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夫婦


前世の記憶…

僕は後悔していた…

……何を後悔していた?

…………思い出せない……

「守ってあげるから守っててね」

そんな声を思い出したとき、僕の意識は眠りから目覚めた。






目が覚めると二人の人影があった

多分父と……あぁ、母か。

そういえば眠る前に次は母も来ると聞いたような気がする


ぼーっと考えていると父が僕に気づく


「お、蒼空ちゃんが目を覚ましたぞ!ほら、渚見てってば!」


「もう、そんな声出したら蒼空ちゃんビックリするでしょ?落ち着きなさい響ったら」


そうか、母は渚で父は響というのか。二人ともいい名前だな…

そう思っていると父に抱き抱えられる


「ほーら、蒼空ちゃん!この人がママでちゅよー?」そういって抱き抱えた僕を母に見せる


「もう、蒼空ちゃんを初めに抱いたのは私よ?教えなくてもわかるわよ。ねー?蒼空ちゃん?」


「そういえばそうだね……はぁ、いいよなぁ母親は。一番最初に抱っこできるんだもんなぁ」


「そりゃそうでしょう?産むのは女性の役割なんだから最初に抱っこするのは当然よ」


「それはわかってるんだけどさぁ…でもほら、最初っていうのが羨ましくて……」


「何言ってるのよ響ったら。産むのは女性の役割だけどそれ以降は男性がほとんどやれるじゃない。私はむしろそっちが羨ましいわ………はぁ私の胸から乳が出れば産んだ後でもほぼ一緒にいられるのになぁ」


「まぁそうだね。これから数年間は俺が付きっきりになる訳だし初めての抱っこは渚に譲るとするよ」


「譲るとするよじゃなくてもう抱いたんだけどねー!」


僕の話で二人は盛り上がっている

そして話を聞いているうちにまた違和感を感じる。

…………男性が育児?母の人から乳が出ない?


どういう事だろう。前世の記憶が正しければ育児は女性がしていたし乳も女性があげていた。なんたって母乳と言われてたぐらいだし

いや、もしかしたら僕の母だけが乳のでない体質なのかもしれないし、育児だって前世の社会では少数ではあるが夫が担っているケースもあった。決め付けるのは早計かもしれない


「そうだ響、乳はあげないの?蒼空ちゃんお腹すいてるかも」


「あ、そうだね。蒼空ちゃんーパパのミルク飲みまちょうねぇ〜」


「私、授乳してるところ見た事ないからちょっと気になってたんだよね。見てていい?」


「え……うんまぁ渚だしいいけどあんまりジロジロ見ないでね?渚ってばどこでも俺の胸エロい目線で見てくるんだから……」


「まぁまぁ少しくらいいいじゃない?私達夫婦なんだし!それにエロい目線で見ちゃうのはエロい胸してる響が悪いのよ」


「またそんな屁理屈言ってるし…もう慣れたからいいけど、蒼空ちゃんやパパ友のまえで変なこと言わないようにね?」


「はーい、ベッドの上だけにしておきまーす」


「もうほらまた……蒼空ちゃん、エッチなママはほっておいてパパのミルク飲みまちょうねぇー」





………これは絶対おかしい。眠る前にも少し思っていたのが確信へと変わった。

父親から乳がでる?!冗談だろ……


そんな事を思ったが赤ちゃんの本能は口に当てられた乳首に吸い付いてしまう。


絶対おかしい…なんで僕は母じゃなく父親の胸に吸い付いているんだ……

それにどうしてこんな安心する味の乳が出てくるんだ…


それにさっきの会話……父の、男性の胸を女性であるはずの母がエロい目線で見ているとはどういう事なのか。

パパ友ってなんだ?ママ友なら聞いたことあるがパパ友なんて聞いたことないぞ…


そんな事を考えているうちに僕はお腹いっぱいになり口を離す。


「お、蒼空ちゃんもうお腹いっぱいになりまちたかぁ?それじゃあまたお寝んねしまちょうねー」

父の優しく僕に話しかける


「えーもう終わりかぁ。私もっと授乳見てたかったな…」


「渚……蒼空ちゃんが産まれたと思ったらすぐエロい事ばっかになるのな…」


「だって!私お腹大きくなってからずっと我慢してたんだよ?!お腹の中にいた蒼空ちゃんに影響あるといけないからって自慰すら我慢してたんだから!」


「ちょっ!渚!そんな事大声で言うなよ恥ずかしいな!」


「せっかく蒼空ちゃんが生まれて我慢しなくて済むのに響がいけずだからでしょ!」


「わ、わかったから!家に帰ったら相手してあげるから落ち着けって!」


「え、本当?!やったー絶対だからね?半年分きっちり相手してもらうんだからね!」


「わ、わかったよ…ほんと、女性の性欲って計り知れないなぁ」


そう夫婦の痴話喧嘩を聞きながら眠りに落ちる手前、僕は絶対の確信をするのであった






この世界はどこかおかしいと






僕の大好きな男女あべこべ物語にかなり影響されてる作品です

設定とか被りますがよろしくお願いします

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