表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

奇談 ー寝付けない夜ー

作者: type0

今回は怪談話ではありません。

中学の修学旅行での話。

どこにでもあるような昼間はみんなでワイワイ騒いで、夜でも就寝時間になるまで騒いでいました。

私のグループは6人グループで就寝時間が過ぎてもバカなことを話し合って笑ってました。

この6人グループはわりと仲が良いのですが、笑いが取れれば授業をサボるようなメンツで、クラスのムードメーカーみたいなものでした。

当然の如く、ホテルの部屋の外まで笑い声が響いてたらしく、教師が入ってきて注意を受けました。

それでもやっぱりみんな子供。教師が出て行ってからも騒ぐのは当然で、部屋の電気を消して布団の中に入っても話し込んでいました。


夜中の0時を過ぎた頃でしょうか。

流石に明日が辛くなるからそろそろ寝ようと誰かが言い出し、みんなは寝ることにしました。

先程まで笑いまくっていたので私は全然眠くはありませんでした。

みんなで寝ようと決めてから数分後、大人しく寝ているか確認するために教師が部屋を覗きにきました。

「お前らちゃんとねてるか〜」

寝てないとはいってもそこで返事するバカはいてません。

私以外にも全員まだ起きているはずだから寝てる振りはするはず。

問題は、そういう状況が意味もなく可笑しくなってきて、笑い出しそうになってきました。

笑いを堪えている間に教師が出て行ってくれればなんの罰も受けなくて済むので、私は我慢してました。

「お前らみんなやめろや!」

いきなりの叫び声。それは唐突でした。

私はビックリしましたが、その声が誰なのか直ぐに理解できたので、布団の中で堪えてた笑いが少しずつ漏れ出しました。


叫び声をあげた声の主はクラスで一番のムードメーカーで、先程まで6人の中で一番笑わせていた奴でした。

他の布団の中からもクスクスと笑いが漏れていました。

私も含めてみんな、そいつがなにか面白いことをしようとしていると思いました。

部屋のドアから覗き込んでいた教師は部屋の中に入り、叫び声をあげたそいつを注意しようとそいつが寝ている布団の側まで来ました。


「なんでみんな俺を殴るねん!みんなしていじめるなや!」

そいつは予想外のことを叫び出し、私達5人は布団から上半身を起こしてそいつの方を見ました。

見た感じ、そいつは寝てました。

「先生もか」

それを見ていた教師は寝ているそいつに話しかけると、次のような返答が返って来ました。

「なんで先生がいじめるねん!」

私や他の連中も、それが盛大な寝言だと分かり、教師も含めて笑い出しました。


その後、教師は早く寝るように言っただけで、お咎めはありませんでした。

翌日の朝、起きてから寝言をいったそいつに昨日のことを覚えているか聞いてみましたが、覚えていませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ