3話 変態だ・・・。
少々時間はかかったが一人で座ることが出来た。一応、礼儀として「お願いします」と足を向けた。
「じぁあ、始めるね」
私の足を持ち上げ足裏を見る。
「うわ゛~、酷いね。これじゃ歩くのも辛かったでしょ。あっちこっち皮が剥けて血がでてるよ。今治してあげるからね~♪」
奴は腰まわりを探り出し、鞄からアルミ製の水筒を取り出た。
(…服と同色だから鞄らしきものを下げていた事に気づかなかった………鞄くらい違う色にしようよ!)
中身を私の足裏にかけた。中身は水のようだ。
…………ちょっとまて、私、さっき喉が渇いたっていったよね!そして奴は3時間も私をストーカーしていたんだから私が言っていた希望、願望、渇望を聞いていたはずだよね!!なのに今まで一言も水があることを言わないってどういうこと!!!助けに来たんじゃなかったの!!!!
「…すみません。私、さっき(←ココ重要)も言いましたが喉が渇いてるんです。」
私は奴がストーカー行為をしていた事への厭味も含めた。
「あー、あ~そうだったね~、君喉渇いた~て言っていたよね、両足の裏の汚れも取れたし残り飲む?」
普通は飲む分を残してから治療用の水にするんじゃないの!!あんた間違ってるよ!!私は奴に対して心の中でありったけの罵詈雑言を唱えた。
「はい、どうぞ♪」
奴は水筒の蓋に残りの水を汲み私に手渡した。
私はかなり喉が渇いていたために一気に飲み干した。
喉が潤うと『生き返ったぁー』と叫びたいほどだ。
私は空になった蓋を礼儀だから仕方ないがお礼とともに奴に渡し治療を再開してもらう。
「じゃあ、治療を始めるね~、まず、目を瞑ってね。声を出したいときは遠慮せずに出してくれて構わないからね~♪」
………やはり、痛みがあるのか…。奴が私の足裏を自分の目の前に持っていったため、私は痛みに備えて目を閉じた。
*****
目を閉じて数秒後、予定の痛みは訪れることなく、私は足の裏にぬるりとした物の感触、熱、濡れ、ぴちゃという音を感じ、寒気と鳥肌が立った。
目を開けるより先に体が動いた。
掴まれていた右足を奴の手から引きぬいたつもりだったが私より奴が離すほうが先だったらしい。
私の体が後ろに反れそうになり、慌てて後ろに両手を突いて体を支えた。
その隙に奴は私の左足をとり足裏に顔を近づけ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・舐めた。
右足裏に感じたものと一緒だった。
私は目を見開き、茫然とした。
今、目の前で起こっていることが現実味にかけ、理解出来ずにいた。
そのため、奴に足を捕まえられたままの状態で体の機能も停止している。
奴は私が動かないのも目を見開き茫然と奴を見ているのも気にした様子も無く、私の足裏を踵から指へ何度も往復し、最後に指の間まで余すとこなく丁寧に舐めた。
私も目を反らすこともせず私の足を舐める奴を最後まで見ていた。
奴が私の足を舐め終わって、足を下ろしても私は動かない。
…いや、動けない。
奴に足を舐められたことが衝撃過ぎて、私の思考回路はパニックを通り過ぎすでに廃人寸前だ。
………何も考えたくない。
このまま、私の存在を消してしまいたい…。
誰かと交替したい…。
これは私じゃない…。私よ朽ちろ!
私は現実逃避に自ら飛び込んだ。
ペース遅い上に短くてすみません・・・。