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2択は外れる
(素晴らしい運、、?)
高山は戸惑った。
これまでの人生で運が良かった記憶はない。
むしろ見放されることの方が多かった。
生きていると2択によく直面する。
テストの選択問題、レジ待ちの列、初めて行った街の丁字路、他にもたくさんある。
それらを高山はことごとく外す。
テストは間違え、レジはやたら待ち、勘で曲がった先では工事をしていた。
極めつけは大学入学だ。
選択肢を2つまでは絞れるが、全て外れる。
結果、浪人を余儀なくされた。
苦い記憶が蘇り、複雑な表情になる。
「自分が特別運がいいとは思えない、むしろ運は悪い方です。素晴らしい運とはどういうことですか?」
高山は男に尋ねた。