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そういえば暑かった
疑問をぶつけたところで、暑かったことを急に思い出した。
嫌なことを思い出させられ、相手に怒りを覚えたことで余裕ができたのだろうか。
先程より恐怖心は和らいでいる。
「このまま外で話すのも大変ですし、場所を移しませんか?」
高山は提案した。
「そちらのご都合に合わせますよ」
と男は答えた。
初対面の人間を家に上げるのはためらわれるので、近所の喫茶店へと向かうことにした。
道すがら、高山は男に尋ねた。
「先程言っていた、素晴らしい運とはどういうことですか?」
「人並み外れた運量をお持ちだと言うことです。そして、私が探していた種類の運も持っている。」
(運量に、運の種類?なにを言ってるんだ、、)
耳慣れない単語に戸惑いを覚えた。
込み入った話になりそうなので、深入りせずに喫茶店へと歩みを進めた。