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運とは何か
喫茶店に辿り着いた。
冷房の効いた店内に高山はホッと息をついた。
奥の席へと座り、2人分のアイスコーヒーを注文する。
それが届いたところで、高山は質問を投げかけた。
「ここへ来る途中に言っていた、運量、運の種類とはなんですか?」
男は少し間を置いて、口を開いた。
「では逆にお尋ねしますが、あなたは運とはどのようなものだと考えていますか?」
考えたこともなかったので、少し戸惑いつつも高山は答えた。
「運ですか、、
個人ではコントロールできない、神様のような存在が決めるものですかね」
「そうですね、それで大きくは外れていないです。
ただし、コントロールできないことは確かですが、何か起きるたびにいちいち決めるのでは神様も大変です。
なので何に対して運が良いのか、それがどのくらいの頻度、強さで起こるかは生まれた時に決まります。
生まれた時から決まっているという意味では、運とはある種の才能です。」
(なるほど、そうなっているのか)
高山は納得しかけたが、初対面の人から説明された運の真実を急に信じるほど、彼はお人好しではなかった。