第26話
〈side 葵〉
葵の部屋で茜とつばさがポムポムとベッドの上を跳ねている
葵はその様子を椅子に座って眺めていた
先ほどまで聞こえていたシャワーの音が止み、浴室のドアが開いた
「あんたら、ドンドンうるさい、小学生か」
早苗は湿った髪の毛をタオルで拭きながら、2人に向けて言い放った
つばさは跳ぶのを止めて、ベッドの上に座り、
「ホテルのベッドの上で飛び跳ねるのって普通ですよね。」
茜はコクコクと頷く
早苗は呆れたようにため息を吐くと、また浴室へと戻って行く
ブォーーと風の吹く音が聞こえる
「そういえば、葵先輩!いつの間に私の立花先輩を奪ったんですか〜?」
「奪ったつもりは無いんだけど…」
「んーー、ヒドイです!罪を認めて下さい」
「つばさ先輩、負け惜しみはいけませんよ、勝てるわけ無いじゃないですか。全てにおいて負けているのに、」
茜はつばさを横目にふっふっふと笑う
「茜ちゃん、ヒッド!」
「先輩なんて、乳でかいだけの女なんですから。」
それは言い過ぎだと思うな
「うわぁーーん、先輩〜、茜ちゃんがひどいこと言う。」
「つばさは良いとこいっぱいあると思うよ。」
「例えば?」
「うーん、えーと、・・・・」
「ほら、やっぱりーー!!」
「いや、あるから、そのうち見つけるから。」
「そのうちって、絶対見つけて下さいよね」
つばさは拗ねたように口を尖らせ、
茜はお腹を抱えて笑っていた。
「やっぱり葵先輩は立花先輩のこと好きだったんですね。」
「うん…、まあね。」
「でも、私が奪い返します!」
「え!?」
「私が先輩のファーストキッスを奪ってみせますから!」
「つばさ、絶対に渡さないから…」
ぶつかる視線、2人の間には火花が散っている。
そこへ、早苗が帰ってきた
「何?2人何やってんの?」
「なんか、キスの奪い合いするらしいですよ。」
「ふぅーん、葵がねぇ…」
「あ、早苗ちゃん、」
「葵、あんたやっぱり立花のことが好きだったんだね。」
「うん、」
「お似合いよ、いい感じに2人ともバカでね。」
早苗が冷やかすような口調で言うと、
葵はムッとして、
「もうっ、バカって言うなー!」
「はいはい、」
「先輩!私もお似合いですよね?」
「つばさの方が良いかも?」
「早苗ちゃん!」
「聞きましたか?葵先輩、私の方がお似合いなんですよ。」
「むぅ……」
「ほら、私に返してくださいね。」
「イヤです!私の方が好きなんだもん!」
「私も好きですよ!」
「でも、立花くんは私のことが好きだから…」
葵は自分で言ってて恥ずかしいのか、
みるみる紅潮していく。
「すぐに振り向かせて見せますから!」
「ふん、渡しませんー。」
2人はそう言って、そっぽを向いた
頑張れ葵ちゃん




