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第45話

〈side 燐〉


温かい。

こんなに心地が良いのは久しぶりだ。


燐は夢の中から徐々に意識を戻す。


俺は眠っていたのか。

確か先輩の家に来ていて、

泣いたんだったな。


完全に覚醒する。


ん?この顔に当たる柔らかい感触は…


目を開ける。


わぁっ!

こ、こ、こ、これは先輩のお、お、お、


「あ、燐くん起きた?」

「ふぇっ!お、お、起きました!」

「疲れてたみたいだね。私の中でぐっすりだったよ。」


うそ?どれくらい?

俺は先輩に抱きしめられながら寝てたのか!

何とも喜ばしい状態。

うへへへ、


「ちょっと、ニヤけてるよ。」

「え、あ、すみません。」

「ふふっ、そんなに気持ち良かったのかなぁ〜?」

「いや〜、それはとてもとても」


は!何言ってんだ俺。アホか!


「エッチ。」


さつきは視線を逸らして言う。


燐はまださつきの腕の中。


「あぁーー!すみません。いますぐ離れますね。」


やばい、離れなければ!


さつきの力は強くなる。


「え?先輩?これは、どういう…」


あーー!当たってる、当たってる、

先輩の柔らかのが顔に当たってるよ!


「エッチな男の子にはこれぐらいのお仕置きが必要かな?」


それは、先輩…、もう無理…


燐の鼻からそれは吹き出る。


「えーー!ちょっと、ちょっと!」




「やっと止まったね。」

「先輩すみません、服が汚れてしまい。」


うわぁー、恥ずかしい。


「まあいーよ、制服じゃなかったし。」

「ありがとうございます。」

「燐くん意外とウブだったんだね。」

「はい、恥ずかしながら。」


燐は頭を掻きながら言う。


くっそ、もっと余裕でカッコつけたかった。


「まっ、馴れてるよりはいいか。」

「はい。」

「それより約束は?さつきって呼ぶんだろ。」


さつきは頬を膨らませ言う。


「あ、忘れてました。」

「も〜、今度から気を付けろよ。次は鼻血じゃ済まないぞっ。」


さつきは燐のおでこを軽くはじく。


鼻血じゃ済まないだと!

その先には何があるんだ?

まさか…死?

それは勘弁だ!


「き、き、気を付けます!」

「約束だぞっ。」


腰に両手を当てて言う。


「はい。」



「じゃあ、そろそろ俺帰りますね。今日はありがとうございました。おかげで元気出ました。」

「そ、ならよろしい。泣きたくなったらいつでも来な。胸貸してあげるよ。」

「はい…、お願いします。」


燐は少し照れる。


「試合期待してるぞっ。頑張れ!燐!」

「はい!絶対見にきて下さいね。さつきのためですからね。」


燐は照れ臭さそうに言う。


「……うん、ありがと…」


さつきは少し俯き頬を赤く染める。


「じゃあ、また。」

「またね。」


さつきは手を振って言う。



うしっ!やるか!


帰り道、燐は夜空を見上げる


ありがとう。さつき。



「ただいまー」


ダッ、ダッ、ダッ


「りんにぃ、おかえりー!」


奈津が燐に飛びつく。


「ただいま奈津。」


燐は微笑う。

奈津も、えへへと笑う。


奈津を抱えそのままリビングへ


リビングには沙織と母がいた。


「おかえり、燐。」


母が言う。


「ただいま。」

「遅かったじゃない。」


沙織が言う。


「友達ん家行ってたからな。」

「あら、随分楽しかったのね。良かったわ。」


ん?良かった?


「母さん、良かったって?」


母はクスリと笑い。


「だって燐、最近少し元気なかったでしょ?お母さん心配してたのよ。」

「なつもだよー!」


そうだったのか、完全に無自覚だな。

知らない間に心配かけていたのか俺は。


「ごめん…、ありがとう。でも、もう心配いらないから。」


燐はニッと笑う。


「そう、よかったわ。」


母は優しく微笑む。



もう大丈夫。


その様子を沙織は不思議そうに見ていた。


もう心配いらないって、どういうこと?

葵ちゃんとは話せてないはずなのに。

うーん、何があったんだろ?


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