出産
とりあえず投稿していきます
指摘があればよろしくお願いします
眩しい…寒い…痛い…
意識が戻ってから感じたのはこれだった。
眩しすぎてうまく目が開けられない
寒いからかうまく体が動かせない
お腹の先がちぎられたように痛い
そして何より喋れない
何がなんだがわからない僕はただ泣く事しか出来なかった。
泣いていると声が聞こえてくる
「大きな泣き声!元気な男の子ですよお母さん」
「……ふぅ………ふぅ……よかった……元気に生まれてくれた…はじめまして、蒼空ちゃん…」
聞こえきたのはおばさんの声と息も絶えだえな若い女の人の声
おばさんの声にはひと仕事終わったという安堵感が感じとれた
若い女の人の声はというと、とても安らぎに満ちた声で慈愛に満ちていた。
「はーい、お身体洗ってお母さんに抱っこしてもらいましょうね〜」
そうおばさんの声の後、さっきまで凍えるように寒かったのが一変し今度は暖かい液体が身体を伝う。
未だに何がなんだがわからない僕はただ泣き続けている。
しばらくすると今度は柔らかくて暖かい物に包まれた
「はい、綺麗になったねー。そしたらお母さんに抱っこしてもらおうね」
そうして訳のわからないまま運ばれて行く僕。
「はい、お母さんですよー?わかるかなぁー?」
「あぁ蒼空ちゃん…ほんとに元気で可愛い…生まれてくれてよかった…ほんとに…」
訳のわからないままであったが、そんな若い女の人の声を聞くと自然と僕は泣きやんだ。
安心感に包まれる。
さっきまで何がなんだがわからず不安だったのが嘘のように感じられた
あぁ……このまま眠ってしまいたい…そう思っているとまたおばさんの声がした
「よーし、お母さんはおしまい。次はお父さんのところに行ってお乳を貰おうね~」
眠ってしまいそうな意識の中で前世とは異なる事を聞いたのだがその時の僕は母の声から来た安心感と泣きつかれた事によって深く考えることができずそのまま眠りにつくのであった。