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前世の最後
意識が遠のいていく…
あぁ、僕は死んでいくんだなと薄れていく意識の中でそう思う。
もっと上手いやり方があったんじゃないか、違う方法の方がよかったんじゃないかと後悔がよぎる。
そんな中一際大きく頭の中を過ぎったのは守れなかったという後悔。
結局僕は彼女に何もしてあげられてないなと…約束を守れなかったと……
そんな事を考えていると遠くから声がした。
「今度は私が守ってあげる……待っててね、蒼空…」と。
遠くて誰の声かわからない。
誰の声だろうと考えようとしたが時間切れ。
誰の声だったのか…待っててねとはどういう意味だったのか、答えのわからないまま意識が完全になくなる。
こうして僕は…野上 蒼空の一生は幕を閉じた。