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26話 第二騎士団の団長と副長と1名

すみません。こちらの話にも主人公は出てきません。


 



 カイルが主の許可無く入った部屋ではこの部屋の主とその部下が言い争いをしていた。


「おい。」


「だから、いつもいつもいつもいつも言ってるじゃないですかっ!!!」


「何をだ。」


「おい!」


「報告、伝令書は速やかにこちらに引き渡せっていつも言っているでしょうがぁぁぁぁぁぁ!!!」


「確認もしていないのに渡す馬鹿がどこにいる。だから消えろ。」


「いい加減にしろ!」


「馬鹿はあんたですよ!!ええ、もう上司でもどうでもいいですよ!!あんたは馬鹿です!!」


「………なんだと。」


「馬鹿って言ってるんですよ!!」


「貴様、上司に向かっていい度胸だ。死んでも文句は言えんぞ。」


「あんたが馬鹿なのは否定しませんが文句は言いますよ!!」


「貴様、覚悟はいいか。」


「どうでもいいが、俺を無視するな!」


 カイルがいる事を知っているくせに無視を決め込んでいる部屋の主は根性が悪い。

 先ほどから声を掛けているのに気づいた様子を微塵も見せずカイルの目の前にいる男と言い争いをしている。

 この部屋の主はテーブルの上に置いてあった銀製の竜の置物を躊躇せず副長ネットの頭へ投げつけた。

 その後ろにいる俺が副長ネットが避ければ当たるという位置に居るにも関わらず躊躇もせずやりやがった。

 無論、そんな凶器と化した銀製置物を避けるのなんて朝飯前だったが。


 凶器が派手な音を立ててタイルの床に転がった。


 かなり大きな物音だったが副長ネットは後ろを振り向くことなく言い争いを続けている。

 勿論、俺にも気づかない。


「なぜ避ける。」


「アホですか、避けなかったら痛いじゃないですか!?」


「死ねるように投げたんだ。有り難く死ね。」


「殺されるのに有り難る人なんていませんよ!!」


「では、貴様が第一号だな。喜べ。」


 そして、今度はソファー横のサイドテーブルに置いてあった山羊と熊が合体した体は熊で顔が山羊の2足歩行らしき生き物の置物が凶器と化し俺の顔の横に突き刺さった。

 真新しい白い壁が無残にも破れ、深々と角が突き刺さり穴があいた。


 わざとだな。


「……なぜ、避ける。」


「まだ、死ぬ予定ではありませんから、それよりもこの伝令書どうするんですか!」


「問題ない。」


「どこがですかぁぁぁぁ!!問題有りまくりですよ!!!」


「じゃあ、返せ。」


 どうやら、王から先ほど言われた件の伝令書が原因らしい。

 やはり、此処に来たのは正解だった。


「……一応お聞きしますがどうするつもりですか。」


「燃やす。」


 ………おい。


「燃やしてどうするつもりなんですか。」


「どうもしない。燃やして終わりだ。」


 僅かだが副長ネットから殺気が出ている。

 前の男は国から騎士団に入隊する時に作ったと言っていた自分唯一の一振りの剣を鞘から引き抜こうとしていた。


「……お前、それでどうするつもりだ。」


「ええ、これから自分に害をもたらす害虫を駆除をしようと思いまして。」


「ほう、害虫とは。」


「当たっているじゃないか。」


「ほんとに嫌な害虫なんですよ。騎士の風上にも置けない虫なんですよ。これはもう駆除しかないじゃないですか。」


 副長ネットは一言も無く、物音も立てず、素速い動きで相手との距離を詰めると脇腹から上へ凪払い斬りつけた。


「ほう。だが遅いな。」




 *****




 副長ネットの剣は空気を切った。


 既にクロイはソファーにはいない。


 副長ネットは素速く横へ避けた。

 直ぐにヒュンっと風を切るような音と風圧が副長ネットが今までいた場所から発生した。


「さすが、腐っても上司ですか。」


 副長ネットとクロイは再び剣を鞘にしまった。

 どうやら終わりのようだ。


「ええ、勝算は今の一撃だけでしたから。」


 コイツ、終わっているな。


「……お前は騎士として終わっている。」


「………。」


「何時まで経っても副長止まりだろう。」


 そうだろうな。


「別に俺は出世欲は無いので構わないですよ。」


 ………そうじゃないんだけどな。でも団長がクロイじゃ仕方ないか。

 カイルはため息を吐きながら二人の遣り取りを後ろから眺めていた。

 もう既に何度声を掛けているのに聞こえてないのか無視をする副長ネット………聞こえてないのだろう。

 聞こえているにもかかわらず無視を決め込むクロイ。

 そろそろいい頃合だろうとカイルは二人に声を掛けた。


「クロイ、話がある。」


 やっと気づいたようだ。

 驚きを露わにする男の視線と瞳に俺を映しているのかそうでないのか判らない硝子のような視線を一同に受けながらカイルは件の伝令書を視線で差す。


「それには何と書かれているんだ。」

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