男子恐怖症
はああ。毎日が辛いよ。
「お姉ちゃん。みれーちゃん来ちゃうよ??」
「やっば。もうこんな時間??」
みっちゃんとは8時に私の家でって約束してる
「みはる。今何時??」
「もう8時になるよー。」
「えー!!どーしよ。まだ着替えてもないよ。」
ピンポーン
「あ、来たよ。」
「わー。まってー。みはる出て。」
こんな調子で時間が過ぎ…
「こはって朝苦手だよねー。いつも遅いの。」
「ごめんって。」
「ううん。慣れたから大丈夫だよ。」
学校に行くのが辛い…なんて言えない。
もちろん、隣の席が嫌なんてもっと言えない。
はぁ。
ため息ついて椅子に座ろうとしたら
「よ。」
来たよ。隣の席の問題児。
「あー。そうくん!!おはよう!!」
「みれいちゃん、おはよう」
「たつきくんもおはよう!!」
「はよっ。」
そうくんとたつきくん、結構性格が正反対なんだなと気づいた。
「なぁ。俺さ今日放課後暇なんだよねー。4人で遊ばね??」
ん。え。
「いーねぇ!! みれい、遊びたい」
「まぁ、俺も暇だから」
「こはるは??」
「あー、私は…」
「こはも行くよね!! うん。みれいが決めたから大丈夫だよ!!」
ええええ。まって。みっちゃんーーー。
「じゃあ決定な。」
真っ青になる顔を抑えて
「ちょっとトイレ行ってくるね」
と言ってそそくさと教室から出て行った。
「放課後になりましたー!! いぇーい!!」
「カラオケ行こーぜ!!」
「お前ら、テンション高すぎ。」
みっちゃんとそうくんはテンション上げて、たつきくんは軽く笑いながら見てた。
校門を出る時皆が帰るから人が多かった。
ドンッ
「きゃっ」
「おっ。あいつらあぶねぇな。」
私に誰かがぶつかってきて倒れそうになる私をそうくんは支えた。
「や、やだ。やめてっ!!」
サァーっと我に返った。
「あ、ご、ごめんなさい」
やっちゃった…。
助けてくれたのに…。
どうしよう。
「あ、えーと。俺は大丈夫!! 」
「なぁ、こはるは男子が嫌いなの??」
「何聞いてんだよ。たつき。」
言ったほうがいいのかな。
「みっちゃん…。」
「あのね、こはは中学生の時男子と色々あってそれから男子がダメなの。ほんとに無理になっちゃって、話すこともギリギリくらいなの。なのにみれいがここの高校行きたいからって合わせてくれて。」
「そうだったんだ。なのに。俺ごめんな。」
悪くない。悪いのは…中学生の時の…。
思い出したくない。
「とりあえず今日は帰るか。」
「いいよ。私だけ帰る。みっちゃんとそうくんとたつきくんは大丈夫だよ。」
「いいよ。みれい、こはのこと送るから!! ごめんね。また遊ぼう。」
「おう」
ダメだ。もう終わった。
ごめん。みっちゃん。
「ま、まぁ、こは今日は休んでさ、明日からまた慣らしてこ。」
「ありがとう。」
「みれいはぜーんぜん大丈夫だからさぁ。気にしないでね!!」
じゃあねっと手を振るみっちゃんを見てた。
家に入ろうとした時…
「こはる??」
…え。
振り向いたところにいたのは…。
「こやま…こはるだよな??」
「なんでいるの。大輝。」
「こっちに戻ってきたんだ。これからよろしくな。俺も西高だから。」
「う、うん!!」
どうしよう…
めっちゃ嬉しい。