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第9話

〈side 葵〉


葵は早苗と菜月とハンド部の部員数人で駅まで歩いていた。


はぁー、駅が同じだから立花くんに会えると思ったんだけどな。謝りたかったなー。


「葵、そんな辛気臭い顔しないでよ。まだ落ち込んでんの?理由知らないけど。」


早苗はそう言うと、葵のほっぺを引っ張る


「ひゃなえひゃ〜ん、おひほんへないはら、ひっはらないへ〜。ひひれひゃう。」

「何言ってんのか、全然わからないわ。」


それを見て一緒に帰っていた周りの人達も笑う。


「早苗ちゃん、やめときなよ。葵ちゃん嫌がってるだろ?」


悠人が言う。


「しょうがないわね〜。可愛いからもっと引っ張ってたいんだけど。仕方ない。」


早苗は手を離し、葵は両手で頰を抑える。


「そうそう、俺こいつらの紹介してなかったよね、今していい?」

「それもそうね、お願いするわ。」

「じゃあまず、この金髪のヤンキーみたいなやつから、こいつは赤井隼人(あかいはやと)口は悪いけどいい奴だから仲良くしてやって。」

「ゴラァ!悠人俺はヤンキーじゃねぇて言ってんだろ!」


それを聞き葵と早苗は少し怯える。


「あ、悪い、そんなに怯えんな。仲良くはしてぇから。俺は悠人と同中で一応選抜に選ばれてる。よろしくな。」

「よろしくね、隼人くん。」

「よろしくです。赤井さん。」

「隼人早速ビビられてんじゃん、腹いてぇー。」

「うるせぇ、てめーのせいだろ!」


(うぅ、やっぱり赤井さんは怖いから、苦手かも。)


葵は少し震える。


「まあまあ、こんなヤンキーはほっといて次の奴ね、ここの人畜無害そうなインテリ眼鏡が、松原旭(まつばらあさひ)こんな顔してっけど、意外とムッツリだか気をつけて。」

「おい、悠人、僕はムッツリではない。僕は悠人とは同中ではないが、対戦したことはある。あと僕は兵庫県民ではない。これからよろしく頼むよ。」


(真面目そうな人だなぁ〜、インテリ眼鏡って合ってるかも、ふふっ)


「よろしくね、旭。」

「よろしくです、松原さん。」


「そんでーこいつが、ゲホッ!」


悠人は菜月に吹っ飛ばされた。


「はいはーい、この人はわったしが紹介しまーす。」

「いきなり何すんだよ!」

「あーら、童貞のくせにチャラ男の速川さんじゃない?どうかした?」

「どうかした?じゃねぇ!俺は、俺は、俺は…」


悠人はしょんぼりしてしまった。

あらあら事実だったのね(笑)


「菜月大体その人の事は分かったから。簡潔にしてちょうだい。」

「まっ、そうね、どうせ早苗の彼にはならないものね。」

「な、なにぉー!!」

「さ、早苗ちゃん落ち着いてよ。」


早苗はプルプル震えて我慢している。


「おほほほっ、残念だったわね早苗。まあいいわ。紹介するわね。彼が私のダーリンこと谷原翔平(たにはらしょうへい)よ、とっちゃダメよ。」


そんなこと言わなくても、人の物はとらないんだけどなぁー。


「おい、菜月、友達にそんなこと言わなくてもいいだろ。ま、今の通りだからこれからよろしくな。」


「よ、よろしくね、翔平くん。」

「よろしくです、谷原さん。」


早苗は震えながら言う。


悠人が勢いよく飛び出してくる。


「んでもって、最後のこのイケメンが白馬傑(はくばすぐる)、名前もムカつくくらいカッコいいけど、ハンドは俺の方が上手いから。」

「悠人変な紹介の仕方はやめてくれよ。ほら、2人とも困ってるだろ。まあ、これからよろしくね、葵さん、早苗さん。」


ニッコリと微笑む傑の周りはキラキラして見える。


「は、はい、よろしくお願いします!傑さん!」

「よろしくです、白馬さん」


早苗ちゃん分かりやすいな。でもこの人本当に王子様みたい。かっこいいね。


「なんだよ、傑対応までイケメンかよ、ケッ、ムカつくぜ。俺の方が上手くて、エースは俺なんだからな!」

「そうだね、悠人にエースは任せるよ。」

「なんだよ、張り合えよ。余裕ってか。」

「悠人と張り合っても仕方ないだろ、ポジション違うんだから。」


悠人は納得いかない様子。


「ま、いいわ。なんか腹減ったなー。あそこでたこ焼き買わね?」


みんなそれに同意する。


葵と旭が4人の後ろを歩いてる。


旭さんが1番しっかりしてそうだし聞いてみよ。


「あのー、松原さん。」

「僕に何か用かい?」

「知らなかったらいいんですけど、ハンド部の一年生で立花っていう方、知ってますか?」

「んー、僕は一応部員は全員覚えたけど、知らないなー?そんな人いるのかい?」


2日で全員覚えんだすごっ!


「あ、いや、ちょっと気になっただけなので、人違いだったみたいです。」

「そうなのかい?ならいいんだが。あ、あと別に僕たちには敬語じゃなくていいからね。これから一緒に部活するんだし。あと葵って呼んでも構わないかな?」

「ひぇっ、あ、そうです…そうだね、そうするよ。大丈夫だよ。」


葵は予想していなかったのか、頰が赤くなる。


葵だってー、ちょっと恥ずかしいな。でもこれから一緒に部活するんだし。この方がいいよね。話し方もこれから気をつけよ。


「なにしてんだよ、ムッツリ、早速口説いてんの?」


悠人が旭に肩を回しながら、話しかけた。


「口説いてなどいない、少し挨拶をしただけだ。」


葵は恥ずかしいのか早苗のところへ逃げてしまった。


「お前のせいで葵ちゃんどっか行っちまったじゃねぇか。」

「なんだ悠人、ねらっているのか?」

「まぁ、ちょっといいなぁって思ってるだけだ。」

「ふん、相変わらずだな、プレイに支障はきたすんじゃないぞ。」

「あー、わーってるよ。お前も狙うなら俺に宣言してから狙えよな。」

「その時は悠人が負けるときなんだがな。」

「ケッ、言ってろ。」




みんなとは別れ葵は家で早苗と電話をしていた。


『でもまあー、名前分かっただけでも良かったじゃない。』

「それはそうなんだけど。」

『そんなことよりさ、帰り道で話した人達みんなイケメンだったよね?葵誰が良かった?』

「だ、誰って言われても。難しいよ。」

『なるほど候補は全員と』

「ち、ちがう、そういう事じゃないよ。」

『葵もさ、名前だけの人よりもさ、これから一緒に部活やる人にした方がいいって、ね?』

「べ、べつに立花くんが好きなわけじゃないもん!」

『はぁー、まあいいわ、みんな良い人なんだからじっくり考えなさいよ。もう眠いから寝るわね。』

「ちょっ考えるって何を、待ってよ早苗ちゃん、別にそんな気無いから。って切れてるし」


早苗ちゃんは立花くんがハンド部だってまだ知らないんだよね。でも他の人知らないってどういうことなんだろう?なんかよく分かんないなー。


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