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加害者

さっきまでこの作品ページから作者ページに飛ぶことができていませんでした!

設定変えて飛べるように集成いたしましたのでよろしくお願いします!


ほんと、教えてくれてありがとうございました!


体育館で授業を終えたあと、まだ二日目ということでこの日の学校は終になった。


帰りの会…SHRの後、蒼海ちゃんが申し訳なさそうな顔をして教室にきた。

どうしたのと聞いてみたけど、「ごめんなさい…なんでもないから」とはぐらかされた。


もしかしたら何かしてしまったのかもしれないが、心当たりもなく男の僕にはわからないことなのかもしれないと追求はしなかった。


「それじゃあまた明日ね。バイバイ蒼空くん、蒼海ちゃん。」


そう言って舞桜ちゃんは手を振って帰っていった。


「僕達も帰ろうか?」


「…うん…」


元気のない蒼海ちゃんだったが、その手はしっかりと僕に繋がれていた。

下駄箱まで行き、靴を履き替える。

すると、ズキっと痛みが走った。


靴を脱いで確認してみると、画鋲がひとつこぼれ落ちた。


「…お兄ちゃん、どうかしたの?」


「い、いや!なんでもないよっ!さ、帰ろうか?父さんがご飯作って待ってる。」


僕はとっさに画鋲を隠していた。

蒼海ちゃんのことだ。こんな事わかったらきっと今以上に僕へ気を使うだろう。



帰り道、画鋲のことを考える。

前世での経験からすぐにわかる。これは虐めだろう。

古典的というか、幼稚というか…良くも悪くも小学生のやることだなと僕は思う。

多分前世のことがなければ恐怖や不安で心が押しつぶされるようなことになっただろうけど、僕はちがう。

前世…僕は似たようなことを見てきた。そして、経験もした。


正義ぶって虐められていた子を助けたら、次の日には僕がターゲットになっていた。

前世ではよくある話だった。

助けたことによっていじめてる側から不快に思われ、その対象となる。

理不尽な話だが、どの学校にもあった事だろう。それは前世でも今のこの世界でも変わらないみたいだった。


ショックじゃないのかと聞かれたら、それはノーだ。

こんな事をされてショックに感じない人はいない。

ただ僕はそれと同時に安心してもいた。


虐めというのは大体が一人を対象にして行われる。

複数を虐めることもあるが、それは希。

そして虐めは一人を対象にするからこそ辛い部分がある。

複数が対象となっている場合は、その対象同士が支え合うことができる。

そして人数が増える程に加害者側が弱くなってしまう。

しかし、その対象が一人だった場合は抱え込むしかない。先生や家族に相談できれば早いのだが、虐めの加害者側から口止めをされていたり、話しても理解されない場合がある。

それ故に、虐めの対象は一人の場合が多く長く続きやすい。


僕がなぜ安心したのか。

それは、僕以外に虐めを受けている可能性が低くなったからだ。


僕以外…他の子供が虐めを受けていたら、耐えられなくなり不登校になってしまったり問題になってしまったりしただろう。

しかし、僕は違う。

僕はこの程度の虐めなら耐えられないことはなかった。


前世での虐めの経験と、年齢。

小学生が何故いじめに走ってしまうかも理解しているし、その対処法もわかる。

簡単に言うと、この悪ガキめとしか思わない。


小さい頃辛かった事が大人になってみるとへでも無かったりする。

それと同じだった。


心配なのは、これが周りにバレたり対象が変わってしまう事だった。

蒼海ちゃんや父さん母さんにでもバレたら間違いなく学校へ行けなくなってしまう。

七海先生にもバレてはいけない。それこそ学校の問題として取り上げられてしまう。


そしてもう一人、舞桜ちゃん。

何故だかわからないが、彼女だけにはバレてはいけないと思う。

彼女にだけは、心配をかけてはいけないと……


これから僕がしなくちゃいけない事は、虐めを周りにバレることなくその加害者を見つけてやめさせる。

何故僕なのか、僕以外にもやってきたのかを知らなきゃいけない。そして、僕以降虐めを起こさせちゃいけない。

それが男の子として僕がやるべき事だった。



翌日からいじめに気をつけながらの学校生活が始まった。

いじめに気をつけるというより、バレないように生活するのにだ。


登校して上履きを履こうとすると画鋲がある。

しかし、そのまま履いたら怪我をするしふるい落としたら蒼海ちゃんにバレてしまう。

うまいこと手に隠していくのに苦労した。


教室についてからも気を使った。

教科書を取り出そうとしたら、ページに落書き。

こんな物を広げたら即バレてしまうため、教科書を忘れてしまったと舞桜ちゃんにお願いして教科書を見せてもらったりもした。


幸か不幸か、虐めはクラスの目に付くような大きい事をしてこなかったので助かった。

苛めっ子に気を使ういじめられっ子とはおかしな状況だがしょうがない。


数日が経ち、苛めっ子の特定が進んだのはホームルームのことだった。


学校の掃除当番を決めるということで学級委員が決をとりながら進行させていた。

廊下や教室など様々な所がある掃除当番。


その中でも一番生徒から嫌われている掃除当番がトイレだった。

トイレ掃除というのは、濡れるし臭いしめんどくさいと嫌われていた。


当然、誰もやりたがらない。

そんな中ある人物が声をあげた。


「それじゃー野上やってみない?」


「え?」


声をあげたのは学級委員である杉田くんだった。

僕はなぜ指名せれたのか不思議に思い聞き返した。


「どうしてぼく?」


「ほら、野上って入院してて学校とかよくわからないんだろ?だったら色んなとこ掃除して覚えた方がいいじゃん!」


そう言う杉田くんの目はほのかに笑っていた。

あぁ、この子だ。この子が加害者か…


僕は特に言い返すこともなくトイレ掃除を受けた。

2人必要だったのでもう一人選ばれるかと思っていたら、隣の舞桜ちゃんが立候補して決まった。


こうして加害者が杉田くんだとわかったが、まだ断定はできなかった。

言い方は悪いが尻尾を完全に出すまでは何かするには早計だった。


尻尾を出すまでどれほどかかるかと考えていたが、思っていたよりも早くみつけることができた。


体育の時間、その日僕は更衣室で着替えようとしていた。

いつもは教室なのだが、尻尾を見つけるためになるべく杉田くんと行動したかったからそうした。


そして更衣室に入る。その日は石川くんが休んでいたため僕と杉田くんの二人だけだった。


着替えるために体操着をだす。

すると、体操着が泥だらけになっていた。

僕は隠そうとはせずに泥だらけの体操着をだす。


するとそれに杉田くんはすぐに気がついた。


「うわっ!野上なんだよそれ!泥だらけじゃんか!」


「うん…誰かにやられたのかも…」


「災難だなー野上お前、嫌われてるんじゃないのか?」


「嫌われてるって?」


「そのまんまだよ。クラスの女子に嫌われてるんじゃないかって事だよ。」


「女子がこんな事するのかな…?」


「するだろ嫌われてたら!泥とか画鋲とか女子ならやるぜたぶん!」


「画鋲…?なんで杉田くんが画鋲のこと知ってるの?」


「……あっ」


まさかむこうから自爆してくれるとは思わなかった。

所詮は小学生だったってことなのかな…


「ねぇ?杉田くんがやったんだよね?」


「えっと…その……」


「きいてる?」


「〜〜!あぁそうだよ!俺がやってたんだよ!うざいんだよお前!!」


ついに杉田くんが暴露し始めた。


「いきなり転校してきたと思ったら!女子にちやほやされていい気になりやがって!お前なんか!」


そうか…これが虐めていた理由か。


「お前がくるまでは!俺がみんなの一番だったのに!」


きっとこの子は僕が来るまで数少ない男子として重宝されてたんだ…しかし、僕が来て女子の注目が移ってしまって…それで僕を。


「そっか……ごめんね、杉田く――」


バンッと扉の開く音。

僕が杉田くんを説得しようと言葉をかけようとした時だった。


勢いよく開かれる更衣室の扉。

その向こうには、舞桜ちゃんが立っていた。

その表情に一つの感情も表さずに。



早すぎる日曜更新

一刻も早くリンク不足謝りたかったですほんと申し訳ない(´・ω・`)

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