第33話
〈side 葵〉
今日は部活はお休みです。
でも、とっても緊張してます。
なんかふわふわする感じ。
そう、今日はデートです。
立花くんの誤解は解けたんですけど、
その日以来なんだか、大変です。
赤井くんや松原くんまで、デートに誘ってきます。
みんな私のことからかってる?
ちょっとムカッとします。
いえ、嘘です。
嬉しいですけど、恥ずかしいです。
それで、結局最初に約束した速川くんとだけ行くことになりました。
赤井くんと松原くんごめんなさい。
デートなんて初めてなので、
昨日は眠れず、今日は寝不足です。
服装もすっごく悩みました。
これ似合ってるかなあ?
あ、速川くんが来ました。
「葵ちゃーん。ごめん、待った?」
これは、まさか、デートの決まり文句なのでは?
「ううん、今来たとこ。」
言っちゃった。本当は結構待ったんだけどね。
「よかった。今日の服装すっごく可愛いね。」
「え、あ、ありがとう…。」
葵の顔は紅潮する。
褒められちゃった。
最初っからドキドキしっぱなしだよ!
心臓もつのかな?今日は大変だ。
「今日はどこにいくの?」
「遊園地はどうかな?」
「いいよ。楽しそうだね。」
「じゃあ、行こっか。」
「えっ、」
悠人は葵の手を握り歩き出す。
うそっ!手繋いでる。
あーーっ、恥ずかしいよぅ
葵は悠人に手を繋がれながら、悠人の少し後ろを歩く。
葵の鼓動は早く、血液が顔に集まる。
「むぅ……」
あー、ダメだ、恥ずかしい。
やっと着いた。いつまで繋ぐのかな?
少し馴れてきちゃった。馴れって怖いよね。
「なにから回る?」
「全部任せてって、言ったよね?」
だって、遊園地なんて来たことないんだもん。
「じゃあ、まずは軽めで、」
そういうと速川くんは、私の腕を引っ張って進んでいく。
こういうのに憧れてたんだ、私。
男の子ってちょっと強引なくらいがいい気がする。
最初に乗ったのは、1番軽めのジェットコースターらしい。
初めて乗ったそれは、とても素晴らしいものだった。
今まで、味わったことのない浮遊感に私は魅了された。
「私、初めてですっごいドキドキした。」
「そうなの?」
「うん、遊園地なんて、来たことなかったから。」
「そうか、じゃあ今日は楽しまないとな!」
その後、私達は絶叫マシンに、3回連続で乗り、3回目が終わる時にはフラフラになっていた。
「ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったね。」
「そうだな、ちょっとあそこで休憩しようか。」
私達はベンチに腰掛けた。
「ふぅー、遊園地って楽しいんだね。」
葵は笑顔で話しかける。
「まあ、そういうところだからな。」
私達は他愛のない会話に、花を咲かせた。
「そろそろ、次まわろっか?」
「うん、」
そう言うと速川くんはまた、私の手を握って、歩きだす。
なんか自然に繋げるようになっちゃったなあ。
まだ少し恥ずかしいけど。
お化け屋敷は私にはハードすぎた。
ずっと速川くんの服を掴んじゃってた。
速川くんは、気にしないでいてくれたけど、ちょっと悪いことしちゃったなぁって反省してます。
気がつくともう日が沈みかけてて、
最後は観覧車に乗ることになった。
頂上に着くまでは、2人で会話を楽しんだ。
頂上に着いてから、
私はただ綺麗な夕陽を眺めていた。
ふと気づく、私は今この狭い空間で、
速川くんと2人きりなのだと。
一度意識してしまうと、そのことを頭から消すことが出来ない。
私はなるべく外見るようにした。
彼の視線から逃げるように…
観覧車が4分の3ぐらい回り終えた時に、
私は速川くんに呟く、
「……今日はありがとう、とても楽しかったよ。」
葵の顔は夕陽に照らされているからなのか、赤く染まっている。
「こっちこそ、今日は付き合ってくれてありがとう。」
「うん、また来れるといいね…」
小さくそう呟くと、
「……そうだね」
見つめ合うふたつの瞳、2人の時間が止まる。
壊れてしまいそうな葵の表情は、悠人を追い詰める。
どうして、彼女はそんな顔をするのだろう?
どうすればその笑顔を自分だけの物に出来るのだろう?
その答えを導き出したとき。
2人の時間は終わりを告げる。
「今日はありがとう。また学校でね。」
葵そう言って、電車を降りた。
悠人はその姿を見続けた。
バフッ
葵はベッドに飛び込んだ。
今日は疲れたなあ。遊園地楽しかったな。
最後の観覧車はちょっとドキドキしたけど、あれはあれで良かったよね。
速川くん急に真剣な顔して黙るんだもん。
ドキッとしちゃった。
いっぱい手繋いじゃったしね。
でも、好きなのかどうかはまだ分かんないかな。
じっくり考えればいいよね。
多分、時間はまだあるはず………
そういえばもう直ぐ林間学校があるんだって。
立花くんとはクラスは違うから、会えないかもしれないけど、会えたらいいなって思う。
楽しみだな。
アドバイスなどあれば、よろしくお願いします。




