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RabiT×rabbit!!  作者: 志紅
4/5

#03 現状説明なんです

やっと莉兎の一人称を「あたし」で書けるようになりました…!

書きやすい…!!



タイトルは後々変わると思われます。

「…じゃあとりあえず、一通りミコサンで遊んだ所で、」

「おいいぃぃむぎゅほ!?」

「詳しい説明した方がいいですヨネ?」


騒ぐエセの口を押さえつけ――正直これに効果があるのか若干不安だったけど――黙らせて、尋ねるルーマの声に頷いた。

…ほんとにどうやっているのか、テレビが首を傾げるように傾いているのは突っ込んじゃいけないんだろうなぁ。


「まあ、超常的なことに馴染みのない地球人にハ、にわかには信じがたいかもしれマセんガ」

「――…地球人、か。」

そう、予想はしていたけれど。彼らはいわゆる、…宇宙人、というやつなんだろう。信じられるかと叫ぶには、ほんの一時間程でありえない現象を見過ぎてしまった。


やっぱりと溜め息を吐くと、ルーマが楽しそうに画面に音符を乱舞させていた。

「…それで、」

「そうですネェ、まずはきちんと自己紹介しましょうカ?」

「…いやそれさっきもやったし、」


「〜ッぷはぁ、そういうことならまずは俺からだな!」

何回やる気だとうろんな目で思わずルーマにツッコむと、エセが拘束から抜け出してピョンと飛び降りた。

――どうでもいいけど見た目普通にぬいぐるみでウサギなのに扱いを雑にするのに躊躇しないのはなんでだろう。


「連邦警察特殊ウイルス対策局第一支部隊長、サラメア星出身のミコリア・ベルマーレだ!今年の抱負は地球の女の子にモテること!ミコ隊長と呼べ!!」


「あーじゃあ自分もその流れで続けマスね?えぇト、連邦警察専任科学技術局副局長、デラド星出身のルマドラド・ディオン=β・オルガスタでス。今年の抱負は…んー、AK○のメンバー全員覚えることですカネ。ルーマと呼んでくだサイ!」




長い自己紹介が終わったところで溜め息を吐く。

「じゃあそろそろツッコんでいい?」

「えぇどうゾ、」

「まず、まぁ…君らが宇宙人っていうのはギリギリ理解した。で、連邦警察っていうのは?」


ことりと二人そろって首を傾げて、

「そうですネェ…平たく言うと、宇宙の平和を守る正義の味方?みたいナ?」

「…うさんくさっ!」


そして喋り方がうざい。

…じゃなくて、それは怪しくしか聞こえなかった。他の星――というのもあるのは初めて知った――だと“超常的な”現象が常識みたいな感じで語られていたけれど、もちろんあたしはあんな現象も、連邦警察なんて物の存在も今の今まで知らなかった。パニックになるからと政府が隠しているというのも、全くそれらしい人間が出てこないところを見るとないだろう。ということは、恐らく地球は“連邦”に加わっていない。



――なのに何故、地球を守るかのような口振りなのか。takeなしにgiveがあるなど、有り得ないだろう。

頭を激しく回転させているせいで頭痛がしながらもそう説明すると、エセ―…ミコが口を開いた。


「―…それはもっともな疑問だけどな…何もなしに守ってるわけじゃないさ。」

「それを説明するには、まずさっきの化け物について話した方が良さそうデスネ。」


楽しそうに呟くルーマの声を聞いてはっとする。


「そうだ、さっきの怪物…!トラシル、って言ってたけど、あれは?」

「――trash ill、日本語、デシたカ?それに訳すと屑イル、デス。」


…無駄に発音いいな。


「―…“イル”?」

「更に訳すなら、えぇと…病魔、か?それの屑、つまり低級、ってことだ。」

「さっき“特殊ウイルス対策局”っテ言いましたヨネ?その特殊ウイルスというのが…イルなんデス。」

「何かの病原体…では無さそうだったけど、」


その呟きに、ルーマが嬉しそうに頷いて画面に笑顔を浮かべた。

「そう、人の体を冒す…という点で分類すれバ、イルは厳密にはウイルスではありマセン。」

「奴らが冒すのは、」


胡座をかいて床に座っていたミコが口を開く。ファンシーなウサギのぬいぐるみではどうにも深刻さは伝わらないが、声は真剣そのものだ。



「―…生物の心…負の感情に支配された隙間に、奴らは寄生するんだ。」

「心…負の、感情…。」

「うつ病で自殺、というニュース、この星では珍しくないデショ?」


「…まさか、」


「えェ、大半はイルの被害者デス。――そうじゃない人間もいますケド。」


被害に遭っているのは、きっと地球人だけではない。乾いた笑い声を零すルーマがどんな表情をしているのか、テレビ越しでは分かるはずもなかった。


奴らは、と胡座をかいて腕を組んだミコが忌々しげに呟く。


「生物の負の感情を喰らい、喰らい尽くされた人間の心は消滅する。その人間が自殺すんのは、イルが証拠を隠滅しようとするからだ。―…他の星ではすでにその対策をとっていて、殆どの星に発症者はいねぇ。」

「だけど…この星の進歩は遅すぎるンです。」


―…なるほど、話が見えてきた。


「だから…他の星にウイルスが広まらないように、連邦警察が地球でイルを倒してる…って訳か。」



「yeah that's right!!!」


「「!!?」」


「うるっせぇ!」

「ぎゃん!」


とてとてと走り寄ったミコに思い切り跳び蹴りを食わせられ、ルーマは悲痛な悲鳴を上げた。

…ネイティブな発音はいいけど、確かにさっきのはうるさかった。


「なにがイエーだ!うるせぇよ!!その位でいちいち騒ぐな!」

「りっちゃんとの奇跡のフィーリングにちょっと興奮しただけジャないデスか!ミコさんのバイオレンスぅ!!」


怒鳴るミコにまるでアニメのように湯気を発して、ぷんぷん、と怒るマネをするルーマ。


「…きしょい」


あとりっちゃん言うな。


「ガビーン!」

「古い。」



さっきまでのシリアスムードは一体なんだったんだ、と溜め息を吐く。まぁ暗いよりはいいけど。


「いやなんか、真面目な顔して話すのがめんどくさくなっちゃいマシて。」

「めんどいって。」

「…もうお前早く帰れよ。」

「いやだミコさんってばナイスツンデレ!」

「混じりっけなしの本心だよ!」


「…………ところで、エ…ミコ、さっき“イルが証拠を隠滅しようとする”って言ったよな?」


「アれぇりっちゃん気持ちいいまでのスルー!何という放置プレイ!!自分ゾクゾクしちゃいマスヨ!」

「ルーマお前…まぁいいや、言ったが、それが?」


どん引いた目でルーマから数歩遠ざかり、こっちを振り向くミコ。…うん、触れちゃいけないことってあるよ。


「ってことは…イルには知性がある、ってことか?」


その質問に嫌そうに顔を歪めて、ミコは吐き捨てるように言った。


「知性どころじゃねぇ…体内に溜め込んだエネルギーが多ければ多いほど、奴らは明確な人格を持つんだよ。」

「人格…?」

「――だから、厄介なんだ。」


呟き、頭を掻いて俯く。

「人間の心の隙をついて…そいつの人格と少しずつ同化し唆して、駆除に来る連邦警察を迎えうっちまうんだからな。」

「うわ…」


気分の悪くなる話にあたしは思わず眉をひそめた。それじゃまるで、ウイルスじゃなくて犯罪者だ。


「まぁ、だからって連邦警察が負けるかって言えばそんなことはねぇが…、厄介なのは確かだ。」

「大変だね…。」


普通の犯罪者の管理もあるだろうに。連邦警察の中に対策局があるっぽい感じだったから、それだけが仕事なわけでは無いのだろう。


「じゃあ、なんでわざわざあたしと、なんだっけ…適合?してイルを駆除すんの?」


ミコの口振りだと他の星は地球よりずっと高度な文明を築いているのだろう。ならそっちの技術や武器を用いた方が手っ取り早いだろうと説明すると、それに関しては自分の管轄ではないと首を振って、…







「―…あの、自分そろそろシカトも限界ナンですが…」


「「あ、」」


素で忘れてた。


「なんですカその、“あ、こいつ居たんだった…”みたいナ目は!」

「よく分かったな…。」

「せめて否定して!!」


きゃいきゃいと(?)しばらく二人でじゃれ合って満足したのか、ルーマがコホン、と咳払いをする。


「そうデスね…その辺の説明に関してハ、自分の担当デス。」

少し長くなりマスが、と前置きしてから続けた。


「他の星と比べテ地球の発展がずっと遅れている、とは話しましたヨネ?それは地球が誕生してからたった年数ガ他の星より少ないということ何でス。星の環境というのハ年の経過につれて変化するものデ、それに合わせて生物の体も変化シます。――つまり、地球の生育環境は他の星から見れバ“古代”で…それに適した体を持つ生物は、地球以外にいないンです。」


「な、るほど…。」


中堅一般レベルの頭脳でしかないあたしが理解出来るギリギリの話だったが、とりあえず了解した、と頷いた。――それにしても“古代”っていうのは…軽くショックだわ。


「…ま、そういう訳でな。適さないのは肉体だけで、精神に被害はねぇ。だからああして、お前に宿って能力を強化したって訳だ。」


ふむふむ頷くミコにOK、と呟いてから話を仕切り直す。


「…で、あたしはこれからどうすればいい?」

首を傾げるとサラリと髪が揺れて、あぁそろそろ切らないとな、とぼんやりそれを見詰めた。

疑問に思ったことは粗方聞き終わった。どうやら信じるしかなさそうだし、筋も通っている。じゃあ具体的に、あたしはこれからどうすればいいのか。


その言葉に少しだけ不思議そうに同じく首を傾げたミコが言った。


「意外だな…お前は面倒だと断るかと思っていたんだが。」

「――、」

あたしの何を知ってるの、とあっさり呟きそうになった口をきゅっと閉じて微かに笑う。


「最近退屈してたから、かな…。楽しそうだしね。」

「…まぁ、理由は何でもいいが…、――最終確認だ。本当に、いいんだな?」


戦うのは平たく言えば“地球外生命体”。ただの人間であるあたしがそんなものと戦えば、もしかしたらただじゃ済まないかもしれない。事前調査でうちの事情も知っていると云うのなら、その辺のことも考慮してのことだろうか。


「…りっちゃん、ミコサンの力がいくら他より優れているとは言エ、」


「――大丈夫。だいたい政府も通さない怪しい話に、拒否権があるなんて思ってなかったけど。」

それとりっちゃんは止めて、と口元を引きつらせると、小さなため息が聞こえて振り向く。


「それなら…交渉成立、だな。」

「…溜め息とか、」

ひどいと嘆くあたしの声を無視してミコは続けた。

「じゃあ…―契約を。」

「契約?」

「そう難しいものじゃあない。…ルーマ、」

「アイアイサー、ミコサン!……えぇっと、これ、デス、ね!」


割と大きな声で言ったルーマの…えぇと、口?にあたるのか、画面からいやな音を出しながらズルッという感じに引っ張り出されたものを見て、あたしはげんなりと額に手を当てた。…後でリビングのテレビと取り替えよう。


「これは…、」

「――まずこっちは、俺の本体の血液製剤みたいなもんだ。純粋に基礎的な身体能力も強化されるし、俺との適合で体にかかる負荷が少なくなるはずだ。」


そう言ってミコが指し示したのは、きらきらと光る液体っぽいものが中に詰められたカプセル。規則的に流れるように動く透明な液体はダイヤモンドを溶かしたようで、見とれる程に美しい。…血液製剤だと知らなければ。まさか血そのものではないだろうが…確かにどう見ても地球人とは身体構造が違うだろうな、と分かった。


「―…それから、こっちが契約に必要なもんだ。」

「…十字架?」

きれいだ、と思わず呟くと、そうだろうと偉そうにミコが胸を張った。いやなんで?怪訝な顔をしていると、珍しくルーマが気を遣って補足してくれる。


「契約に必要なアイテムは、そのほとんどがミコサンの生まれ故郷でアル星で作られているんでスよ。これも、その一つデス。」

「へぇ…。」


言って、改めてそれに目をやる。繊細でシンプルな造りの、けれど高級感漂う十字架のネックレスだ。…まぁ標準より大きめサイズだが。ただの銀色とかではなくて、反射の角度によって色が変わり、中心に埋め込まれた透明な石が更に不思議な色合いで光っている。普通にアクセサリーみたいで気に入ったと思いながらミコをちらりと見ると、何やらまたごそごそやり始めていた。

そして取り出した黒い小瓶からポタリと中心の石に雫を一滴零して、満足げに頷く。


「よし、これでいいはず…と。じゃあ向島莉兎、」


お前の血をよこせ、と平然とこちらに向かって手を差し出したミコに、


「―…やっぱり?」


契約といえばやはりそういうものかとため息を吐いて、確かその辺にカッターがあったはずだと後ろを向いて探しながら、適当に声を掛けた。


「っていうか、いったい何のために契約なんてすんだよ?…RPGじゃあるまいし。」


続けた言葉にyes!video game!自分大好キです!と騒ぎ始めたルーマを黙殺して、ミコが首を傾げる。――シカト慣れ早いな。あとAK○とか地球…否日本文化に詳しすぎなルーマが怖い。


「いやどちらかと言うと…契約というよりは取引、だな。ただ書面だけの話になったら困るんで、物理的に拘束力のある儀式をするってだけだ。」

「…つまり?」


振り向き眉根にしわを寄せて尋ねると、ミコはこくりと頷いて十字架に手をかざした。


「―…お前がこの話を他言しないよう、古代契約で拘束する。安心しろ、人に話さなきゃあ副作用はねぇ。」

「…なるほどー、もう引き返せないってわけか。」

カッターを手にぼんやりと呟く。手のひらに当てて力を込めゆっくり引くと、プツリと赤い血が溢れ出た。


「そういう訳だ。…じゃあ行くぞ。」


自然と指が吸い寄せられるように動いて、手のひらを伝った血が石に落ちる。―――瞬間。


「っ!?」

目を覆いたくなるほどのダイヤモンドの光と強い風が石から吹き出して、あたしとミコを包んでいた。かざしていた手を石に当て何かぶつぶつ呟くミコを呆然と見つめていると、ルーマのあたしを呼ぶ声がして振り向く。

「…りっちゃんりっちゃん、」

「―…え、あ、何?」

「もうすぐミコサンの儀式準備が終わりますカラ、身構えててくだサイね?」

何にと問う前に…“呼ばれた”気がして視線を戻せば、呪文のようなものを言い終えたミコと目が合う。真剣さに欠けた白いウサギの口が、ゆっくりと動いた。


「汝…―契約に同意するか?」


―返す言葉は、言われずとも分かっている。


「あたし、向島莉兎は…ミコリア・ベラルーシとの契約に、同意します。」


言ってそっと自分の手をミコの手の上に重ねる。ミコは一瞬ピクリと反応したが黙ってそのまま石を見詰め続けていた。そして次第に輝きが薄れ、それと同時に石から伸び始めたのはさっきの光をそのまま紡いだような光る糸で、あたしとミコの手をぐるぐると互いに結んでいく。あぁ、赤い糸みたいでなかなか気持ち悪い、とか思いながらぼんやりと見つめていると、それは2人の手首を繋いで先20cm程残し宙に浮いた。


「―…う、わ!?」

不意に。その先端の片方があたしに向かってきて、どうしようもなく慌てふためくうちに――胸へと呑み込まれて、消える。―…え?


「ちょ…、こんなことになるんなら先に言っといてよ。」


びっくりした、とまだ結構光を帯びた胸元が不思議で撫でながら文句をこぼすと、同じように光の糸を呑み込んだミコがしゃあねぇだろ、と口を尖らせた(たぶん)。


「これを全部一々説明なんて出来るか。――まぁいい、これで俺とお前は正式にパートナーだ。」

確かに…と思い俯いて舌打ちしながらも、最後の言葉に顔を上げる。


「ですネ!コレでりっちゃんにいくら愚痴を語っちゃってもokな訳です!!」

「それは遠慮しとく。」

苦笑し楽しそうなルーマの提案をばっさり切っていると…なぜか二人がニヤリと笑って同時に口を開いた。いやな予感とまでは言わないけど、いい感じでは、ないな。



「―…それじゃありっちゃん」

「これから、」


「「よろしくな(デース)?」」





「―…よろしく。」



こうして、呆気なく終わった契約に唖然としている間にあたしは厄介事へと正式に足を踏み入れたのだった。


…あぁワクワクしてきた。










(…あれ?)


ところでなんか聞き忘れた気がする、と…思ったけれど、なんだったかが思い出せない。まぁいいかと欠伸をして、あたしは一日を終えた。














mission#03complete

説明っ…終わり!!

疲れた…画面が真っ黒でなかなかに疲れました。そして穴があったらどうしようとびびっている志紅です。


あ、あと、ルーマの出番はこれにて終了(笑)。一応サブレギュラーではありますが、#04の冒頭でちみっとしゃべ…るかなあ、程度で、今後は連邦本部にご帰還です。その理由についても本編にて。


そしてミコがかっこいいのはここまで。後はいじられ街道まっしぐら予定です。莉兎は段々キャラがおかしくなってきましたが、クールな方向で。


…まあそんな感じで、鈍足ですがよろしくお願いいたしますm(__)m



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