第39話
〈side 燐〉
「どうした、お前桐山と踊れたのがそんなに嬉しかったのか?」
「は?なんで?」
「いや、さっきからニヤニヤしててキモいから。」
まじで!?全然意識してない。
俺はそんなに嬉しかったのか。
「キモいとか言うなし、肝試しがあるからじゃないか?」
「ほんとかぁ〜。怪しいな。」
こいつだりぃ〜、さっきまで逃げてたくせしやがって。
「な、何だよ。」
「いや、なんでもない。」
夏目はニヤニヤしながら言う。
「そういえば、相場は?」
「ずっと逃げてた俺が知ってると思うか?」
「それもそうだな、バカだし。」
「は?バカじゃねぇわ。」
「俺がどうかしたのか?」
「「うわっ!」」
びっくりした〜
「なんだよ、急に出てくんな!」
「焦るわ、お前なにしてたんだ?」
「何だお前ら失礼な奴らだな。俺は5人ぐらい相手してきた。」
相手って何したんだ?
言葉責めか?
「お、おいそれは何をしたんだ?」
燐は唾を飲み込んで言う。
「そんなの決まってるだろ?俺のち「あーーー!それ以上はいい!」」
俺が相葉の言葉を遮る。
「なんだ?聞いてきたのはお前のほうだろう?」
「いや、思っていたのと違ったから。」
こいつまじか、いつのまに。
てか、そんな場所あったか?
「おい、お前どこで?」
「まさか、外で…」
頼む、部屋とか言うな。
「ああ、外でだ。意外と良いものだな、あの背徳感は。クセになるぞ。」
よかった〜。
ん?良かったのか?
「そうか、なら俺もこの肝試しでさっそく。」
「おい、お前やめとけ、さすがにバレんぞ。」
やはり夏目もおかしくなっている。
「あ、そうだな。さすがに先生いるしな。」
「そんなことないぞ。」
え?こいつ何言ってんの?
そんなことあるだろ。
「どういうことだ。」
お前も興味津々できかんでいい!
「それはだな、先生も巻き込むんだよ。」
相葉は自信満々に言う。
誰かこいつを更生させたほうがいいんじゃないのか?
「「その案はないわ。」」
「なぜ?」
分からないの!?
「んなもん決まってんだろ。俺はホモじゃねぇ。」
は?そこ?
それって女の先生だったらやるって言ってるもんだろ。
「そういうことじゃねえだろ?もういい、付き合いきれん。」
無理だ、今日のこいつらを止めることは出来ない。
「はーい、7組のみんな集まって〜。」
やっとか。
「それじゃあ、誰でもいいから男女でペアを組んでね。」
確か、花宮さんに頼まれてたな。
どこだ?
ていうかこれって、男子1人余るんじゃないか?
確か女子1人休んでるよな?
「立花さまっ、向かいに来ましたわ。」
「ああ、ありがとう、よろしく。」
「はい…」
花宮さんは恥ずかしそうに俯いてこたえる。
なんだ?いつもと違いすぎて調子狂うな。
相葉は誰と組むんだ?
「先生、俺余ってるんで、俺とどうすか?」
「相葉くん、余っちゃったかぁ〜、しょうがないね。先生が一緒に行ってあげる♡」
あの組み合わせヤバくないか?
いや、俺はなにも見ていない。
見なかったことにする。
それが1番賢い選択のはずだ。
「じゃあ次のペアどうぞ〜」
俺たちの番だな。
「じゃあ、行こうか。」
「はい…」
ずっとこんな調子なんだけど。
何かあるの?
花宮さんは俺の腕に抱きついてきた。
その顔はかなり火照っている。
熱でもあるのか?
ちょっとエロいな。
すいません、あなたの敏感なところが当たってるんですが。
この感触は、ん?
もしかして着けてない!?
まじでか!
刺激が強すぎるぞ、なんとか耐えなければ。
大体半分ぐらい進んだところで、花宮さんが足をとめる。
「ん?どうかした?」
「いえ…」
「そうか、熱でもあるのか?」
「そういう訳では無いんですが…」
花宮さんは上目遣いで俺を見つめてくる。
頰は赤く染まっており、目はうるうるしている。
可愛い…、分かってはいたけど。
花宮さんはかなり可愛い。
「あのっ、立花…さま…」
「な、なに?」
「私、貴方に…恋をしております…よければ、わ、私とお付き合いをしてくれませんかっ!」
途切れ途切れの言葉だったが、彼女なり精一杯の気持ちだったのだろう。
俺を見つめる彼女の真っ直ぐな眼差しからそれが、伝わってくる。
ああ、やっぱりこの子も普通の女の子なんだ、恋をしているんだ。
彼女の目は真剣そのものだったが、俺の胸はときめかない。
このまま付き合うのは彼女にも失礼だよな…
「ごめん、告白はありがたいが俺は花宮さんとは付き合えない。」
「そうですか…」
彼女の落胆する顔は心が痛む。
やはり断るのは辛い。
「ごめん、」
「理由だけでも聞かせてもらえませんか?」
「ああ、それは俺が花宮さんを好きじゃないからかな」
それを聞いた彼女の顔は意外にも明るくなる。
嬉しいの?
「では、好きな人がいるわけではないのですね?」
「それはまだいないかな。」
と言うか分からない。
「では、私にもまだチャンスがあるという訳ですね。」
ん?どういうことだ?
「私、頑張りますわ!」
「お、おう」
これでよかったのか?
その後、俺と花宮さんは肝試しを普通に楽しんだ。
落ち込んでないならいいか。
ゴール地点で待機中
「お、夏目帰ってたか。」
「ああ…」
なんだか顔色が悪い。
「どうしたんだ?」
「俺知らなかったよ。」
「なにを?」
「自分がお化け苦手だってことを。」
は?なにそれ。怖かったのか?
意外すぎんだろ!!
今まで知らなかったって、ホラー見たことなかったのか?
「ブッ!ハハハハハ!」
「おい、笑うなよ!俺はガチで怖かったんだからな!」
「いや、だって、お前、意外すぎて、む、無理止まらねぇー、ハハハッ!」
これは意外な弱点が分かったな。
いい収穫だ。
「もういいから、笑うな。てかそれより相葉は?」
「は?お前の後じゃねえの?」
「いや、途中で抜かれたんだけど…」
は?なにそれ?
じゃあ相葉は今なにしてんの?
「おい、来たぞ!」
「お前どこで抜いたんだ?」
「いや、わかんねぇ」
「何してたんだろうな?」
あれ?先生なんか息荒くない?
顔も赤いんだけど、まさか…
「今なんとなくわかった気がする…」
「ああ、奇遇だな、俺もだ。」
俺たちは相葉を追求しなかったが、何があったかは大体予想はついた。
だがこのことは黙っておこう夏目と約束した。
この学校本当に大丈夫なのか?
もっと上手く描きたい。




