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第47話

〈side 燐〉


ピーーッ!

号笛とともに試合が終了する。


勝った!一回戦突破!


燐はベンチからそれを観ていた。


俺全然出てねーー!

最初の5分だけってなに!?

調整だと?

もっと出せよ!

恥ずかしい。

あんなイキって先輩に見に来て下さいって言った自分が恥ずかしい。


相手チームとの挨拶を済まし、観客席に戻る。


はぁー、絶対何か言われる。

俺めっちゃダサい。

うわぁー、戻るのイヤだ。


「りんにぃ!おつかれ!かっこよかった!」


奈津がそう言いながら燐に抱きつく。

燐は頭を撫でながら、


「ありがとな〜奈津。お兄ちゃん全然出てないけど。」

「ううん、りんにぃはかっこよかったよ!」


奈津は無邪気な笑顔を見せる。


やっぱり妹は天使だ。

俺にはもったいなすぎる。

うぅ…


「立花さま、わたくしもカッコいいと思いましたわ。」


花宮さんは頬に手を当ててクネクネしている。


「ありがとう、花宮さん。」

「はい…」


そう言うと花宮さんは俺に差し入れのクッキーを渡して、すぐに走って行ってしまった。


やっぱり花宮さんは可愛いと思う。

そしてこのクッキーも美味しそうだ。


チョンチョンと服を摘まれ、下を見ると、奈津が嬉しそうに燐を見ている。


「ん?奈津クッキー欲しいのか?」

「ううん、りんにぃもてもてだなっておもって。」

「そうか?」

「うん!もてもてはいいことなんだよ〜。」


なんだ妹は意外とおませさんなのか?


「燐、お疲れ様。久しぶりに見れて良かったわ。」

「ありがとう、母さん。まあ、あんま出れなかったけどな。」

「明日期待してるわ。」

「おう。」


母そう言うと、奈津を連れて帰って行った。


明日は出れるはず…


???視線を感じる。


燐は後ろを振り返ると、

さつきがこちらをジッと見ていた。


あ、忘れてた。ヤバイ。


苦笑し、頭を掻きながら、


「お〜、先輩。すみません。俺今日全然出れませんでした……」

「・・・・・」


さつきはジッと燐を見たまま無言だ。


え?無視ですか?


「先輩もしかして怒ってます?」


ニコニコしながら、


「怒ってないよ。私のこと忘れて他の女の子にクッキー貰って、デレデレしてたことなんて全然怒ってない。」


絶対怒ってるよね?

それ完全に根に持ってるよね?

笑顔が逆に怖いんですけど。


「先輩のこと忘れるわけ無いじゃないですか!」

「わ・す・れ・て・た・よ・ね?」


ヤバいばれてる。


「はい、すみませんでした。」


燐は深々とお辞儀をする。

さつきは、はぁとため息をつき、


「いいよ、許してあげる。」


燐はその言葉を聞き、顔を明るくして頭をあげる。


「さすが、せん」


言葉を遮られるようしにして、


「その代わり!明日は1番に私のところに来ること!」


燐に迫りながら言う。


ち、近い。

いい匂いがする。


「は、はい。分かりました。」

「うん、よろしい!」


さつきは鼻唄を歌いながら、沙織のもとへ戻って行った。


なんか約束させられただけな気がする。





それから帰りの用意を済ませ、最後にミーティングをした後現地解散となる。


姉ちゃんとかと帰ろうと思ったけど今日は用事があるらしく一馬くんと帰ることになった。

桐山の事は少し気になったが、姉ちゃんとかと話して笑ってたから、大丈夫だと思う。



体育館から駅までの道、

横の道路は車の往来が激しい。


「はぁー、今日俺の出番5分かよ。5分ってなに!5分って、出す意味なくね!」


俺は帰り道に愚痴をこぼしていた。


「相手は所詮地区予選上がりだからお前をまだ見せたくないんだとよ。明日はシード校と当たるし、出番あるんじゃね?」

「ふぅーん、絶対だよな?」

「多分な、まあ誰がきても楽勝だけどな!」

「まあな。」


まあ余裕だな。


「そうだ、お前西野と付き合ってんの?」

「え?なんで?」

「だって、今日のやりとりとか見てたけど、いい感じだったろ?」

「そうか?いつも通りだけどな。」

「んー。そうか。」


一馬は納得いっていない様子。


「まぁ、付き合ってはない。あの人も遊んでるだけだろ。」

「そうは見えんけどなー。お前がそう言うならいいや。」


たまに怪しいけど、大抵は俺をからかって楽しんでる気がするからなー


「そうだ、今日どっかよってくか?」

「いいのか!?奢りだよな?」

「ああ、今日は沙織もいないしな。たまにはいいだろ。」

「おっしゃー!じゃあステーキデラックス定食で!」

「お前少しは遠慮しやがれ。」


一馬はペシッと頭を叩く。


燐は頭をおさえて、口を尖らせながら、


「ちぇ〜、いいじゃんかよ。」

「ったく、しょうがねえな。」

「さっすが、姉ちゃんの旦那!」


そう言って燐は走り出す。


「おい、待て!恥ずいだろ。」


一馬は頬を赤めて、燐を追う。


オレンジの陽が2人の陰を伸ばす。

受験ですので、投稿頻度が低くなります。

すみません。

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