第52話
〈side 燐〉
燐は少し目に涙を浮かべている。
眠たい。
だるい。
めんどい。
スパーンッ!
「いって!」
燐は頭を抑えている。
「おい、燐目覚めたか?」
一馬が恐ろしい顔をでこちらを見ている。
燐は身体が震える。
やっべ、めっちゃ怒ってる。
「うん、起きた!今起きた!」
「今から開会式なんだぞ。目覚ませ。」
「わーってるよ。でも開会式ってだるいだけだろ。」
一馬はため息を吐き。
「あのなぁ〜。1人ダラけてたらチームの印象悪くなんだよ。みんなに迷惑かけんな。」
燐は納得いかなそうに、
「へーい。」
会場でも一際目を引く金色と赤色のストライプのユニフォーム。
「おい、あれ見ろよ。仙陽高校だ。」
「あの予選ダントツ一位のか?」
「ああ、そんであいつがU-19の桜木だ。」
「すっげ、オーラあんな。」
「あの眠そうな奴は?」
「知らね。」
「じゃあ無名か、どうせベンチだろ。」
はいはい俺はどうせ無名ですよーだ。
開会式が終わる。
「おい、今から別の会場へ移動だ。準備しろ」
『はーい』
はぁー、開会式疲れた。
「立花くん。」
「ん?何?桐山。」
葵はもじもじして、
「これ!」
そう言って渡されたのは御守りだ。
「おー、ありがと。」
「1年生で試合出るの立花くんだけだから、作ったんだあ、頑張ってね!」
頬を赤く染めながら言う。
「ああ、任せとけ。」
葵は立ち去る。
背後から視線を感じる。
「りーん。」
悠人だ。
「な、何だよ。気持ちわりーな。」
「気持ち悪いって何だよ!お前だけセコイぞ。」
悠人がムキになって言う。
「しゃーねぇだろ。俺しか試合でねぇんだから。」
燐はダルそうに言う。
悠人は腕を目に当てながら、
「うっ、うぅ…、それを言うんじゃあない。」
「はー、めんどくせ、泣いてろバーカ。」
悠人は勢いよく、
「てっめ、少しは慰めろ!」
「なんで慰めんだよ、アホか。」
「う……」
悠人は言葉が出ない。
「僕も悠人と同意見だ。」
「はぁー?旭まで出てくんな!」
増えるなよ。
「なぜだ。」
「めんどくさい。」
燐は口を尖らせながら言う。
「お前はなんと薄情な奴なのだ。」
「はー、知らん知らん、どっか行け。」
「僕は泣きそうだ。」
燐は無視してバスへ
「おい、無視をするな!」
なんなんだよめんどくせえな。
「おい、」
「ったく、次は隼人かよ、何?」
「な、俺は別に羨ましがってねぇ。」
「じゃあ何?」
「いや、特には。」
「なんなんだ?お前ら変!」
「それは多分お前のせいだろ。」
「は?なぜ?」
「分かんねぇならいい。」
「あっそ、」
燐はバスに乗る。
どうせ桐山絡みだろうな〜
ほんとめんどくさ。




