第16話
複数人絡むときの会話が難しい。
〈side 燐〉
約束の一週間後
4時間目の授業中
今日でランメニューともおさらばだー!
やっふぅー。
やっと、やっと、体育館に入れる。
やべ、なんか泣けてきた。
「おーい、立花くん、ちゃんと授業聞いてる?」
「え、あ、はい!聞いてます!」
「そうじゃあこの問題答えてもらおうかな。」
やっべ、全然聞いてなかった。しかもよりによってあの、小悪魔先生。
ここは適当に答えようか。
でも、あまり的外れな答えをしてもバレるしなぁ。
ここは少し問題を見て考えよう。
えーと、これは?なんだ?
全然わかんねぇ!
「はーい、時間切れ。聞いてなかったんだね。君にはお仕置きが必要かなぁ?」
「え、次はちゃんと聞きます!」
「もうっ、今回だけだからね。」
足立先生は膨れてこたえる。
ふー、危なかった。
あの人のお仕置きって、本気でやばそうなんだよな。Mになっちゃいそう。
これは想像だからね。
受けたことないんだからね!
キーンコーン カーンコーン
やっと、終わった。
腹減ったな。弁当食べよ。
「「燐!一緒に食べようぜ。」」
相葉と夏目か、最近はよくこの2人と飯食ったりしてつるんでる。
「おー、いいぜ!」
3人が机に並ぶと、何やら周りが騒がしい。
「立花さま!わたくしの弁当食べてくだいません?」
はぁ?いきなりなんだ?
「なつめくぅーん、お弁当食べて〜」
「相葉くん、今日もわたしを罵ってー」
なんか1人変なのがいるなぁ
そんな事を思っていると、3人は女子達に囲まれてしまった。
なんだよ、迷惑すぎんだろ。そんなに食えねえよ。
(おい、お前らどうすんだよ?)
(どうするも何も、これじゃあ食えないから、逃げるしかないだろ。)
(だな、)
「「「あ、あそこにイケメンが!」」」
3人がそう言うと、女子たちは一斉にその方向を向いた、その隙に3人は全速力で逃げ出した。
「はあ、はあ…こっからどうする?」
「あっ、俺いい場所知ってんだよ。多分空いてるかも。そこ行こーぜ。」
2人は燐に連れられ屋上に向かっている。
「おい、本当に空いてんのか?」
「空いてるはず。」
ガチャリ
やっぱりな、姉ちゃん絶対いると思った。
「まじで空いてんじゃん、スゲェー!」
「おい、燐なんで空いてること知ってんだ?」
「あそこ見てみ、」
「「お、あれは!?確かそのルックスで生徒に人気の桜木先輩と副会長じゃないか!あと1人いるけど誰だ?」」
「お前ら、すげぇな、そんな長い台詞よくハモれたな。」
「んなことはどうでもいい?なんでお前が知ってんだ?」
「あれ、俺の姉ちゃん。」
「「え!?まじ!?」」
こいつら、いちいちハモるのうざ!
「おう、まじまじ。」
「なあなあ、紹介してくれよ。」
相葉が言う。
「お前に教えたら、ろくなことにならねえだろ。それにな、姉ちゃん彼氏いるからやめとけ。」
「そんなこと言うなよ〜。なぁー、いいだろ〜?」
「無理だ!」
「俺にならいいか?」
「いや、普通にめんどくさいから、無理!」
3人が騒いでると、
「君たち、静かにしろ。って燐くん!?」
「あ、さつき先輩すいません。いろいろ事情がありまして。」
「「おいっ、この姉ちゃんでもいい!!」」
「お前らには渡さん!」
「へっ、燐、私のこと渡さないって?」
さつきは顔が赤くなる。
「あ、ち、違います。そういう意味じゃなくて。これは、そのー、あの…」
「りーんー、さつきー、こんな所で何してるのかな?」
「「げっ!姉ちゃん(沙織)」」
燐とさつきは、沙織に絞られた。
燐はとりあえず、沙織達に事情を話した。
「あははっ、それで逃げてきたってわけね、君たちやるねっ。」
「面白くねぇーっすよ。ガチで大変だったんすから。」
他の2人もうんうん、と頷く。
「何だ、お前らそれぐらいで、相手にしてやれよ。女の子の気持ちも考えろ。」
一馬が言う。
「俺には無理だ。」
「わたしがいるもんねぇー?」
さつきが燐に顔を近づけ言う。
キスができそうな距離だ。
「!!!!」
燐の顔の温度はみるみる上がっていく。
「りん!てんめえー、いつのまに、こんな可愛い先輩とできてんだよ。」
「そうだぞ、抜け駆けすんな。俺にも紹介しろ!」
はぁー、こいつらめんどくせぇー。
さつき先輩も変なこと言うなよな。
「違うって、俺とこの人はそんな関係じゃないから!」
「えぇー!違うの?あんなことやそんなことを私にしておいて?」
さつきは恥じらうように言う。
「ちょっ何もしてないじゃないっすか。変なこと言って誤解させないで下さいよ!」
燐は相葉と夏目にしごかれている。
「さつきちゃーん。」
「げ、な、何かな?沙織?」
沙織は腕を組みながらさつきを見下ろしている。
その姿は人間というか鬼に近い。
「からかいすぎは、ダメよ?それとも本当にそんなことしてたのぉ〜?」
「ひぃっ!し、してません。」
この後さつきがどうなったかはあえて言わないでおこう。
人生には知らなくていいこともあるからね。




