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第60話

〈side 燐〉


燐のクラスの出し物はメイド喫茶に決まっていた。


「おい、何で俺が女装なんだよ!」


燐が着ているのはよくある黒と白のフリフリのついたメイド服。


夏目と相葉が腹を抱えて笑っている。


「ははっ、し、仕方ないだろ。じゃんけんでま、負けたんだからよ。プフッ。」

「おい、笑うんじゃねぇ!」

「よく似合ってるよ。む、無理!プハッ、ははは!」

「嘘つけ!」


何で俺だけ。

最悪だーー!!


「立花さま、」


花宮さんがそう言って手招きしている。


「はーい。今行きますよ〜。」


気怠そうに返事して、

燐はトボトボと歩いていく。


「わたくし、ギャフンと言わせてあげますわ!」


花宮さんは胸張って言う。


「はあ、ていうか俺着るの嫌なんだけど。」

「大丈夫です。似合ってますわ。ささ、わたくしにお任せを。」


そう言って眼を輝かせ、

カバンからウィッグやメイク道具を取り出した。


こ、こ、これはまさか…

嫌だーー!やめてくれーー!!!


燐は抵抗出来なかった。



ガラガラッ


「おい!誰だよあの美人。」

「あんな奴クラスにいたか?」


は?何?ふざけてんのか?

俺だよ。

気付けよ。


夏目がこっちに向かって走ってきて、


「転校生?良かったら俺と、」


スパーンッ!


「てっめ、ふざけんな!俺は男だ!」


夏目は頭を抑えてキョトンとしている。


「え?でも、どう見ても女の子なんだけど。」

「は?さっきまでお前俺見て笑ってたろ。」


夏目はハッとして、燐を指差しながら、


「ま、まさか…、お前、燐か?」

「当たり前だろ!」


クラス中から、


『えーー!!嘘だーー!!』


何?何なんだよこいつら


「お前ら何驚いてんだよ。意味わかんねえぞ。」


夏目が呆れたように、


「お前鏡見たか?」

「見てねぇけど。」

「ほれ、」


そう言って、夏目は鏡を見せる。


そこには超絶美少女がいた。


燐は自分の顔を触り、


「え?えーーーーー!!!」


夏目の胸ぐらを掴んで揺らしながら、


「誰これ?おい、どうなってんだよ!」

「おい、やめろ、揺れる。気持ち悪い。それはお前だ!」


燐は夏目を放した。

夏目は床に倒れる。


「うそだろ…、もう俺お婿に行けない。」


そこへ相葉がやってきて、


「安心しろ、俺が嫁に貰ってやる。」

「いやマジで、それだけは勘弁。」


相葉を一蹴する。


「立花さま、似合ってますわよ。」

「うん、ありがとう、全然嬉しくないけど。」

「では、当日もこれでお願いしますね。」

「え!?まじで?」

「はい!」


花宮さんは満面の笑みで言った。


燐の仕事時間は朝から夕方まで、休憩は1時間程度。

うん、かなりハード。


俺の文化祭が…、仕事で終わる。

泣きたい。



帰り道


俺は何故か桐山とさつきと帰ることに。


「燐くん、文化祭何やるの?」

「メイド喫茶かな。」


くそっ、メイド喫茶にさえならなければ。


「ふぅーん。」


さつきが横目に燐を見る。


「なんすか?」

「なーんにも。」


さつきはプイと前を向く。


なんなんだ。

もしかして、俺が女装すんのバレてる?

それは嫌!


「立花くん。」

「ん?」


燐は葵の顔を見るがまともに見ることが出来ない。


やばい。

意識すると無理っす。


「どうかした?」


葵は首を傾げる。


「え?いや、別に。桐山こそどうしたんだよ。」


やっぱ、可愛いな。


さつきはその様子を不安げに見ていた。


「いやー、その…、あれだよ。」


葵は恥ずかしいそうに指を触りながら言う。


「なんだよ。」

「文化祭一緒にまわれたらいいな〜、とか思っちゃったり。」


葵は一瞬燐を見るがすぐに逸らす。


「あー、ごめん。それ無理だわ。」


「「えっ?」」


さつきと葵が同時に反応し、顔を見合わせた。


「他の人とまわるの?」


葵とさつきが燐に迫る。


「え、違う違う。なんか俺だけ一日中仕事、マジで最悪。ごめんなー。」


燐は猫背になって言う。


あー、せっかく誘ってくれたのに。

どんだけついてないんだよ。


「そーなんだ。」


葵は残念そう。


さつきが思いついたように、


「じゃあさ!葵ちゃん一緒に燐くんのメイド喫茶行こうよ!」

「いいんですか?」

「もっちろん!いいよね?燐くん。」


うそ、くんの?

恥ずかしいんだけど。

あっ、バレないか!


「いいっすよ。」


「「やったーー!」」


さつきと葵がハイタッチする。


この2人仲良いんだな。


その後2人はハッとし、見つめ合う。

そこには火花が見える。


ん?仲良いのか?


「じゃあ明後日楽しみにしてるねー。」


さつきはそう言うと帰っていった。


「じゃあ、俺も帰るわ。またな。」

「うん。またね。」



ガチャリ


「ただいまー」


あれ?誰もいないの?


燐はリビングに入ると、母が電話していた。


「燐、ちょうど良かった。ほら変わって。」

「え?俺に電話?」

「そうよ。」


母はそう言って俺に電話を渡した。


「もしもし、お電話変わりました。」


「えっ?」


俺は電話の内容に動くことが出来なかった。


─────────

──────

──


「燐、電話の内容何だったの?」

「ごめん後で話すよ。少し休む。」


燐は少し落ち込んだ顔を見せた。


母はそれを心配そうに見ていた。

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