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第29話

うんしょっ、重いなあこれ、


葵は何やら大きな荷物を持って歩いている


あの後お母さんに帝大目指すって言ったらすっごく驚かれた。

『あんた大丈夫?行けるの?』なんて言われたから、ちょっとムカッてして、

『彼氏のお姉さんが帝大生で、その人に勉強教えてもらうから大丈夫!』って思わず口走っちゃった。


そしたらお父さんが『そのまま住み込みで教えてもらえ』だって、


彼氏って聞いてたのかな?


何だかお母さんもお父さんもとっても嬉しそうだったし、まあいいか。


と言うわけで私は今日から立花家にお世話になります…・・・えーーー!!住み込みってことは燐がいる!あわわわ!どうしよう…


向こうの家族はいいって言ってくれたけど…

私はまだ心の準備がぁーーーー!!


すっごくドキドキしてきた


葵は燐の家の前に着き、荷物を一旦地面に置くと、深呼吸してから、指をゆっくりと伸ばした


ピンポーン


「はいはーい、おっ?、おっす、葵姉ちゃん。」


姉ちゃんだってーー!


「こんにちわ、なっちゃん。」

「ささ、入ってー、ん?荷物重そうだね」


奈津はそう言うとドアに手を掛けながら、家の中に向かって叫び、燐を呼び出した


出てきた燐は寝起きみたいで、ボサボサの髪を掻きながら、


「ふぁ〜〜、葵、荷物持つよ。」

「うん、ありがとう。」


燐は葵の荷物を持って中へ入り、葵と奈津も後ろをついて入っていった。


寝起きこんな感じなんだ、なんか新鮮


「りんにぃ!だらしないよ!」

「そうか?」

「うん!葵姉に嫌われるよ。」

「うっそ!まじで!?明日からシャキッとするわ。」


奈津の言葉に反応した燐を見て、葵はクスッと笑い、


「大丈夫だよ?そういうところもいいと思うから。」

「あらあら、葵ちゃんは燐のことが本当に好きなのね。燐、よかったわね、こんないい奥さんもらえて。」


葵の言葉を聞いていた燐の母が嬉しそうに言うと、葵はうつむき頬を赤く染めた


「ああ、まあな。そうだ、葵はどこの部屋になるんだ?」

「燐はどこがいいと思う?」

「そりゃまあ、俺の部屋だったら…」


燐はそう言うと上を向いてニヤケ出した。


葵が一緒の部屋だったら、あんなこともこんなことも…うっほー、最高だろ!


「じゃあ、燐の部屋は無しね。」

「え?」

「そりゃそうよ、孫が出来るのは嬉しいけど、葵ちゃんは受験生よ、ダメ」

「ちょっ母さん!何考えてんだよ!」

「あら、燐はてっきりそういう事考えてるのかと…」

「それは…」


燐と母のやりとりに葵は終始どこを見たらいいか分からない様子でずっとうつむいていた。


「お母さん!葵ちゃん困ってるからやめて、」

「あらそう?ごめんね。」


母は全く悪びれる様子なくふふっと笑っている。


「葵ちゃんは私の部屋に来てもらうから。」

「そうね、それがいいわね。残念だったわね燐。」

「べつに、」


母に言われた燐はそっぽを向いた



「じゃあ、ここが姉ちゃんの部屋だから、荷物ここ置いとくな、」

「うん、ありがとう、」


そう言って葵は沙織の部屋を見渡した


沙織の部屋は本が多く、女っ気はそこまでないが、机の上には一馬との写真が異常に置いてあった。


「広いね。」

「無駄にうちはでかいからな。2人部屋にしても充分すぎる。」

「燐の部屋も広いの?」

「おう、このくらいかな?まあここまで綺麗じゃないけど。」

「そう、後で行っていい?」


燐に向かって少し跳んで距離を詰めてから葵がそう言うと、燐は少し怯んで、


「え、ああ、うん…」

「よしっ、じゃあ後でね。」


部屋で少し休んでからリビングに行くと、葵が勉強をしていた。

リビングの方が集中出来るらしい、あと、母さんが文系科目を教えれるからとか言っていたな、

さすが作家。


「あら、燐、何処か行くの?」

「ああ、ちょっと身体動かしてくる。」

「そう、気を付けてね。」


2人の会話に葵はピクリとも反応しなかった


─────

───


『いっただっきまーす!』


立花家の食卓は家族全員で食べる

総勢7人!?+私

すっごい賑やかだな。


ちょっと緊張しちゃう、


ご飯はなっちゃんも手伝ってた。

いつもは沙織せんぱ…義姉さんも手伝ってるんだって、すごいなあ、私も見習わなくちゃ。


今日のおかずはハンバーグだった。


「すっごい美味しいです!」

「そう?良かったわ。」

「私にも今度教えて下さい!」

「そうね、必要だものね。」

「はい、」


母がふふっと笑うと父が


「葵ちゃん、本当に燐でいいのか?」

「おい!何言ってんだよ。」

「そうそう、燐なんてスポーツしか出来ないですよ。」

「健!」


燐と健が睨みあい、


「お前後で勝負な!」

「望むところだよ!」


え?勝負?けんかとかしちゃうの?


葵が2人の様子を見てあたふたしていると満が


「大丈夫だよ、葵ちゃん、あの2人ああ見えても仲良いから、ゲームでもするんだと思うよ。」

「そうなんですか、良かったです」


「「仲良くねぇ!!」」


2人の様子を見て他のみんなはふふっと笑った


「それにしてもあんたら2人は心配かけすぎよ。」


沙織はそう言って燐と葵を一瞥した


「そうねえ、燐なんか、ずっと泣いてたものねぇ。」

「あはは、あの時は笑ったよ。」

「奈津は心配だった!」

「燐が泣くなんてよっぽどだからなあ。」

「あのままずっと泣いときゃよかったんだよ。」

「おい!余計なこと言うな。もう終わったことだろ。」

「その節はどうも、皆さんに心配をおかけしました、」


葵は座りながら頭を下げた。


「葵が謝んなよ!」

「でも…」

「そうよ、このヘタレがいけないのよ。」

「ヘタレ言うな!」

「もう終わったことだからいいのよ…、これからはよろしくね。」

「はい!」

「燐、孫は5人だ!」

「黙れ!エロ親父!」


賑やかな食卓に笑い声が飛び交う


良い人たちばっかりだなあ


─────

───


お風呂も大っきいなあーー、


葵は湯船に浸かっている


そうだ、

明日は私が燐を起こしてー、

お弁当も私が作ってー、

2人で一緒に学校に行ってー、

帰りも同じ家に帰ってー、

一緒にご飯食べてー、

あー、もう、幸せ…


うふふっ、新婚さんみたい


いけない!

勉強が目的なんだった!



そろそろお風呂あっがろーっと


葵は浴槽から出て、脱衣所へ


「ふんふふんふふ〜〜♪」


鼻唄を歌いながら身体を拭いていると、


ガチャ


え?


ドアが開き、


固まった、


そして、


「キャーーーーーー!!!!」

「ごめん!そんなつもりじゃ…」

「早く出てってーー!!」


葵は桶を投げつけた、


パコーンッ!


仰向けに倒れた。


ダダダダダダダッ


「葵ちゃん!どうしたの!?」


沙織が駆けつけ、


葵が指を差す方向を見ると…


「燐!何やってんの!?」


返事がない、ただの屍のようだ


─────

───


急遽家族会議に


「ゴホンッ、今回は燐が葵を襲おうとした件についてだが、燐、弁明はあるか。」


正座させられている燐に向かって、父が言った


「誤解だって、俺は風呂に入ろうと思っただけで、別に襲おうとなんか…」

「では、葵の裸体はどうであったか。」

「それはもう、ものすっごく素敵で…」


ゴチンッ!、ゴチンッ!


鈍い音とともに2人は倒れた


「ここからは私が仕切ります。」


燐の横で父が正座させられている

2人の頭には大きなたんこぶが


「今回は初犯だったという事もあり、大目に見ます。しかし!今後は許しません!」


母が鬼の形相で父を睨む


あ、俺じゃないんだ…


「でもさ、誰が入ってるか分からんときがあるだろ?」

「そうねえ、どうしましょうか。」

「あっ、こういうのは?」


「うん、そうしましょう。」


沙織の提案でまとまった。


お風呂の前に誰が入ってるのか分かるように札を掛けるという案だった。


家族会議は終了し、

父さんは母さんに引きずられてどこかへ行ってしまった。


やはり、いつの世も女は最強のようだ


葵は少し休憩らしく燐の部屋にいる


燐はベッドを背もたれにして座り、すぐそばに葵が座っている。


「葵、ごめんな。」

「うん、いいよ、そんなに気にしてないから。それに燐だったから…」

「うぇっ?」


葵はもじもじしている、しかも風呂上がりだからだろうか、火照っていてエロい…


まさか…

この展開は

アレの前触れか!?


「葵…」

「燐…」


葵の目はトロンとしている、


そして、目を閉じた。


2つの顔が近付いていく、


部屋の中に心臓の音だけが響いている


ドクン、


ドクン、


ドクン、




ガチャ


「はい!休憩しゅーりょーー!!」


2人はその声にビクッとして離れた


「姉ちゃん!いきなり開けんな!」

「なぁに?2人とも顔真っ赤よ、何してたの?」

「は?それは訊くな!」

「ははーん、そういうことね、まあどうでもいいけど、燐、ベッドの下の本処分しときなよ。」

「え!?おい!なんでそれを!」


沙織は手をひらひらと振って部屋を出ていく、

葵はキッと燐を睨んだ


「な!ち、違う!そんな目で俺を見るな〜。」

「エッチな男の子のことなんてもう知りません!勉強してきますぅーー!」


葵はそう言って舌をべーっと出して部屋を出ていき、燐に背を向けながら微笑んだ。


1人部屋に取り残された燐はベッドにうつ伏せになり、ぼそぼそと呟いている。


「あー、軽蔑された…」

「キスまでもう少しだったのに。」

「姉ちゃんのせいだ。」


「でも、葵の身体凄かったなあ…」


「燐…」

「うわぁっ!!」


その声に燐は飛び上がり、

指差しながら、


「おい!健!部屋にいるなら、もっと早く言え!」

「独り言おもろすぎ」

「うっせぇ!」

「いいから、早くゲームすんぞ、奈津が待ってる。」

「ああ、おい、今の絶対言うなよ。」


健はふっと笑って指を三本立てた。


「チッ、3000かよ、まあ、背に腹はかえられん。」

「さっすが、物分かりいいね。」

「うっせ、」

お約束のラッキースケベ

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