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転生したトリマーがもふもふ尻尾なケモ耳娘と旅に出る  作者: ひょーう.CNP


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99話 VSクロエ①

 中庭に俺のPT全員とクロエが集まった、俺達の特訓でクロエが指導してくれる事になっている。


「ん、みんな来たからやろうか」

「よろしく頼む、今から何するんだ?」

「まず、全員に私の実力を知ってもらう。全員で掛かってくるといいよ」

「ぜ、全員でか!?」


 全員なら計6人になるが……1人でも大丈夫なのか?


「みんなでか、それでも一撃入れられたら良い方かもね?」

「「えっ!?」」


 カエデの言ったことにびっくりしたのは、メイランとソルトだった。


「それ程までに強いのか?」

「うん。手を抜いてるクロエちゃんに、私とシェミィのペアでも一撃すら入れられた事ないよ」

「ん、クロエ凄い」

「そ、そうなのか!? まぁ確かに、あの尋常じゃない魔力を持っているからな……」


 尋常じゃない魔力と言うのは、初めてミツキの家に特訓に行く際に、クロエが披露してくれた被纏だ。

 確かにあんな実力があるなら、6人相手も出来るかもしれない。


「よし、分かった。クロエ頼む」

「ん! じゃ……被纏」


 クロエから魔力が大量に溢れ出す。


「「「「!?」」」」


 その尋常じゃない魔力に圧倒される俺、メイラン、ソルト、セシル……魔力感知がない俺とソルトでも圧倒される程の魔力を溢れさせる。

 正直、カエデの装纏とは比べられない程の魔力量だ。


「いくよ」


 そう言った瞬間、クロエの幻影が見えるほどに加速した。


「ぐあぁっ!」


 その瞬間ソルトが吹き飛んだ。


「なっ!?」


 あの一瞬で、ソルトはクロエに蹴り飛ばされていた。

 ソルトが吹き飛んだ瞬間にヤバいと思ったメイランは、空へと退避した。


「何なの、あの速度!?」

「それで逃げたつもり?」


 空へ退避したと思っていたメイランだったが、飛び上がった一瞬の間にクロエも同じ高度まで飛び上がっていた。


「えっ!? きゃぁぁっ!」


 背後から拳を振り落とされて墜落、地面に叩きつけられた。


「ソルトッ! メイランッ!!」


 先程吹き飛んだソルトと、地面に叩きつけられたメイランは、ヴィーネの助けによって離脱していく。

 俺は、今のクロエの動きを見て気付いた事があった。

 空に退避したメイランにクロエが迫る際、風の魔力を靴の裏に展開し、その風魔力を蹴る事により空中で2回ジャンプしてみせた。

 風魔力にはそんな使い方もあるのか。


「ご主人様!」


 カエデから声が掛かった瞬間、シェミィがいつの間にか俺とカエデの影の中に居るのに気が付いた。

 カエデとシェミィの考えている事を察し、すぐさま狼人族へと変身、2人で3人の力を解放する。


「「装纏! 身体強化!」」


 2人はシェミィの魔力を纏い、身体強化で更なるステータスUP。


「スピリム!」


 スピリムを俺とカエデとセシルの3人に素早く掛けて、クロエに迫る。


「アクセルブースト!」


 カエデがクロエの目の前まで迫り殴り掛かるが、スレスレで躱される。

 攻撃を躱されても気にしていないようで、次々とパンチと蹴りを合わせて連撃を繰り出していく。


「アクセルブースト!」


 俺は加速スキルでクロエの背後に回り込み、ナイフに風魔力を込める。


『風刃』


 俺は心の中でそう唱えて風刃を繰り出す。

 カエデもそれをチラ見して確認しており、風刃が辿り着くギリギリまでクロエに連撃を繰り出していく。

 そして風刃がクロエに当たる直前で、カエデはステップで左側へ回避したのだが……。


「ふっ!」


 カエデが回避行動を起こした瞬間、クロエはナイフを手に取って振り返りの際に風刃をナイフで弾き飛ばし、ナイフを即座に納刀した。


「嘘っ!?」

「なんて反射神経だ……」


 クロエの超反応にびっくりする俺達、カエデもアレが当たらないとは思わなかったようだ。


「抜刀、飛翔閃!」


 風刃を弾き飛ばした瞬間に、セシルから斬撃が繰り出される。

 クロエは身体を反らせてギリギリで回避するも、飛翔閃を飛ばした瞬間にセシルがクロエに詰め寄っていた。


「一の太刀!」


 一撃撃破を狙った一閃も躱されるが、この技はここで終わる物ではない。


「二の太刀! 三の太刀!」


 更なる二閃と三閃がクロエを襲う。


「……」


 クロエは何も口にする事なく悠々と避けていく。

 セシルの攻撃を避けている内に俺は拘束魔法を繰り出す。


「パラライズサイズ!」

「んっ……」


 クロエがパラライズサイズの拘束により両腕が封じられる。

 これは好機と、セシルは更なるスキルを繰り出した。


「終焉、四の太刀!!」


 一から続いた連携スキル最後の四閃が迫る。


「……ふっ」


 クロエは腕が使えないならと尻尾でナイフを掴み、四閃の内三閃をナイフで受け流し、ラストの一閃は弾き返した。


「なっ!?」


 弾かれてよろめくセシルに、クロエはみぞおちにタックルを繰り出す。


「ぐっ……がはっ!」


 身体がくの字に曲がった所に、更に回し蹴りで蹴り飛ばされてセシルは倒れ込む。

 尻尾で掴んでいるナイフで、パラライズサイズを切り付けて解除する。


「ふー……」


 クロエは息を吐きながらこちらを見る。残ったのは俺とカエデ、そして影に入ったシェミィだけとなった。


「……勝てる気がしないな」

「だね……アレでも本気じゃないみたいだしね」

『パパ、ママ。次は私も』


 シェミィが俺とカエデに魔力を託し、半分だけ残して影から出てくる。

 そして……。


「ん……被纏」


 シェミィも魔力を纏う、これで俺達3人とクロエ4人共が魔力を纏っている状況となった。


「シェミィも使えたのか!」

「ん!」


 猫人が使う際は被纏、俺とカエデのように力を借りる際は装纏となるようだ。


「んっ、面白くなってきた!」


 クロエがニヤッと笑みを浮かべながら、ようやくナイフを手に取って構える。

 俺とシェミィもナイフを構え、カエデは拳を構える。


 仕切り直しみたいな形になってしまったが、俺の知る限り最強であろうクロエとの1対3の戦い……気が抜けない。

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