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27話︎︎ メイランとの絆

 朝になった、俺の葛藤虚しくドキドキが止まらず熟睡出来なかった。

 だってさ、可愛い美女が2人だぞ? 両腕に花だぞ? 腕に当たる柔らかい感覚と良い匂いで脳内真っピンクだぞ?

 今回は初めてメイランと一緒だったし、2人共柔らかい物押し付けて寝るんだもんな。

 ベッドがツインだったお陰でそこそこ広かったから3人でも狭くはなかったが、俺が真ん中で寝返りが出来なかったのも熟睡出来なかった要因かもしれない。


 でも、両腕が気持ちよくて幸せだったので、それはそれでヨシ。


「んん〜っ」


 上半身を起こし伸びをする。

 カエデの方を見ると、今日も緩んだ顔で気持ち良さそうに寝ている。

 頭を優しく撫でてやると耳をピクピクさせながらも更に顔が緩む。

 可愛すぎる、カエデの寝顔好きなんだよなぁ……ずっと見ていたい気分になるね。

 そして初めて一緒に寝たメイランの方を見ると、目を開けてじっとこちらを見ていた。


「ちょ、メイラン起きてたのか」

「ふふっ、少し前に起きてコウガ様の寝顔を見てたのよ。コウガ様が起きた瞬間に少しだけ寝たフリして何をするか見ていたの。カエデにメロメロなのね」

「可愛いんだから仕方ないだろう」


 照れ隠しにメイランも頭を撫でてやる、少し驚いたようだが気持ち良さそうにして受け入れてくれた。


「あら、私にもしてくれるの?」

「2人共可愛くて大事なパートナーだからな」

「嬉しい事言ってくれるじゃない」


 メイランが起き上がり、俺に近付いてきたと思えば頬にキスをしてきた。


「!?」

「ふふ、助けてくれた事と受け入れてくれた事のお礼よ。私は相手を決めたら、とことん尽くすと決めてるの」

「まだ出会ったばかりだぞ、いいのか?」

「ええ。最初から良いなとは思ってたし、助けられた女からみたら助けてくれた男は王子様に見えるものよ。カエデからもコウガ様の良い所をいっぱい教えて貰ってるのもあるわね」


 カエデが俺の魅力というものを語り尽くしてくれたみたいだ。

 魅力なんてあるのか自分ではよく分からないが、メイランとも良い関係が築けるのであれば、まぁ良いだろう。

 みんなと仲良く協力して、楽しい旅にしたいからな……目的は忘れてないぞ? ホントだからな!


「そっか、2人の時にそんな話をしてたんだな」

「ふふ、でも内容は秘密よ?」


 唇に人差し指を当ててシッってポーズを取る、少しだけドキッとしたのは内緒。


「聞かないから安心してくれ」


 俺とメイランはベッドから降りて着替えをする。

 見ないようにしてるから分からないんだが、メイランのような翼がある人ってどう着替えてるんだ? 服に穴が空いてるにしても翼が通るとは思えないんだが……不思議だ。


 服といえば2人とも奴隷服だけど、やっぱり普通の服とか欲しいだろうなぁ。

 俺としては奴隷とはいえどオシャレはしてほしいと思うし、1回聞いてみるか。


「なぁメイラン、普通の服を欲しいとは思わないか?」


 着替えの最中なので振り向かずメイランに問い掛ける。

 少しだけ間が空いたが、返事が返ってきた。


「……正直に話すと、奴隷服を着るよりも動きやすい服が欲しいわね。ただ贅沢言うつもりはないし、ねだるつもりもないのよ。だから別にこのままでも良かったのだけれど……これでも女だから、やっぱり奴隷服着ていると周りの目線も気になるのよね。いやらしい視線だったり見下す視線だったり……首輪は外せないから良いにしても、せめて普通の格好をしたいわ……我儘かしら……?」

「いや、我儘ではないさ。女の子なんだからオシャレとか、冒険者としてなら動きやすい服は欲しいだろう。折角サンビークに来たんだ、散策ついでに買いに行くとしようか」

「私を買ってくれただけではなく、こうして気にかけてくれるなんて……ありがとう」

「さっきも言ったが、2人は俺の大事なパートナーなんだからな? ちゃんと思ってる事があれば言って欲しい。俺は2人を奴隷として扱うつもりはないから、遠慮するんじゃないぞ」


 特にカエデはずっと奴隷服数枚を着回ししてもらってるからな……本人は気にしていない様子だったが、言わないだけでもしかしたら気にしているかもしれない。


「コウガ様……」


 俺は着替えを既に済ませてあったので、メイランの着替え終わりを待っていたのだが、急に後ろから抱き着かれた。


「メイラン?」


 丁度着替え終わった所だったのか服を着てる感触はあったが、胸がデカいの為にふにゅっとした感覚が背中にあった。


「コウガ様、カエデから聞いた通りお優しい方ね。出会って間もないカエデがここまで慕ってる理由が良く分かったわ。私もコウガ様に勇気出して買って欲しいって言えて良かったと思ってる」

「メイラン……」

「冗談に聞こえたかもしれないけれど、昨日言った身体を捧げても良いって言ったの……本気よ? 本気でコウガ様に尽くしたいし慕いたいと思うわ。もちろん旅の妨げになる事はしたくないから……そういう事はしないけど、せめて忠誠は誓わせて欲しいの」


 メイランの顔は見えないが本気の気持ちをぶつけてくれている。

 俺も、ちゃんと応えないとな。

 俺は抱き締めてくれてるメイランを優しく解いて、振り向いて抱き締め直す。


「……!」

「メイラン、俺はカエデからも似たような感じで忠誠を誓ってくれてるんだ。でもメイランの忠誠もしっかり受け止めたい。2人から選ぶなんて出来ないから、だから2人とも両取りしたいと思うんだ……俺の我儘か?」

「……いいえ、良いと思うわ。あの空から降ってきた状況を見てたから疑いはしてなかったけど、やっぱり流れ者なのね、コウガ様。この世界は一夫多妻制。私はカエデと一緒でも構わないし、カエデも私となら一緒でもいいって言ってくれているわ。だから問題ないわね」

「そうだったのか、なら問題ないな。俺の大事なパートナーとして、ずっと一緒に居ることを誓ってくれるか?」


 俺は抱き締めてるメイランの顔を見る為に少しだけ上半身だけを離すと、顔が真っ赤になったメイランが見えた。

 メイランがこちらの顔を見る。


「はい、誓います。この人生……コウガ様と共に……!」


『加護、一途な想いを取得しました』(メイラン)

『加護、メイランとの絆を取得。条件クリアにより変身スキル強化、個体名メイランの種族へ変身した際、ドラゴン族の性質引継ぎ及び個体名メイランの取得スキルの発動が可能になりました。変身スキル発動します』(コウガ)


「「!?」」


 強制変身により、俺はドラゴン族に変身した。

 尾てい骨付近からドラゴンの尻尾が、背中からは翼が生えてきた。

 腕もドラゴンらしい鱗の見た目にかわっている。

 余談だが、服も破れないで変化するという親切設計みたいだ。


 ステータスはこう変化した。

 コウガ(ドラゴン族の姿)


 STR F→D

 VIT G→D

 INT E→E

 DEX A+→B

 AGI F→F


 DEXが結構下がったものの、STRとVITが上がってパワー型っぽいステータスに変化した。


「こ、コウガ様……! その姿は……!」

「あ、あぁ。こんなに早く使えるようになるとは思わなかったぞ。メイランとの絆の加護が手に入ったから、メイランの種族に変身する事が出来るようになったみたいだ」

「これが普段、人族なのに狼人族になって戦ったりしていたスキルの力……コウガ様の翼も尻尾も立派で素敵だわ……!」


 こんなに早く絆を手に入れて良いものなのか?

 ……いや、逆に言えば偽りなく本心でお互いが絆を紡いだ証拠なのだから、嬉しい結果だな。


「メイラン、これからずっとよろしくな」

「はい、こちらこそよろしくお願いするわ」


 俺達はもう一度抱き合う。

 お互い満足したように離れてお互いの顔を見合う、照れてしまうが良い気分だ。

 ふとカエデの方を見ると、顔半分布団で隠しながらも目から上だけを出して顔を真っ赤にさせたカエデがこちらを見ていた。

 途中で起きて一部始終を見ていたみたいだ。


「あっ、カエデ……いつから起きてた?」

「え、えええっと……服が欲しい辺りから、ずっと……聞いてた」


 ほとんど全部見られてた!

 俺も更に顔が真っ赤になる。

 カエデが起き上がり、こちらに近寄ってくると俺とメイランを両方抱き締めるようにギュッとしてきた。


「私の事まで気にして考えてくれてて嬉しかった。メイランちゃんの気持ちをしっかり受け止めてくれたし、私とメイランちゃんの2人両方受け入れるって言ってくれた。私からしたら最高の展開。私はご主人様とメイランちゃん、そしてシェミィ……みんなとずっと一緒に居たい。2人とも大好き! シェミィも大好き! ずっと一緒だから!」


 カエデが涙を浮かべながらも気持ちを述べてくれる。

 俺とメイランは2人でカエデの頭を撫でつつ抱き締め返す。

 シェミィも途中から起きたのかずっとこちらの様子を静かに見ていたが、こちらに擦り寄ってきた。


「俺は幸せ者だ。こんな可愛くて一途な2人から忠誠誓ってもらえるなんて、そしてシェミィもすぐに懐いてくれて……幸せだ」


 俺は今、この幸せな時間をしっかり身体に染み込ませる。2人を幸せにするんだ、だから強くなってあのドラゴンとフードの男を倒して、のんびり旅をするんだ。

 旅先の何処かで身を固めて、2人とシェミィとでゆっくり暮らしてもいいかもしれないな。

ご覧頂きありがとうございます。

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