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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

好きと言えないままに

***BL*** コンビニで働く彼が気になっていた。恋人に振られた彼と付き合う事になったけど、、、。ハッピーエンドです。



 あれ?この人、いつも夜見る人だ。


 朝早く家を出た日だった。

 バイトの帰りに寄るコンビニで、レジに入っている人の顔を見て思った。


 朝に会うのが新鮮で、しばらく彼の事が頭から離れなかった。



*****



 駅の改札前で、喧嘩をしている人がいる。

 顔を見たらコンビニのあの人。

 彼は、恋人に置いてけぼりにされ、追い掛ける事もせず、後ろを振り返り駅を後にした。

 淋しそうな、納得いかない様な顔だった。


 次の日彼が気になって、夕方バイトに行く前にコンビニに寄ると、擦りすぎなのか目の周りが赤くなっていた。



*****



 それから僕は、バイトがある度にコンビニに寄る様になり、こっそり彼をチェックをする。

 彼はいつも元気に接客してくれた。優しい声に惹かれる。

「袋はいりますか?」

と聞かれるだけで嬉しい。

 日に日に恋心が溢れて、彼の事をどんどん知りたくなった。



*****



 駅前のバイトが終わり、帰ろうとしたら彼がいた。

 お酒に酔っている様で、フラフラしている。周りを見ても友達らしい人はいない。

「あの、、、大丈夫ですか?」

彼は自分が話し掛けられていると、気付いていないみたいだった。

「あの、、、」

僕が肩にそっと触れると、少し顔を上げる。

「月水金の人だ、、、」

「?」

げっすいきん?月水金?、、、僕のバイトの日だ。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない、、、。二週間前に恋人に振られて、淋しくて淋しくてもう、ボロボロ」

「ベンチ、座りますか?」

10メートル先に遊歩道のベンチがある。

 彼はゆっくり歩き出して、ベンチに向かう。

 足元が覚束おぼつかない彼の腕を支え、ベンチに座る。

「はぁ、、、」

ため息を一ついた。

「彼、春から就職活動が始まるから不安だったみたいで、、、いきなり別れ話しになったんだ、、、」

ベンチに腰掛けて、身体をユラユラさせて話してくれた。

 あの彼の事、まだ忘れられないんだ、、、。そりゃそうか、アレからたったの二週間だ。

「僕と付き合ったら、きっと忘れられますよ」

「ん?」

自分でも、何を言ってるんだと思いつつ、結構本気の告白だった。

「彼の事、忘れたく無いですか?」

「忘れたい、、、」

「じゃ、僕と付き合いましょうよ」

心臓が緊張でバクバクしている。何でこんな事を言ってしまったんだと思いながら、本心は隠せなかった。

「君、大学生?」

「はい、1年生です」

「一つ下なんだ」

少し笑ってくれた。

「心配してくれて、ありがとな、、、」

そう言いながら、彼は僕に寄り掛かって眠った。

 う〜ん、これは動けないな、、、。と思いながら、しばらく様子を見て家に電話する。

「あ、母さん?友達が具合悪くてさ、ちょっと様子見てるから帰るの遅くなりそう。、、、うん、、、

うん、、、大丈夫。、、、うん、分かった」

そう言って、電話を切った。

「ごめん、寝てた、、、。家族?」

「そうです。チェーン開けておくからって」

「そっか、、、気を付けて帰りな」

「家、近いんですか?」

「いや、コンビニの上」

「上!」

「良いでしょ?」

「じゃあ、送りますよ」

そう言って、自転車を駅に置いて歩く事にした。



 彼は少し酔いが覚めたみたいだった。

「あの、、、名前、教えて下さい」

「日野」

「僕、穂波です。日野さんは夜間もコンビニでバイトしてるんですか?」

「夏休みとか、長期休暇の時にたまに呼ばれる」

「一度だけ、早朝に見かけました」

他愛も無い話ばかりした。

「日野さん、冗談抜きで僕と付き合ってみませんか?」

「知り合ったばかりなのに?」

「元彼の事、忘れたいんですよね?」

「うーん、、、」

「恋人兼友達でどうですか?」

「元彼とヨリを戻すかもよ?」

「それはそれで」

それから連絡先を交換して、コンビニの前で別れた。



 僕はバイトの帰りにコンビニに寄っては、日野さんと少し話しをして帰るようになった。

 


*****



 僕の好きは日に日に大きくなるけど、日野さんはいつも変わらない。

 一緒に遊んだり、試験勉強をしたりするけど、愛の言葉は無いし(当たり前か、、、)、シラフの時はただの友達。

 でも、日野さんはたまに淋しくなるのか、凄く酔っ払ってる時がある。

 多分、元彼と何かあった日にそうなるんだ。

 日野さんは元彼の話しをしない。

 何と無くだけど、同じ大学に通ってるんじゃないかな、と考えてる。



*****



 その日も日野さんは飲み会で、僕は週末のバイトの日だった。

 帰りにSNSをチェックすると、日野さんから


会いたい


って入ってた。嬉しくて、日野さんの部屋へ行く。インターホンを押すと玄関が開いた。部屋は真っ暗。

 いきなり腕を掴まれ、部屋の中に引っ張られ、玄関先でキスをされた。


 びっくりした。


 また、大学で何かあったのかな?と思いながら、これが初めてのキスだと思ったら、淋しくなった。

「えいた、、、会いたかった、、、」

そう言って、僕ではない名前で呼ばれて、抱き締められる。


 まだ、元彼の事、好きなんだな、、、。


「僕も会いたかったよ」


と言って、彼を抱き締めた。



 酔っ払った彼の肩を抱き、ベッドまで連れて行くと、パタリと布団に横になり寝息を立て始めた。

 僕は、自分のノートを破り

「鍵はポストに入れておきます」

と書いてテーブルに置く。

 日野さんは几帳面で、台所のテーブルの上のトレーに、いつも鍵を置いていた。僕は、その鍵を持ち部屋を出た。

 玄関の鍵を閉め、ドアに付いたポストにそっと投函する。


カコッ!


 鍵の落ちた音に気が付いて、僕を追い掛けてくれたらいいな、、、。そう思いながら階段を降りる。

 後ろからは何の音もしない。階段の一番下で立ち止まり振り返る。



元彼とヨリを戻すかもよ



そう言った日野さんの顔を思い出した。



**********



 頭が痛い、、、。昨日飲み過ぎた、、、。

 気分は最悪で、冷蔵庫に水を取りに行く。

 テーブルの上にメモがあり、鍵が無い。記憶も無い。取り敢えず、ポストの中を確認して鍵をトレーに戻す。


 誰の字だろう、、、。

 SNSを確認する。

 瑛太に送りたかったメッセージが、穂波宛になっていた。

 

 嘘だろ?


 え?ちょっと待って?このメッセージ、送ったのか?穂波の既読が付いてるから、送ったんだ、、、でも、昨日来たのは瑛太だった、、、様な気がする。


 いや、夢か?瑛太が来る筈が無い、、、。


 でも、キスはした、、、。それも夢?


 違う。メモと鍵が、、、。

 

 やっぱり穂波が来たのか?

 俺、穂波に瑛太だと思ってキスした?



 「ダメだ、、、頭が回らない、、、」


 

 この文字が瑛太の文字じゃ無いのは分かる。だとしたら、やっぱり穂波か、、、?



「僕も会いたかったよ」



 そう言って抱き締めてくれた。

 、、、瑛太は、自分の事、僕と言わない。



 、、、穂波だ。



*****



 相手が穂波だと分かったからと言って、確認する事も謝る事も出来なかった。

 まさか、あの夜俺とキスした?何て聞けない。

 聞いて、「元彼と間違えられてキスをした」と言われるのもイヤだ。

 その後、穂波に会った時、彼は俺を責める事も、怒る事もしなかった。いつも通り俺と接した。

 せめて、何か反応が有れば、俺も謝るなり言い訳するなり出来たのに、、、。



 何故、穂波はいつも通りなんだろう、、、。



**********



 僕は正直落ち込んだ。

 元彼に送るメッセージが僕に届き。

 元彼の名前で呼ばれ。

 元彼と思われて、初めてキスをしてくれた。

 しかも、僕の初めてのキス。


 それでも怒る事が出来ない。だって、半ば無理を言って、付き合って貰ってるんだ。

 日野さんと別れるより、気付かなかった事にした方が楽だった。

 日野さんに嫌われたく無い。


 だけど、アレから日野さんの家には行けなくなった。



**********



 穂波の事が好きになっていた。

 付き合って1ヶ月経たない位だった。

 毎日連絡を取り合い、俺のバイトの日にはコンビニに顔を出してくれた。

 時間が合えばデートもするし、一緒に勉強する日も有った。


 最初は恋人兼友達って何だ?と思っていたけど、穂波は優しかった。

 俺が瑛太の事で落ち込んでいても、怒る事は無かったし、瑛太の事を悪く言う事も無い。

 まめに連絡をくれて、一緒にいる時間は楽しかった。



 そして、瑛太の事が忘れられないのも本当だ。こればかりはどうしようも無い。忘れる努力はしている。少しでも、瑛太の事を考えそうになると、それ以上考えるのをめて、違う事を考える様にしていた。



 いつかはちゃんと告白しようと思いながら、まだ瑛太の事を忘れきって無いから出来なかった。

 本当はキスだって、告白して俺の気持ちを伝えてからしたかった、、、それなのに、、、。


 穂波は俺の家に入る事が無くなった。俺が誘っても、外で会おうと言う。二人でデートをしても、最後は階段の下で別れる。



 流石に無理に誘う事も出来無い。



*****



 瑛太から連絡が来た。

 「え?」

 穂波と一緒の時だったから焦った。一瞬穂波の顔を見て、つい画面を下にして置いてしまった。

 いつもはそんな事しないのに。


 穂波はそんなちょっとの事でも、違和感を覚えたのか、一度瞬きをすると小さく唇を噛んだ。

 でも、何も言わなかった。


 メッセージは、電話してもいい?だった。

 今は穂波とデート中だから電話は出られない。無理だと返事をしたいけど、穂波のあんな顔を見たらスマホを触れなかった。

 どうするべきか悩んでいたら、瑛太から電話が掛かって来てしまった。

「ちょっとトイレ」

と穂波が席を立つ。空気を読んだんだ。



 俺は穂波の距離が離れてから、電話に出た。



**********



 日野さんがメッセージの通知を見て、スマホを裏返して置いた時、元彼だと思った。


 今まで、僕と一緒の時にメッセージが来る事は無かった。

 最近連絡を取り始めたのかもな、、、。そう思いながら、平静を装う。

 でも、電話が来た時は流石にちょっと耐えられなかった。日野さんの右手がピクリと動いた時、電話に出たいんだと思った。



*****



 席を立って、店を出る。商業施設内の飲食店に来ていたから、僕は出来るだけ遠い場所の手洗いを選んだ。

 ゆっくり歩きながら、見る気の無い色んな店の商品を眺め、フラフラ歩く。

 一応、トイレにも入る。個室に入り鍵を閉め便座に座った。


 馬鹿みたいだ。でも、自分がそれでも良いと言ったんだ。


 個室を五分ほど占拠して出る。用を足した訳でも無いのに、時間を掛けて丁寧に手を洗う。

 そして、もう一度多種多様な店の商品を眺めながら、ゆっくり戻る。


 流石に電話は終わったかな?


 自分の席に戻ると、一口も食べずに冷めた料理が待っていた。

 日野さんが僕を見上げる。

「お腹痛くなっちゃった」

そう言いながら席に着く。

「大丈夫か?」

「大丈夫です。出す物出したから」

食事前に下品だと思いながら笑った。



**********



 穂波は俺の事が好きなんだろうか?



 元彼からの電話に出ても怒らなかった。

 俺ならデート中の元彼からの電話なんて、出て欲しく無い、、、。

 ま、実際電話に出たのは俺だけど。

 そう言えば、穂波も俺に好きとは言って無いな。付き合おうと言われただけだ、、、。

「穂波はさ、俺の事好きなの?」

ナイフとフォークを使って、ハンバーグを切った。

 一口大のハンバーグをフォークに刺して口に運ぶ。

 穂波の顔をチラッと見たら、泣きそうな顔をしていた。


 ギョッとした。


 小さくハァッと一息ため息を吐き、穂波はハンバーグを切りながら笑う。



**********



「穂波はさ、俺の事好きなの?」

と言われた時、流石に傷付いた。好きじゃ無ければ付き合わないのに、、、。と思いながら、好きと言うのをめた。

 元彼から電話が来たなら、本当にヨリを戻すかも知れない。

 僕の気持ちを伝えても、きっと迷惑なだけだ、、、。

「ハンバーグ、美味いですね」

冷めて美味しくも無いのに、僕は言った。



**********



 失敗した。あれは言ってはいけない一言だった。

 今まで穂波はどんな事があっても俺を無視する事は無かった。それなのに、あの質問は聞き流した。


 そしてあの表情だ。


 好きに決まってるでしょ?

 何を言ってるんですか? 

 俺の気持ち、知らなかったんですか?


 そんな風に言ってるみたいだった。



*****



 帰り際、俺の部屋に誘った。穂波は俺を静かに見ると

「今日は帰ります」

と言った。



*****



 昼間の瑛太の電話で、俺は

「今、ちょっと人と会ってるから」

と言って、すぐに切った。

 穂波がすぐに戻ると思ったのに、20分以上帰らなかった。

 

 電話を切ってしまったから、瑛太の用事はわからない。

 そして今、瑛太から電話が来ている。

 さっき断った手前、無視する訳にもいかず電話に出た。



 懐かしい声だった。



*****



「内定、貰えたんだ。一成かずなりに会いたい、、、」

俺は少し混乱した、穂波がいるのに瑛太と会う訳にいかない。

 そう思った時、自分が瑛太より穂波を優先している事に気が付いた。

「今更会っても仕方無いだろ?俺達、随分前に別れたんだから」

と言うと

「別れたく無かった、、、。今でも一成かずなりが好きなんだ」

と言われた。


 正直、今更、、、と思った。


 今更そんな事を言われても困る。俺は穂波が好きなんだ。瑛太の言葉に惑わされたく無い。

「好きなヤツがいるんだ」

「そんな、、、」

「別れたいって言ったのは、瑛太だろ?」

「そうだけど!あの時は、就職活動が不安で、一成と一緒にいると情緒に良く無いから!イライラして一成に当たりたく無かったし、上手く行かない事を一成の所為にしたく無かったから!」

「だから、別れたのか?」

「ごめん、、、。あの頃、ちょっと疲れていて、、、」

「ちゃんとそう言う気持ちを話してくれれば良かったのに、、、。就活が終わるまで待ってて欲しいって言えば、俺はちゃんと待っていたよ」

「ごめんなさい」

あの時は、急に別れ話になった。理由も聞けず、ただ就活に集中したいからと言われた。

「内定も貰えたんだ、、、これからは、一成と一緒にいたい」

「無理だよ、瑛太より好きなヤツがいるんだ。アイツを裏切りたく無い」

「じゃあ、一度だけデートして、、、。そうしたら諦めるから」

「、、、瑛太、無理だって、、、」

「お願いっ!俺!ずっと我慢してたんだ!一成に会いたいの我慢して、就活頑張ったんだ!、、、一回だけで良いから、デートして、、、」

「、、、一回だけだぞ、、、」

「うん、、、それで、一成の事は諦めるよ」



来週末に飲みに行く事になった。



**********



 そうか、、、。と思った。

 同時に、やっぱりな、とも。


 日野さんと元彼が会っていた。大学の近くで飲み会があった日。僕はまだ未成年だから、ジュースだったけど、最後まで参加して帰って来た。

 駅で日野さんを見つけた。

 好きってすごいよね。

 あんなに人がいるのに、日野さんって分かった。

 その横に元彼がいた。

 改札を出る前にある、エレベーターの影。

 エレベーターは、ガラス張りで向こう側が見える。

 僕は気付いていないフリをして、通り過ぎた。


 改札の外側から、大学生の酔っ払いが大きな声ではしゃぎながら入って来た。うるさいな、と思いながら改札を出る。



*****



 これ以上日野さんを縛り付けては行けない、、、。



 自転車置き場から自転車を出し、家に帰ろうとしたら、後ろから自転車を引っ張られた。

 思わず振り向くと、日野さんだった。

「なっ、、、何やってるんですか?」

「改札通るの見えたから」

「そうですか、、、」



 二人でポチポチ歩く。

 何を話したら良いか分からない。

 心の準備も無く会ってしまった。

 日野さんが話しをしてくれれば良いのに。


 日野さんの家の前に着いてしまう。

 結局何も話せないままだ。

「穂波、寄って行って」

いつもと違う声。断り辛い雰囲気。僕も別れ話しをしないと、、、。

「うん」

久しぶりに階段を上がった。



*****



 振るのと振られるの、どっちの立場が良いか、

僕は最近よく考えていた、、、。

 振られるのは辛いけど、振った相手を恨めば良い。

 振る方は、振った相手に恨まれる。

 振るのも振られるのも辛いなら、イヤな役割の方を選びたい、、、。誰だって、人を傷付けるのはイヤなんじゃないかな?出来れば誰も傷付けたく無い。


 だから、僕から別れ話しを切り出した。

「日野さん、別れましょう」

日野さんは、僕をじっと見つめた。



**********



「何か飲む?」

「あ、水、持ってるから大丈夫、、、です」

フッと笑ってしまった。

「何で、です?」

「、、、あの」

穂波は一度深呼吸をした。

「、、、さっき一緒にいたの、、、元彼ですよね、、、?」

「気付いてたんだ、、、」



 改札を通る穂波を見た時、追い掛け無いといけない、と思った。

 そうしないと、穂波がいなくなりそうだと思ったから。



*****


 穂波が我儘を言う事は、今まで一度も無かった。

 いつも俺の意見を聞いて、俺を優先した。


 聞き分けの良い子


 穂波が好きなのに、いつも心の何処かでそう思っていた。


「日野さん、別れましょう」

「どうして?」

「、、、」

穂波が視線を落として考える。

「、、、友達以上になれなかったから、、、」

俺が元彼と会った事を責めない。ふむ、、、

「恋人兼友達だろ?。俺は、一緒に遊んだり、勉強したり、デートして楽しかったけど?」

「、、、」

「今のままじゃダメなのか?」

「、、、」

「穂波?」

「日野さんは?、、、日野さんは、元彼とヨリを戻したいんじゃ無いですか?」

「どうして?」

「元彼の事、好きなんだと思います」

「俺の事なのに、よくわかるな」

「電話、、、出たそうだった」

「先週の?出たく無かったけど?」

「でも、、、」

「穂波とデート中に、電話なんて掛けて来るなって思ってた」

「スマホ、裏返して置いたし」

「アイツからメッセージが来ると思わなかった。穂波が見て、イヤな思いをさせたく無かった」

「、、、」

「他には?」

「元彼に会いたいって、メッセージ送ってた」

「ごめん」

「えいた、会いたかったって、、、僕にキスした」

穂波がいきなり泣いた。ポロポロ涙を溢して、自分の袖で何度も涙を拭いていた。

 きっと、ずっと気にしてたんだ。でも、穂波は言わなかった。、、、言えなかった?

「穂波、触っても良い?」

ピクリと反応して、こちらを見た。

「おいで」

穂波の手を引く。彼は小首を傾げて俺を見る。

 グイッとしっかり引いて抱き寄せた。

「ごめん、、、本当に悪かった」

そう言って、穂波を抱き締め、彼を感じた。

 穂波はそっと俺に手を回し、涙を俺の肩で拭いた。


 ようやく涙が止まると、俺に身体を預けた。

 俺は穂波の頭を撫でる。


「最初はやっぱり瑛太が好きだった。俺が振られる形で終わったからな。、、、少しずつ穂波を好きになっていったけど、あの時はまだ瑛太の方が好きだった。ごめん」

「良いんです。僕が元彼の事、忘れさせられなかったから悪いんです」

「違う、俺が穂波に甘えてたからだ。甘えていたから、まだ、瑛太の事忘れなくても許して貰えると思っていた。穂波は優しかった。全く怒らないし、責めないし、、、」

「、、、無理矢理付き合って貰ったから、、、嫌われたく無かったんです。優しい訳じゃ無い、好かれたかっただけ、、、」

穂波がまた涙を拭いた。俺は、キュッと抱き締めた。

 穂波の香りがする。

「少しずつ穂波の方が好きになっていって、瑛太の事をちゃんと忘れたら、告白しようと考えてた。瑛太の事を思い出すのをめて、どんどん穂波が大切になった。やっと告白する勇気が出始めたら、瑛太からメッセージが来たんだ、、、」

穂波はその先を聞くのが怖いのか、身体を強張らせる。

 穂波の背中を摩りながら

「あんなに好きだったのに、穂波が傷付く方が嫌だった。スマホを裏返した時、逆に失敗したと思ったし、電話が来た時はどうしたら良いか分からなかった」

「今日は?今日はどうして会ったんですか?」

「最後に一度会って欲しいって言われた。それで諦めるからって、、、」



**********



 会っただけ?他に何も無かったのかな、、、。

 もしかしたら、最後のキスをしたかも知れない、、、。

 元彼に、最後だから抱いてと言われて、抱いたかも知れない、、。


 聞きたいのに、聞いてはいけない気がして聞けない、、、。


「分かりました、、、」

そっと身体を離す。


「穂波?」

日野さんが僕の顔を見る。目を合わせる事が出来なくて、視線が外れる。

「まだ、聞きたい事あるなら、ちゃんと聞いて」

そっと両手で頬を包んでくれる。

「ね?心配事があるなら言葉にして聞いてくれないと、答えられない、、、」

日野さんが、コツンと額をくっ付ける。

「穂波?」

優しい声だな、、、。大好きな声。

「最後にキス、したんですか?」

「キス?」

「最後の思い出に、抱いたとか、、、」



**********



 穂波がそんな心配してたなんて思わなかった。

 何だか可愛くて堪らない。

「心配した?」

「、、、」

瞬きをしながら、小さく頷いた。

「穂波は好きでも無いヤツとキス出来る?」

フルフルと頭を振る。

「好きでも無いヤツと寝れる?」

もう一度振る。

「俺だって、穂波以外とキスもそれ以上もしたく無い。、、、分かる?」

穂波が俺を見る。

 穂波は癖があるのか、ちょっと分からない事があると頭が左に傾く。それが何とも可愛い。

「穂波の方が好きになったって言ったでしょ?穂波が傷付くのが嫌だって思ったって、、、。俺、今、穂波しか好きじゃないから。例え元彼でも、キスしたいと思わない」

両手を添えた頬をむぎゅっと寄せる。

「うっ」

ふふ、、、。痛そうな顔してる。

「穂波、、、キスしたい」

穂波の瞬き、、、。そっと上目遣いで俺を見る。

「穂波にキスしたい」

どう返事をしたら良いか困ってる。

「キス、しても良い?」

うつむきそうになるのを制止するように、頬を包んだ手に力を入れる。

「キス、して欲しい?」

穂波の顔が赤くなる。

「ごめん、嫌だよね」

ワザと言う。穂波の唇がキュッと動いた。

 そっと顔を寄せる。後少しで穂波の唇に触れそうな所で

「俺の事、好き?」

と聞いた。

 穂波の瞳から涙がボロボロあふれてこぼれる。

「好きだよ。好きに決まってる!好きじゃ無かったら、付き合ってなんて言わないよ、、、」


 やっと、お互い好きと言えた。


 その後にしたキスは何度も思い出した。

 思い出しては、穂波の事が好きだと実感して、また思い出す。



**********


 

 日野さんとキスしちゃった、、、。

 僕は唇に触れながら、あの感触を思い出していた。

 優しいキスだったな、、、。あのキスが初めてのキスだったら良かったのに。

 考えてもどうにもならない事を考えてしまう。



*****



 最近の僕は、バイトが終わると日野さんの部屋で待つようになった。

 その為に合鍵を借りている。

 日野さんのバイト先でお弁当を買ってから二階に上がる。

 仕事が終わるのが大体30分後で、それから一緒にお弁当を食べる。



*****



 階段の途中で声を掛けられた。

「ねぇ、君が一成と付き合ってるの?」

「え?」

声のした方を向くと、日野さんの元彼がいた。

「お願い、一成と別れてくれないかな、、、」

彼は、俯きながら自分のシャツを握り締めて僕に訴える。

「一成を返して、、、」

心臓がドクドクと波打つ。僕はどうしたら良いか分からなくて、固まってしまった。

「ごめんなさい!」

急いで階段を降りる。

 階段を降りて、家に帰ろうとしたら、日野さんの声がした。

「穂波?!」

僕は逃げる様に走った。

「穂波っ!」

追い掛けて来た日野さんに腕を掴まれて、引き止められる。

 普段走らない僕は、息が上がり喋る事が出来ない。

 日野さんは待ってくれた。

 僕は泣きそうになりながら話した。

「日野さんの元彼が、、、」

何て言ったら良いか分からない。

 日野さんは、僕の手を引き、ガードレールに座らせる。

 呼吸はまだ浅くて、落ち着かない。短い息しか出来ないから、喋る事が出来ない。

「来たのか?」

僕はコクコクと頭を振って、肯定する。

 唇が震えて、上手く話せる自信が無い。

「何を言われたんだ?」

「わ、、、かれてって。日野さんを返してって」

いきなり日野さんに抱き締められた。

「大丈夫だから、心配しなくていいから、、、」

彼が怖いし、日野さんが彼の元に戻ってしまうのが怖い。

「飯、食って無いだろ?帰ろう」

「でも、まだいたら?」

僕はあそこに行きたく無い。

「もう一度ちゃんと話すよ。帰ろう」

「、、、うん」

日野さんと一緒なら、、、。



 二人で日野さんの家に行く。

 日野さんはそっと手を繋いでくれた。

 日野さんの横顔を見ると、僕に気付いてニコッと笑う。

 一度アパートの階段を見上げる。

 二人で階段を上がって行くと、誰もいなかった。

 


 ご飯を食べても、何だか落ち着かなかった。

 いつも帰る時間になって、お弁当のゴミを片付けていると


「泊まっていけば?」

日野さんに言われた。



**********



 穂波は、やっぱり少し不安になっているのか、部屋の前を誰かが通るだけで、心配そうに玄関を見る。

 家まで送ろうか、、、。

 そう思いながら、明日は土曜日だなと思い出す。

「泊まっていけば?」

「え?」

「家に、友達の家に泊まるって連絡いれなよ」

「良いの?」

良いに決まってるのに。と思いながら、穂波の頭を撫でる。

「下に買い物に行こう。スウェットは貸せるけど、下着は困るだろ?後、朝飯と、他にも色々買おう」

そう言いながら、財布と鍵を持つ。穂波も財布を持ち、二人で階段を降りる。

 コンビニに入る前に、念の為瑛太がいないか確認する。大丈夫だろう。

「お疲れ様でーす」

と言いながら店に入る。

 さっき入れ替わったバイト君が

「日野さん!」

と名前を呼んだ。俺はヒラヒラと手を振り、買い物をする。

「朝飯、何にする?」

「お握りが良いな。コンビニのお握り好きなんだ」

「それなら、これは?俺、好きなんだよね」

期間限定でちょっと高い、鮭のお握りを指差す。

「美味しいの?」

「俺は大好き」

そう言うと、穂波はそのお握りをカゴに入れた。俺も一つ自分のカゴに入れて、もう一つカルビのお握りを入れる。

 他に、飲み物とおやつ、必要な物を買う。

「下にコンビニがあると便利ですね」

「便利だけど、何かあると直ぐに買いに行っちゃうんだよね。気を付けないと出費が嵩むよ」

「そっか」

「人がいないとまず連絡が来るしな。アパートの更新する時はちょっと考えるかも」

レジで会計をすませ、バイト君に

「がんばれよ」

と言って店を出る。

 横を歩いていた穂波が後ろに下がった。立ち止まって階段を見ている。

「瑛太、、、」

「一成、、、俺、やっぱりやり直したい」

俺は、逃げそうになる穂波の手を繋いだ。

「瑛太、あの日が最後って約束だろ?」

「でも、どうしても無理だよ。一成の事、忘れられない」

俺は穂波の手を引き、瑛太の前に行く。

 瑛太は、俺と穂波の繋いだ手を見て眉をひそめた。

「穂波、先に戻ってシャワー浴びてな」

穂波はオドオドしながら

「うん」

と返事をした。


ガンッ!


 瑛太は、手に持っていたお茶のペットボトルを地面に叩き付けた。

 穂波は驚いて固まっている。

「穂波、合鍵持って出た?」

フルフルと頭を振る。俺はポケットから鍵を出して渡す。

「すぐ戻るから。着替えはタンスの中から好きなの選んで」

「ありが

ガンッ!

瑛太が階段の鉄の手摺りを殴った。

「どうして?」

怒っている。

「どうしてソイツなの?」

こんなに怒る瑛太は初めてだった。

「俺達、あんなに仲良かったじゃ無いかっ!何で僕じゃ無くてソイツなんだよっ!」

「その話しはもう、終わってるだろ?。お前が俺を捨てたからだよ」

「だからっ、それは理由があって!」

穂波が真っ青になっている。

「お前の所為だ!お前が一成の前に現れたからっ!」

瑛太の手が穂波に伸びた。思わず、穂波の腕を引いて庇う。

「瑛太、、、俺達、もう終わったんだ。俺は穂波が好きだし、穂波も俺の事好きなんだ。お前は、俺の事を忘れないといけないだろ?」

「イヤだ、、、。イヤだよ。一成が良いんだ。一成じゃなきゃ、ダメなんだよ」

俺は、瑛太が投げ付けたペットボトルを拾う。

「好きだったら、別れるべきじゃ無かったんだ」

そう言って、ペットボトルを瑛太に渡した。

「お前だって、ちゃんと分かってるんだろ?」

瑛太は涙を流しながらそれを受け取った。

「俺達は終わってるって、、、」



 俺と穂波は階段を登る。カンカンと鳴る二人の足音が辺りに響いた。

 鍵を開けて部屋に入る。チェーンを掛けて、しっかり戸締りをする。

 穂波が不安そうにしていた。

 俺は家に上がり、タンスからスウェットを出して

「シャワー、先に浴びておいで。シャンプーとか風呂場の使って良いから」

と声を掛けると、素直に頷いた。



*****



 穂波がシャワーを浴びている時、俺は2階の窓から駅に向かう瑛太を見た。

 酷く淋しそうな後ろ姿だ。

 別れたばかりの頃だったら、何も考えずに瑛太を迎え入れたのに、、、。

 そう思いながら、窓をそっと閉めた。



**********



 シャワーを浴びながら、日野さんはやっぱりモテるんだなと思った。僕は誰かに、あんな風に思われた事が無い。

 僕がいなければ、、、。そう思うと落ち込みそうになるけど、日野さんは僕の方が好きだと言ってくれた。、、、僕は、日野さんの言葉を信じるしか無かった。


「シャワー、お借りしました。ありがとうございます」

「さっぱりした?」

「はい」

いつもの日野さんだ、、、。


 入れ替わりで日野さんがシャワーを浴びに行く。

 日野さんの飲み掛けのビール。


 日野さんと元彼はどれ位付き合っていたんだろう。長かったのかな、、、。考えると落ち込むクセに、考えずにいられない。


 日野さんがシャワーを浴びている間に、歯磨きをしながら窓を少し開ける。

 コンビニの駐車場に車が2台停まっている。便利だなと思いながら、「出費が嵩む」の一言に、それもそうかなと考えた。

 

 日野さんがシャワーから出て来ると

「ちょっとは元気になった?」

と聞いてくれた。

「今日は疲れただろ?ベッドで寝てても良いよ」

と言われた。

「日野さんは?」

僕が聞くと

「ビール飲んだらな」

と笑った。

 僕は日野さんに言われるまま布団に入った。

 日野さんの香りがする。

 今日は疲れたな、、、。

 後ろで、日野さんがビールを飲み終え、空き缶を台所の流しに置く音がする。

 カチャカチャと生活音がして、あ、歯磨きしてる、、、と思いながら、少しずつリラックスして来た。

 ウトウトしていると、日野さんが布団をめくる。

「穂波、もう少し詰めて、、、」

と言われ、壁際に寄る。

 日野さんが布団に入って来て、後ろからそっと抱いてくれた。

「日野さん、、、」

「ん?」

すぐ後ろから声がする。

 日野さんが僕の髪の匂いを嗅いで

「俺のシャンプーの匂いがする」

と言った。

「日野さん、僕、日野さんが好きです」

「知ってる、、、」

日野さんの眠たそうな声。

「そっか、、、」

背中が温かくて気持ちが良い。幸せだな、、、と思っていると、日野さんの指先が僕のスウェットの中に入って来た。

 温かい手のひらだった。

 僕は大分眠たくなっていたし、日野さんもウトウトしているみたいなのに、日野さんの手が僕のお臍の上辺りをサワサワと触っている。

 思わずお腹にちからが入る。

 え?日野さん?、、、起きてるの?

 優しく優しく触られて、僕は段々覚醒して来た。

 でも、起きている事を知られるのが恥ずかしくて、寝たふりをしてしまう。

 脇腹を撫でられると、日野さんの指から逃げたい僕は、自分の身体を日野さんの身体に押し付ける様に密着してしまう。

「穂波」

耳元で囁かれた僕は、、、ゾクゾクゾクッとして声が漏れてしまった。

「穂波、俺、我慢出来ない、、、。キスしたい」

僕はそっと仰向けにされ、静かに覆い被さる日野さんにキスをされた。優しいキス。

「穂波は俺から離れて行くなよ、、、」

そう言って、首筋にキツくキスをされた。

 僕は彼にしがみつきながら、その痛みにさえ喜びを感じた、、、。



*****



 朝、二人で歯磨きをしていると、鏡の前で

「穂波、虫に刺された?」

と聞かれた。

「え?どこ?」

と答えると、日野さんはそっと僕の首筋を指差した。

「ここ、赤くなってる」

ニヤリと笑う。

「本当だ」

と言いながら触ると、特に腫れた感じはしない。

 僕は、昨日の晩の事を思い出してアワアワする。 日野さんは歯磨き粉をゆすぐと、俺をそっと抱いて、鏡越しに

「穂波は俺のモノだからな」

と嬉しそうに笑った。



**********



 俺がニヤけた口元を隠しながら、洗面所を出て台所に行くと、穂波は急いで歯磨き粉をゆすぎ

「日野さん!ズルい!」

と俺に迫る。

 ズルいって、、、。

「僕も付けたいです、、、」

え?

 ちょっとびっくりした、、、。穂波がそんな事言うなんて、、、。

「どうした?急に」

「だって、、、キスマーク、、、」

「うん」

「僕が日野さんの、、、って感じがして、すごく嬉しいから。、、、僕も日野さんに付けたい、、、」

「どうして?」

「また、元彼が来たら、、、日野さんが僕のモノだって、証明出来る。だから、、、印、付けておきたい、、、」

「じゃ、付けて良いよ」

穂波はいきなり俺の首にキスをしようとする。

 でも、身長差があるから届かない。背伸びをして、俺の肩に手を置き頑張る姿が可愛い、、、。

「おいで」

俺は、穂波の手を取り、ベッドに誘う。上半身裸になり

「どこに付けたいの?」

と聞くと、真っ赤になった。

「どこでも良いですか?」

上目遣いで聞く。

「勿論」

穂波は右の鎖骨の下にキスマークを付けようと、俺を押し倒す。

 その付け方じゃぁ、キスマークは付かないんだよな、、、。くすぐったいのを我慢する。

 たまに、キスマークが付いたか確認しているみたいだ。

「あ!」

そっと、指で触れる。そっちの方がよっぽど下半身に来る、、、。

「見て!付きました!」

ふふ、、、

「穂波、そこじゃあ、見れるのは俺と穂波だけじゃない?」

「、、、!。、、、気付いてたなら、もっと早く教えてください」

「はい」

と言って、首筋を差し出す。

「やった!」

穂波が嬉しそうに俺にのし掛かる。

 チクッとする痛み。一度離れて確認している。

 もう一度、同じ場所にキスをする。

っ、、、」

てぇ、、、。少し、コツを掴んだみたいだ。

 穂波は自分が付けたキスマークを確認すると、満足気に、寝転んだ俺の上に身体を預ける。

「心臓の音、、、聞こえる、、、」

穂波の何もかもが好きだと思う。

「穂波、、、俺も穂波を愛してる。誰よりも、誰よりも愛してるから、、、」

穂波は

「うん、、、」

俺の心臓の音を聞きながら、そっと、右胸のキスマークに触れていた。



 俺は身体を起こし

「穂波、俺も穂波の胸にお揃いのキスマーク付けたい、、、」

穂波の腕を引いて半身を起こす。

 そっと、穂波が着ている俺のスウェットに手を掛ける。穂波は抵抗しない。

 有無を言わさず、万歳をする様に途中まで脱がせて、コロンと横に倒してやる。

「日野さん?」

可愛かーわいい」

最後まで脱がせて貰えなかった穂波は、俺に頭の上で両腕を押さえられて、恥ずかしそうにしている。

「待、、、って!日野さん!これ、、、外しっ!」

俺が、穂波が付けた場所と同じ場所に、キスマークを付けようとキスをすると、ん、、、っと声を漏らした。



 ヤバいな、、、。と、思いながら、じっくりキスマークを付ける。この状況でキスマークだけで済むとは思えない。



 その先を想像しながら、俺の印を強くキツく、はっきりと付けた。


 俺の独占欲が、穂波の独占欲を遥かに超えていると実感してしまった、、、。





沢山の作品の中から選んで頂けて、とても嬉しいです。二人が幸せになれますように。

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