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第30話

「はっ!?何!じゃああんた今一緒に住んでんの!?」

「葵ちゃん、やるね!」


早苗と楓が葵の机に手を置いて、葵に迫っている


「ち、近いよ、それに声おっきい。」


そう言って葵は人差し指を口の前に立てると、2人はしまったと言わんばかりに口を手で覆った。


「で、どこまでいったの?」

「どこまでって?」

「決まってるでしょ、キスとか…、とにかくそういうやつよ!」

「早苗ちゃん、恥ずかしいなら言わない方が…」

「うるさい!」

「で、葵ちゃん、教えてよ。」

「いや、何も…ないよ?」

「はぁーー!?どうしてよ。」


葵の返答に納得いかなかったのか、早苗は葵に迫った。

早苗の大声に葵の髪が後ろに持っていかれる


「どうしてって言われても…、勉強しに行ってるだけだし。それにそんな時間も無いし…」

「ダメダメ、そんなんじゃダメよ、男は飢えているんだから、オオカミよ!」

「いや、でも…」


早苗に捲し立てられて、葵は面食らっている

それを見た楓が何かを企んだようにニヤリと笑い、


「それじゃあ、早苗ちゃんはどうなの〜?」

「ふぇっ?、わ、わ、私はキ、キスよ!」

「あははは、早苗ちゃんも葵ちゃんとあんまり変わらないじゃーん。」

「むぅ……」

「でも、やっぱりキスぐらいはしないとダメかな?」

「葵ちゃんのペースでいいんじゃない?」

「そうかな?」

「そうそう!立花見るからに葵にぞっこんだし、それぐらい我慢するでしょ。」

「我慢かぁ〜。」


葵はため息を吐き、反対側に座る燐の方を見た。

燐はクラスメイトと談笑している。


やっぱり燐も我慢とかしてるのかな


─────

───


キーンコーンカーンコーン


燐が葵のもとへと駆け寄り、


「葵、今日一緒に帰れない。あと、帰んの遅くなるわ。」

「うん、いいけど、どうしたの?」

「なんか、大学のほうに練習混ぜてもらえることになってさ、悠人達と行ってくる。悪い」

「分かった。家族にも伝えとくね。」

「ああ、助かるよ。」

「おーい!燐!早く来い。」

「もう行くわ、じゃあな。」

「うん、また。」


燐は身を翻して、悠人の方へ走って行った。

葵はそれを眺めながらずっと手を振っていた。


─────

───


太陽はいつの間にか沈み、空には星が広がっている


「やっぱ、大学はレベル高いな。」


悠人は両手を上に伸ばして、背伸びをしている


「そうか?普通じゃねえか?」


燐の言葉に悠人はため息を吐き、呆れたように、


「あのな、お前が普通じゃねえの。大学生ぶち抜くとか普通じゃねえからな。」

「そんなもんかなあ。」

「それより、お前、葵とどうなんだよ。」

「どうって?」

「そりゃあ、キスとかそれ以上とか…、したのか?」

「うっ…、まだだ。」

「お前意外とそっちはあれだな…」


悠人は口を手で抑えて、笑いを堪えている。

燐はそれを見ながら口を尖らせて、


「悪いかよ…」

「いや、安心した。ま、急ぎすぎんなよ。」


悠人はそう言って、燐の背中をポンッと叩き、前を歩いた。

燐は消え入りそうな声で呟いた。


「童貞のくせに、」


─────

───


ガチャリ


リビングに入ると母がソファで紅茶を啜っていた。


みんなもう寝たのか?


時計のを見ると針はもう12時を回りかけていた。


「ただいま」

「おかえり、燐、ご飯はいらないのよね?」

「うん、もう今日は休むよ。」

「そう、おやすみ」

「おやすみ」


燐は欠伸をしながら、自分の部屋のドアノブに手を掛け、

ドアを開くと甘い香りが鼻をくすぐった。


ん?なんの匂いだ

誰か俺の部屋入った?

姉ちゃんが掃除でもしたのか


「ふぁ〜〜〜〜、眠い。」


燐は部屋の明かりを点けずに感覚だけでベッドに向かい、ベッドに手をかけた、


は?何!?誰かいる!?


しばらくして暗闇に眼が慣れると


「!!!!」


あ、葵!?

なんでこんなとこで寝てんだ?


寝顔、やっぱり可愛い…


心臓が強く波を打つ


葵の無防備な寝顔に本能が刺激され衝動に駆られる


燐は葵に手をゆっくりと伸ばしていく


すんでのところで自制し、手を止めた


多分俺を止めたのは理性と言うより愛情なんだと思う


燐は葵の寝顔にそっと微笑みかけて、頭を優しく撫で、そのまま燐も眠りに落ちた。


─────

───


窓の外はすっかり明るくなっている


「んっ、んん……」


朝か…


燐は目をうっすらと開け、目の前の光景に気付き見開いた。


「ん!!!!」


葵が少し動けば触れ合うことのできる距離で

ニコリと笑みを浮かべていた。

窓から射し込む陽光に照らされ、神秘的にも見える


「おはよう。」

「お、おはよう…」





そして、





葵は、





そのまま、





目を瞑り、





唇を重ねた



「………んぅ…」


驚くほど柔らかな感触に完全に目が覚めた


それが離れると、


「初めて…、しちゃった…」


葵はそう言ってふわりと微笑う。


「俺も…、初めて…」


そしてもう一度触れ合った。

ついに…

ファーストキスが!



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