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第31話

〈side 葵〉


同じ日


今日は、私のお家でみんなで勉強します。

男の子を家に入れるなんて、初めてだったからお母さんがいろいろうるさいけど。

ちょっと楽しみです。

本当は立花くんも来て欲しかったんだけどな。

仕方ないよね。


ピンポーン


あ、来た。


「「「お邪魔しまーす。」」」


今日来たのは、速川くんと白馬くんと早苗ちゃん。

お母さんが、白馬くんを見てびっくりしてた。

ちょっと失礼だよね。


白馬くんは推薦入部だから、あんまり勉強出来ないと思ってたんだけど、すっごく頭が良かった。

カッコよくて、運動神経抜群で、頭がいいって、もう反則だよね。

早苗ちゃんが白馬くんに教えてもらって、私が速川くんに教える方向になった。


速川くんはすぐ休憩ばっかりしてたから、早苗ちゃんに怒られてた。

その後は真面目やってたと思う、多分。


「葵ー、」

「なあに、お母さん。」


母がドアを開けて葵を呼ぶ。


「ちょっと疲れたでしょ。ケーキでも買って来て、みんなで食べたら?」

「うん、そうする。」


母はそう言うと葵にお金を渡して出て行く。


「ちょっと、私ケーキ買ってくるね。」

「おー、葵、ありがとう。ごめんねー。」

「葵さんすまないね。」

「大丈夫だよ。」

「葵ちゃん、俺も一緒に行こうか?ちょっと外出たいし。」


早苗はそれを見てふふっと笑いをもらす。


「葵、一緒に行きなよ。」


うわ、早苗ちゃん白馬くんと2人になりたいんだ。

しょうがないね、早苗ちゃんにはいつもお世話になってるから。


「うん、いいよ。」

「本当に?」

「うん」

「ありがとう。」


悠人は照れ臭そうに言う。


「じゃあ、行ってくるね。」

「おー、いってらっしゃーい。」


早苗は嬉しそうに手を振る。


ケーキ屋まで歩きながら、


「葵ちゃん、なんかごめんね。」

「ううん、こっちこそごめんね。」

「ん?どうゆうこと?」

「早苗ちゃんを白馬くんと2人にするためだったんだよね。」

「あー、まあ、そういうとこかな。」


悠人はため息をこぼす。


「あのさ、葵ちゃん今度さ、2人でどっか遊びに行かない?」

「2人で?」

「あー、嫌だったら別に良いんだけどさ。」

「嫌じゃないけど…」


2人か、それってデート!?

デートに誘われたの?速川くんは、私の事をす、き?

いやでも、そんな筈は、だって遊びに行くだけだし、高校生ならこれが普通?

あぁーー、分かんない。

どうしよう、意識したら、急にドキドキしてきた。

もしかして、私ってドキドキしやすいだけ?

じゃあ立花くんのことは?勘違い?

あの夜、他の人でも告白してた?

分かんないよ。

どうしよ、速川くんのこと直視できない、


「別に今すぐ返事くれなくても良いんだけどさ。」

「うん、じゃあ考えておくね…」


なんか悪いことしちゃった気分。



ケーキ屋にて、


燐とさつきが向かい合って座っている。

さつきは頬杖をつき、燐は背もたれに身体を預けるようにして座っている。


「あー、疲れたね。」

「そうすね。」


燐はどこか浮かない表情をしている。


「どうしたの。燐くん、そんな顔して。」


さつきは首を傾け、惚けた顔で尋ねる。


燐はプイッと顔をそらす。


「いや、別に。」


(誰のせいでこうなってると思ってんだ。どうして何も無かったか感じでいられるんだよ、訳わかんねぇ)


さつきは少し膨れ、


「もう、さつきちゃんおこるぞ。」


そう言って燐に迫る。


(ぜんっぜん怖くないんだけど、むしろ可愛い。)


燐は頰を赤め、視線を少し逸らしながら、


「怒ってんすか?」


そう言う。


「はい、怒ってます!さつきちゃんはカンカンです。」


(ふっ、か、可愛い。)


「どうしたらいいんすか。」


さつきはその言葉に顔が綻びる。


「じゃあね、私にこのケーキをあーんして。」


そう言い、ニヤニヤしながら燐を見る。


(くそっ、これが狙いか、)


「あー、もう、一回だけっすよ?」

「うむ、よろしい!」


そう言って破顔する。

燐は照れて、目をそらす。


(くそ、可愛い。)


「はい、あーん。」


燐はさつきの口へケーキをはこぶ。


カランカラン、


「あ、」


さつきは、入ってきた客を見て声が出る。


「さつき先輩?」


葵が言う。


もう一人は、誰?

あーんしてるって事は彼氏?


「ん?さつき先輩どうしたんだ」


燐は振り返る。


「あ、桐山?と悠人!?」


(2人は付き合ってんのか?いつの間に?)


「え、立花くん!?」


勉強の相手ってさつき先輩だったんだ。

もしかして付き合ってるの?


「あ、葵ちゃん、これは違うからね?」

(うわぁー、バッドタイミング。)


さつきは慌てて否定する。


「さつき先輩大丈夫ですよ、気にしてません。」


葵は悲しげな笑顔をみせる。


そのまま葵はレジへ行きケーキを選ぶ。


「やっぱり、お前付き合ってたんだな。」


悠人が言う。


「は?付き合ってねぇわ。」

「いや、今あーんてしてただろ?」

「これはなぁ、罰ゲームだ。」

「なんのだよ。」

「勉強教えて貰ってて、なんかその罰ゲームだ。」

「まあ、いいわ。どうでも」

「てゆうか、お前こそ桐山と付き合ってんのかよ。」

「え、まあ、そう見える?」

「ああ。」


悠人は嬉しそうに照れ臭そうに頭を掻く。


さつきはそれを見て察し、呆れる。


葵はケーキを買い終えると燐達のところへ来る。


「葵ちゃん、誤解だから、別に付き合ってないし、今のも罰ゲームだから。」

「そうですか…、別に気にしてませんから大丈夫ですよ。」


葵は少し安堵の表情を見せるが、表情はまだ暗い。


「では、私はこれで。」


葵はそう言ってペコリとお辞儀をすると、悠人と出て行く。


「さつき先輩、桐山が付き合ってるって知ってました?」


(なんかあの夜ぐらいから桐山のことが絡むとモヤモヤすんな、)


さつきは少し驚いてから、ため息を吐き。


「君は、馬鹿だね。」


燐はよく分からない表情を見せる。


「え?なんでですか?」

「葵ちゃんは付き合ってないよ、多分ケーキ買いに着いて来ただけなんじゃない?あの子。」

「そうなんすか?」


(ほんとか?)


「そうだと思うよ、気になるの?」

「いや、別にそんなには…」


(少しだけ、モヤっとする。なんなんだ、これ)


「君は、葵ちゃんのことどう思うの?」

「どうって、いい奴とか、優しい奴。」


(あとは可愛いとか?言ったらバカにされそう。)


さつきはため息をこぼす。


「もういいよ。」

「はあ…」

「じゃあ、勉強の続きするよ。」

「うっす。」


(葵ちゃんに、悪いことしちゃったかな?でも、これぐらいいいよね。)


さつきと燐は家へ戻る。




葵と悠人は並んで歩いている。


はぁー、さつき先輩は否定したけど、本当はどうなんだろう。

もしかして、私に気を遣っているのかな?

なんかモヤモヤする。

嫉妬って見苦しいのかな?

私じゃやっぱりだめかな。

あんな風に仲良くしたことないし。


「葵ちゃんって、燐の事がすきなの?」

「え?」


葵は驚き立ち止まる。


「どうして?」

「さっきの会話を聞く限りそう思った。」

「そう、なんだ…」


じゃあ、立花くんも気付いたの?

どうしよう、なんか嫌だなあ。


「実際はどうなんだ?」


葵は少し間を置いて。


「まだ分かんないかな…」

「そっか、じゃあまだチャンスはあるってわけだ。」

「え?」

「いや、こっちの話」


チャンスって言った?

速川くんってやっぱり私のこと…


「いいよ、」

「ん?なにが?」

「2人で遊びに行くだけなら」

「まじ?」

「うん」

「おっけー!じゃあ当日のことは俺に任せてよ。」

「うん、期待してるね。」


葵は笑顔でこたえる。


「お、おう」


悠人の顔は赤く染まる。


(やっぱり、かわいいなー、葵ちゃん。うぉーし!やるか!)


一回2人で遊びに行ってみるのもいいかな。

私が本当に好きな人が誰なのか決めるのはそれからでもいいよね。

高校生活はまだ始まったばっかりだし、急がなくても大丈夫。


個人的にはさつきがお気に入りです。

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