第5話
喋り方が難しい
アドバイスなどあれば下さい
喋り方についてじゃなくても大丈夫です。
〈side 葵〉
キーンコーンカーンコーン
4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴る。
ふぅー、やっと4時間目終わった。最初だから説明ばっかりだったけどちょっと疲れたな〜。これから大丈夫かな。
「あーおーいっ!」
早苗が葵に飛び付いてくる。
「もー、早苗ちゃん。飛び付かなくていいよー。びっくりしちゃうから。」
「えー、いいじゃん。葵可愛いんだから。」
「そ、そ、そんなに普通に言わないで!」
葵は頰を赤める。
「もうー、葵ちゃんは可愛いな〜、このこのっ」
早苗はそう言いながらほっぺたをつついてくる。
「むぅ〜、やめてよ、くすぐったいから。」
「あ、そうだお昼食べたら7組行かない?」
「いいけど、どうして?」
「そんなの決まってんじゃん。葵の気になる人のところにいくんだよ。」
「えーっ、多分迷惑なんじゃないかな?女の子少し苦手そうだったから。」
「でも、葵とは話したんでしょ?」
「そ、そうだけど、ほとんど沈黙だよ。」
「んあーもう、ごちゃごちゃ言わないのっ」
「んー、分かったよぅ。」
早苗ちゃん時々強引だよね。助かるときもあるけどこういう時押し切られるよね。
「早苗ちゃーん、葵ちゃーん」
ん?誰だろう?
「葵、速川くんだよ!」
「あ〜、昨日のチャラい人?」
「あんたって時々ズバッと言うよね。」
「え、そ、そうかな〜。」
葵は頭を掻きながら答える。
「いや、褒めてないからっ!」
「え、そうなの?」
「あはははっ、お前らってコント上手かったんだな。意外だったよ、腹いてぇー。」
「「コントじゃなーい!!」」
「あ、まじ?まあ、面白いからいいや。それより、クラブどうするか決まった?」
「それよりって、速川くんねぇ、まあいいわ、私も葵もハンド部のマネージャーで決まったよ!」
「うそ!まじ?!うっわー、ありがとう。本当に助かったよ。」
何故か葵の顔が赤い。これデジャビュ?
下に視線を落とすと…あっやっぱり手握ってたね。
「葵ちゃん、ごめん、その、あの、嬉しくてつい、ね?」
「むむむ…べ、別に気にしてないから大丈夫っ!」
もうーっ!本日2回目!心臓がもたないよ!それに葵ちゃんっていきなり下の名前で呼ばれたしっ!恥ずかしいよー。
「速川くん、葵は大切に扱ってね!」
「う、うん、大切にするよ。」
「ちょっ早苗ちゃん、そんなのいいからっ」
「速川くん、私達のこといきなり下の名前で呼んだらびっくりするじゃない。」
「あ、ごめん、親しくなるにはこれが1番かなぁーって思って。」
「まあ、それもそうねというわけだから私達も悠人って呼ぶわよ、分かった?葵。」
「ちょっと早苗ちゃんいきなりは恥ずかしいよ。わたしは速川くんって呼ぶからっ」
「葵にはまだ早いわね、仕方ない。」
「そういうわけだから悠人、これからよろしくね。」
「お、おう、よろしく。」
「それから私たち今から行くとこあるから、じゃあね〜、行くよ!葵!」
「まってよ、分かったから、引っ張らないで〜」
葵は早苗に引きずられて何処かへ行ってしまった。それを残念そうに見送る悠人であった。
「あ、なつきー!」
「あら、早苗じゃないどうしたの?って言いたいところだけど要件は大体わかるわ。」
「そう、じゃあきかせてよ。」
「ふっふーん、残念ながら今ここにはいないわよ。お昼になってすぐ全速力で出てったわ。
「なーんだ、来て損した。」
「早苗ちゃん!」
「あ、葵?!ど、どうしたの?」
葵は何故か目をウルウルさせ早苗に何かを訴えている。
「な、名前だけでも!さ、き、聞こうよ!ね?」
「あんたそれ言うのにどんだけ緊張してんのよ。」
早苗は、はぁーっとため息をつく。
「だ、だってぇー」
「だって何よ、本人いないなら別にいいじゃない。」
「う、うーん。」
葵は子犬のようである。
「名前なら知ってるわ。」
「教えなさいよ。」
「いいわ、その代わり、私のほうが早苗より胸でかいこと認めてよね、」
「な、なんで私が!」
「早苗ちゃんきっと大きくなるからお願い!」
「葵に言われると嫌味にきこえるっ」
早苗は悔しそうな顔をするが葵に根負けしてしまった。
「し、仕方ないわねー。今回だけだからね!」
「ありがとう、早苗ちゃん。」
葵は飛び切りの笑顔を見せる。
「葵ちゃんの気になる人の名前だけど立花燐って名前よ。」
「立花かー、どっかで聞いたことある名前だね。ありがとう、菜月ちゃん。」
葵は笑顔で言う。
「あーんもう、葵ちゃんって抱き締めたくなるわ。」
「わぁっ!」
菜月が葵を抱き締めながら頬擦りする。
「今回だけだからね、」
立花燐くんか、また会えるといいな。
葵の昼休みであった。