葵は涙を浮かべていた。


「ち、違う!」


葵は走り出す。


「待て!」


燐は動けなかった。


「ごめん、燐くん。」

「いいよ、さつきは悪くない。」

「良くないよ、早く追いかけなよ。」

「え、」

「このままじゃだめだろ。早く!」

「ありがとう、さつき。」


燐はそう言って、葵を追いかける。


「ごめん…燐くん。」


さつきは崩れ落ちた。


「分かったけど、やっぱり悲しいよ。泣かないつもりだったんだけどな。うぅ…うっ、」


ポタポタと地面に雫が落ちる。


日はもう傾きかけていた。



「はぁ、はぁ、どこだ?」


燐は葵を追って走っている。


くそ!早くしないと、もう時間がない!


あそこか!


燐は葵を見つける。


通れないな。


葵は模擬店の並ぶ通りにいる。

その周りには人が多い。


あと少しなのに、見えてるのに。


葵は燐から遠ざかるように離れていく。


待て!まだ言ってない。

俺はまだ桐山になにも言ってない。


今言わなきゃ俺は一生後悔する。


燐は大きく息を吸い込み、


「桐山葵!!」


叫んだ。


人の動きが止まる。

燐に視線が集まる。


葵は燐に背を向け立ったままだ。


「俺はお前が好きだ!!」


時間が止まったかのよう、夕日が燐を赤く染め、風が吹き抜けた。

怒涛の展開ですね。


もっと表現力があればいいんですけどね

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