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第40話

〈side 葵〉


さっきの夢じゃないよね?


葵は自分の頰をつねる。


いたっ!

よかった〜、夢じゃなかった。

ふふっ、

やっぱり私は立花くんが好きなんだと思う。

あぁ〜、もっと踊っていたかったなぁ。

幸せな時間ってすぐに終わっちゃうよね。

お姫様抱っこされたときは、すっごくドキドキしたな。

ふふふっ、


「葵ちゃん、嬉しそうだね。」

「え〜、そうかな?」


葵はニヤけながら頭を掻く。


「うん、ずっと笑ってるもん。良いことあった?」

「うん…、とっても良いこと。」

「良かったね〜。」


楓は笑って言う。


「今から肝試し楽しみだね。」


あ、忘れてた。

あぁーー!お化けは嫌なのに。

でも、立花くんとなら…

いいかもしれない。


「葵ちゃん、お化けきらい?」

「え、うん。どうして分かったの?」

「だって顔にかいてるもん。」


やっぱり私って顔に出やすいんだ。


「そうかな。」

「そうだよ、可愛いと思うよ。」

「え、ありがとう…」


楓ちゃんも可愛いのに。


「ぺアどうなるんだろうね。」

「ペア?」

「知らないの?」

「うん。」

「くじ引きで決めるんだよ、男女で組むんだって。」

「えーー!そんなの、恥ずかしいよ。」

「そうだね、その人のこと好きになっちゃうかもね。」

「そんなことあるのかな…?」

「うん、あるかもよ。」

「そうなんだ…」

「葵ちゃんも、良い人となれるといいね。」

「うん、そうだね。」


立花くんとなれたらよかったのに…


後から聞いたんだけど、ペアの決め方はクラスによって違うんだって、だから好きな人と組めるクラスもあるみたい。


くじ引きの結果、松原くんと組むことになった。


知ってる人でよかった〜、

しかも松原くんなら、安心できるな。

ドキドキすることもないしね。



「次のペアどうぞ。」


「行こうか、葵。」

「うん。」


どうするんだろう、手とか繋ぐのかな?

恥ずかしいな。

でも、お化け怖いし、

そうだ、服ならいいよね。


「松原くん。」

「どうかしたかい?」

「ちょっと怖いから、服掴んでてもいいかな?」


瞳に少し涙を浮かべて、旭に問いかける。


(!!!、やはり葵は可愛い。)


その表情は旭の心を奪う。


「ああ、構わない。」

「ありがとう。」


葵は頰を緩めて、微笑い、旭の服をチョンとつまむ。


ドクンッ、ドクンッ、


旭の脈は徐々に激しくなる。



はぁー、今のもびっくりしたなぁ。

もう耐えられないよ。

さっきから松原くんずっと無言だな。

面白くないのかな?


あとどれくらいでゴールに着くのかな?

早く終わってよ〜


ガシャン!


その音と共に葵の目にガイコツが飛び込んでくる。

もちろん作り物なのだが。


「!!!!!」

「きゃーーーーー!!!!!」


葵は驚きのあまり、旭に抱きつく。


「が、が、ガイコツがぁ〜。」


葵は目に涙を浮かべながら、旭を見上げる。


その壊れそうな表情は旭の本能を刺激する。


ドクン、ドクン、ドクン


心臓が破れそうなほどの鼓動、

旭はもう我慢できない。


え?


葵は突然強い圧迫感に襲われる。


旭は自分の腕の中にいる葵に呟く、


「好きだ…、葵が好きだ。」

「まつ…ばら…く…ん?」


どうして?分からない。

自分が分からない。

私は立花くんのことが好きなはずなのに…


どうして、こんなにもドキドキするの?

好きだと言われたから?

それは松原くんの本心?


今まで松原くんといる時はこんなことなかったのに。

どうして?どうして?私は誰が好きなの?

本当は松原くんなの?


「すまない…」


旭は葵を離す。


どうしてあやまるの?

私が抱きついたからなのに。


「ううん、ごめんね。松原くんもこんなつもりじゃなかったよね。私が抱きついちゃったから、つい言っちゃったんだよね。そんなつもりないのにね。私のせいだね。」


葵は涙を手で拭いながら、話す。


「違う、僕はずっと好きだった、葵のことを。」


え?ずっと?

私は…

どうしたらいいの?


返事しなきゃダメかな…


「返事は今じゃなくていい、もし葵がいいのなら、僕と付き合ってくれ!!」


その言葉とともに葵の髪を風がなびかせる。


「うん…、今すぐ出来なくてごめんね。」

「ああ、構わない。いつでも待っている。」


2人はまた歩き出す。


はぁ〜、もっと上手くかけたら…

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