26話︎︎︎ サンビーク
メイランの加入で戦略が広まったので、一旦ここで全員のステータスを確認しておこう。
コウガ 人族 称号 動物愛好家
☆スキル
氷魔法 アイスショット、アイスウォール、ブリザード
火魔法 ファイヤーアロー
雷魔法 パラライズサイズ
水魔法 ウォーターボール
風魔法 ウインドスラッシュ
補助魔法 レジスト
空間魔術 ストレージ
☆補助スキル
変身
危険察知
鑑定
☆その他スキル
剣術F
☆特殊能力
愛好家の加護
カエデの加護
(通常時)
STR F
VIT G
INT E
DEX A+
AGI F
(狼人族の姿)
STR E
VIT F
INT F
DEX A
AGI D
カエデ 狼人族 称号なし
☆補助スキル
アクセルブースト
身体強化
危険察知
☆その他スキル
体術D
テイム
☆特殊能力
託された想い(加護)
STR E
VIT F
INT G
DEX G
AGI D
メイラン ドラゴン族 称号なし
☆スキル
火魔法 ファイアーボール、バーンストライク
☆固有スキル
ブレス、火球
STR D
VIT D
INT D
DEX F
AGI E
俺の使える魔法がかなり増えた。
ミラさんの指導により、俺は土、光、闇属性以外の初級魔法を覚える事に成功している。
これによって普段使いする属性と隠す属性を決めなきゃいけなくなり、どうするかは今考え中だ。
基本的に後衛を担当するが、狼人族へ変身すれば前衛も務められる。
カエデはスピードが高く、敵を翻弄しつつ殴っていくスタイルだ。
身体強化で今のステータス以上の力を出せるのも高ポイントであり、頼りになる前衛アタッカーだ。
メイランはドラゴン族なだけあって攻防ステータスが高い。
スピードは低めだが、飛んだ際はなかなかなスピードになる為、気にするほどでもないだろう。
前衛と後衛どっちも出来るので中衛を務めてもらう事になるな。
ステータスの確認も終わったので、まずはメイランの実力を見ようと思い、森を抜けるまでの道中でウルフやゴブリンと戦ってもらった。
途中でオークとも初遭遇したが、メイランが問題なく討伐。
戦闘も問題ない事が分かったので、連携練習も兼ねてカエデとメイランのタッグや俺とメイランのタッグ、3人の連携も試す。
メイランは視野が広いのか、前衛と後衛で分かれている俺とカエデの動きを見て自分はどうすれば良いのか考えて動いてくれるので、とても戦いやすく感じた。
そんなこんなで連携確認をしている内に、森の横断が終わろうとしていた。
「さぁ、森を抜けますよ!」
ガルムさんがそう言いながら前方を指さすと、そこには平原が広がっていた。
正面と南方面を見ると、平原に小さな村や農場などが点在しているのが見える。
やや北方向にサンビークが遠目に見えて、その更に北にはトライデント王国の北からずっと東に続く山脈が小さく見えた。
「あれがサンビークですか」
「はい。トライデント王国程大きくはないですが、かなり農業や畜産が栄えた街です。街外れにも村や農場が多くあり平原には魔物も少ない、比較的豊かな所と言えましょう!」
歩きながらではあるが、ガルムさんがサンビークに関して色々情報を教えてくれる。
牧場や畜産農場に行けばモウ……前世で言う牛だな、その乳搾りを体験出来るという。
「なるほど、農業や畜産が盛んなら食べ物にも期待出来そうですね」
「えぇ、野菜の取りたてがすぐに市場に回るので新鮮ですよ。人が多くなりますが、朝に取れた野菜を買える朝市に行かれる事をオススメします」
「なるほど、情報ありがとうございます」
俺とガルムさんとの会話を聞いていたのか、カエデとメイランは食事の話題で盛り上がっていた。
「メイランちゃん! サンビークに着いたら何食べたい? 私ブラックモウのお肉が食べたい!」
「あのお肉は柔らかくてジューシーで美味しいわよね、ブドゥから造るお酒と一緒に頂きたいわ」
ちなみにメイランは17歳でカエデは16歳らしいのだが、この世界の成人は15歳らしく、お酒も15歳から飲めるらしい。
ブドゥは前世でいうぶどうだ。ぶどうから造るお酒といえば、恐らくワインだろう。
歩きながら話していたので時間も掛からずサンビークに到着すると、何故か門番がビクビクしながらこちらに近付いてきた。
「み、身分証をお願いします……」
何をビクビクしてるしているかと思えば視線がシェミィに向けられていた。
テイムの証である首輪があるので大丈夫なのは分かってるだろうが……怖い物は怖い、仕方ないだろう。
「門番さん、この従魔は絶対襲わないので大丈夫ですよ」
「え、えぇ……テイムの証があるので理解はしてますが、初めて見たのでつい……申し訳ありません。身分証確認終わりました、荷台確認しても?」
身分証を確認した門番が荷台確認の許可をガルムさんに取る。
「はい、もちろんです。護衛として雇った冒険者であるコウガさん達が盗賊を捕らえましたので、それも確認してもらえますか?」
「盗賊を捕らえたのですか!? わ、分かりました! 隊長を呼んでくるのでお待ちを!」
門番の1人が詰所に走っていき、5人の男がやってきて、隊長らしき風格の男がこちらに来た。
かなり身長が高くてイケメンである。
「俺がサンビーク防衛隊隊長のゴルドだ。盗賊を確認させてもらっていいか?」
「はい、どうぞ」
ガルムさんの許可をもらって、ゴルドさんが荷台に向かうと目を見開いて驚く。
「お、おお!? こいつ、賞金首のヒューゴに森羅団じゃないか!?」
ゴルドさんが手に持っていた紙に何か書いた後に俺達へ近付いてきた。
「お前達が捕らえたんだな? 良くやってくれた! こいつらの悪事には困ってたんだ。報酬もきっちり払うから、冒険者ギルドで待っててもらえるか?」
「分かりました、お願いします」
「おう、こいつらは俺達が引き取るぜ。これが証明書だ」
さっき書いてたのは盗賊引渡しの証明書だったみたいだ。
ゴルドさんが盗賊を引き連れて連行していったのを見送って、インカース奴隷商館サンビーク支店に向かった。
「コウガさん、護衛お疲れ様でした。依頼完了書類がこれで、こちらが報酬になります」
依頼完了書類と報酬の銀貨80枚を受け取った。
「確かに受け取りました」
「はい。では、メイランの本契約も今やってしまいましょうか。この書類に署名と、メイランの首輪に血を1滴お願いしますね」
「分かりました」
書類に署名し、メイランの首輪に血を1滴垂らした。
「ではいきますよ、2人とも良いですね?」
「「はい!」」
「では」
『契約』
メイランの奴隷の首輪に模様がついた、これでメイランは正式な俺の奴隷になった。
「これで私はコウガ様の物になったのね」
「あぁ、よろしくなメイラン」
「えぇ。コウガ様にカエデ、よろしくお願いするわ」
「うん! よろしくね、メイランちゃん!」
メイランがシェミィに近付き頭を撫でる。
「シェミィも、よろしくね」
「にゃーん」
シェミィが気持ちよさそうに撫でられていた、懐くの早いな。
俺達は奴隷商館から出て冒険者ギルドへ向かう。
場所は事前にガルムさんから聞いていたので迷わず行くことが出来た。
早速受付へと向かう。
「いらっしゃいませ」
「依頼完了処理お願いします」
俺は依頼完了書類とギルドカードを受付嬢に手渡すと、すぐに確認してギルドカードが返却される。
「確認しました、これで依頼終了ですね。コウガ様宛に防衛隊のゴルド様から盗賊の件で話があると、こちらに連絡が来ております。執務室へご案内しますね」
「お願いします」
俺達は執務室に案内されてソファーに座り待っていると、5分後にゴルドさんと1人の女性が部屋に入ってきた。
「悪い、待たせたか?」
「いえいえ、そんなに待ってないので大丈夫ですよ。そちらの方は……?」
「こちらは冒険者ギルドマスターであるゼミラ様だ」
「ゼミラだ、よろしく頼む」
手を差し出してきたので立ち上がり握手をする。
身長が低めでクールな女性で、無口な秘書が似合いそうな印象を受けた。
「初めまして、コウガです。狼人族の方がカエデ、ドラゴン族の方がメイラン、後ろのストームキャットがカエデの従魔シェミィです」
「「よろしくお願いします」わ」
「コウガにカエデ、メイランにシェミィだな。まぁ座ってくれ」
ゴルドさんとゼミラさんが対面のソファーに座る。
「ゴルドからも言われたと思うが、改めて私からも言わせてもらう。森羅団とヒューゴの捕獲、感謝する! 厳重な監視の元、余罪を全て明らかにしてから処刑する予定だ」
「やはり処刑なんですね」
「あぁ。知ってると思うが、盗賊は大罪人で討伐対象だからな。生きて捕獲したからには全ての罪を吐き出させて、被害にあった人達の救済に動く予定だ」
「なるほど。俺達も被害にあった側ですが、これ以上の被害から食い止められてよかったです」
「被害にあった側とは?」
俺はカエデとメイランが連れ去られて辱めを受けた事を話した。
「やはりそういう事もしていたか……お前達も辛い目にあったな」
「私達はご主人様が助けてくれましたから、大丈夫です!」
「……強いな、君達は」
ゼミラさんは安堵の表情を浮かべる。
同じ女性だから辛さが分かるのだろう、トラウマになってないと分かり安心したようだ。
「さて、話を戻そう。森羅団とヒューゴの捕獲報酬として金貨25枚用意する、現金でもいいし口座を持っているなら振込みも出来るが……どうする?」
口座を作る事も出来るのか。
俺は空間魔法があるから現金を持ち歩いても問題はない。
いつか必要になるのなら口座作るのもありかもしれないが……まぁ、今はいいだろう。
「現金でお願いします」
「分かった、今用意させよう」
執務室にあるベルを鳴らすと、受付嬢が1人やってきて金貨25枚用意して持ってきてくれと頼んでいた。
それ程時間掛からず受付嬢が戻ってきて金貨25枚を机に置かれる。
「報酬の金貨25枚だ、受け取ってくれ」
「ありがとうございます」
俺は空間魔法で金貨を収納するとゼミラさんが食い付いてきた。
「ストレージか? 珍しいスキルを持っているな」
「ええ。荷物に困る事がなくて便利ですよ」
「だろうな。そのスキル目当てで近寄ってくる者も居るかもしれん、気を付けろよ?」
「はい、心得ておきます」
「素直で結構。これで話は終了だ。これから先、もし困った事があればいつでも声を掛けてくれ、力になろう」
「ありがとうございます!」
ゼミラさんはクールで淡々とした雰囲気があったが、中身を見ればめちゃくちゃ良い人だった、もし困った事あれば頼る事にしよう。
俺達は冒険者ギルドから出て奴隷商館に戻り、ガルムさんに金貨15枚を手渡した。
奴隷商館から出た時にはもう夕方になっていた為、宿を探して街散策は明日する事にする。
幸いにも近くに宿を見付けたので部屋を取るも、またしても1つの部屋に通された。幸いなのはツインベッドな所か。
「また1部屋になってしまった。やっぱりこうなるのか……」
「ご主人様、別に1部屋でもいいよ?」
「そうね、私もそれでいいわ」
「本当に? カエデは前からずっと一緒に寝てきたが、メイランはまだ知り合ってそんな長くないんだし……」
「私はコウガ様だから良いと言ってるのよ、なんなら身体も捧げてもいいわ」
「「ぶっ!!」」
俺とカエデは盛大に吹き出してしまった。
「いやいやいや、流石にそれはヤバいだろ!」
「ふふふっ、コウガ様ったら、顔が真っ赤よ?」
「メイランが爆弾発言するからだろ!!」
「ぶふっ! あははははっ! メイランちゃん、大胆過ぎて笑えてきちゃった!」
カエデはゲラゲラと笑い転げ、メイランは満更でもない顔で俺を見る。
「全く……カエデ、メイランが襲ってこないように見張っといてくれ……あと、湯浴みの際にやる事とかもメイランにもちゃんと言っといてくれな」
「了解!」
カエデがメイランに湯浴みの際のやることを説明してくれた。
俺とカエデで互いに尻尾の手入れをやったりするからな、メイランにも手伝って貰う事もあるかもしれないし、一応説明した方が良いだろう。
夕飯の時間になったので、宿の中にある食事処で食事し、湯浴みをして寝る事にした。
湯浴みの際に前後から美女2人にゴシゴシされたのは最高に気持ちがよかったです、股間がピンチでしたが。
逆にメイランの翼を拭かせてもらったが、結構すべすべしており若干ひんやりとしていた。
尻尾がやはり気持ちがいいらしく、その辺は狼人族と感覚が似ているっぽいがそこまで敏感ではなく、心地がいいってレベルだとの事。
そして恒例の俺とカエデの尻尾手入れになった。
俺の櫛捌きでカエデがふにゃふにゃになるのはご愛嬌。
「カエデったら、いつもこんな風にふにゃふにゃになるの?」
「だって……んんっ、気持ちいいから……」
「ドラゴン族には分からない感覚ね。私の尻尾も気持ちいい感覚はあるけど、そこまではならないわ」
「メイランちゃんも狼人族っんんっ……に、なれば分かるよ……」
「なれる訳ないでしょ……私、コウガ様みたいに変身なんて出来ないもの」
「そりゃそうだよな。はい、終わりっと!」
今日もカエデの尻尾をキレイキレイにしてやった、満足だ!
「さて、終わったなら寝ましょうか」
「そうだな。ただ、ツインの大きさとはいえベットが1つしかないんだよな……」
3人で1つのベットをどう分けるか悩んでいたら、メイランが……。
「3人で寝たら不公平ないわよ?」
って言って、俺が真ん中で両方に可愛い美女2人が眠る体制になる。
良い匂いがしてまたしてもピンチになるが、気合いで眠ることにした。
両腕が幸せでした、ご馳走様でした。




