第22話
〈side 葵〉
インターハイには無事出場出来たけど
あの日から立花くんの様子がおかしい
元気もあんまりないし、動きも少し鈍い
決勝戦だって、かなりギリギリだった
それに、リストバンドも外してた…
私も立花くんと話そうとするんだけどうまくいかない、なんだか避けられている感じがする
やっぱり、私は立花くんが好き
だからちゃんとケジメをつけないと
葵は喫茶店で待ち合わせをしていた
窓際の席に座って、ぼんやりと外の車を眺めていた。
そこへ、待ち人がやってくる
「ごめん、葵、待った?」
そう言って、手を合わせながらやって来た
「ううん、大丈夫。急に呼び出してごめんね。」
「いいよ、別に葵から呼ばれるなんて滅多にないからな。」
そう言って微笑いかけて席に座りると、メニューを手に取って一通り目を通し、店員を呼んで注文を終えた。
「それて、今日はどうしたんだ?」
「ちょっと話があってね。」
「そうか…」
何かを感じ取り、落ち着いた表情になった。
そこへ、注文したアイスコーヒーが届けられる。
ストローで吸いこんで少し口に含んだ後、
「じゃあ、話してくれよ。」
「うん…」
間を置いてから、
「悠人、もう私たち別れない?」
悠人は驚いた表情一つ見せずに、コーヒーを飲んだ後に、
「何言ってんだよ、」
「え?やっぱりダメだよね…」
「そうじゃない。だって、もともと俺たち付き合ってないだろ?だから別れるも何も無いって。」
悠人の言葉に葵は驚きが隠せなかった
「でも…、私のこと彼女って。」
「あー、あれはgirlfriend的な意味じゃなくてsheの方だよ。分からなかった?」
「悠人…、ごめん…」
悠人の優しさに思わず涙が出た
「ずっと、知ってたよ。葵が俺の事好きじゃないって。」
「だったらどうして…、私、悠人に酷いことした。」
「何か事情があったんだろ?酷いことなんかじゃないって、俺は葵のこと好きだから嘘でも嬉しかったんだ。」
私はずっと悠人の優しさに甘えてた
悠人は私のことが本気で好きだったのに私はなんてことを…
「ごめん、本当にごめん…、」
葵は座りながら何度も頭を下げた
「もう泣くな、俺こそ今までありがとうな。」
「私には感謝される資格なんてない。」
「いいんだ、俺がそう思ってるから。」
「ありがとう…」
「いいって、もう泣くなよ。帰って来てくれたんだろ?」
「うん…、え?」
「なんでフッたのかは知らないけど、燐のことが好きなんだろ。今も昔も。」
「うん、」
「だったら早く仲直りしろよ、インハイ負けちまうだろ。」
悠人は葵から顔を逸らして言った。
「どうして、知ってるの?」
「見てたら分かるわ。あいつは意外と分かりやすいからな。」
「そうなんだ。うん、ありがとう。」
「おう、」
インターハイ始まります




