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15話 出口………。

 私が顔を真っ赤にして怒っていたからなのか、

 目が潤んだのを奴に見られたのか、

 奴は今までの飄々とした態度とうって変わって、顔を真っ青にし、私の前に跪き私を見上げた。

 片手は鳩尾を押さえたままだった。


「ごめん……。」


「………。」


「ごめん。」


「………。」


「ごめん。僕が悪かったです。」


「………。」


「………ごめん。」


「………何が悪かったのか分かって謝っているんですか。」


「………。」


 奴は私から目を逸らした。


 ………。


「分かってないんですね。」


 私は『はぁ~』とため息を付いた。

 決して泣くつもりは無かったがため息とともに目を瞑ったのがいけなかったらしい。

 瞬間、私の潤んでいた目からぽろりと涙が一滴頬に流れた。



 奴は私の目から流れる涙を見て更に顔が青ざめた。

 体が震えている。


 逆に私は奴の方が心配になってしまい『大丈夫ですか?』と声を掛けようとしたが『ゴオォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』という騒音にかき消された。


 私は目を瞑ってしまった。




     *****




 音が止むのと同時に急に私の周りが明るくなった。

 目を開けて見ると………………………………………………………………………………森が無くなっていた。

 森があった部分と思われるところには大きな穴が出来ていた。

 そして奴も消えていた。


「………え?」


 目の前の光景に私は呆然とそこに突っ立ていた。




     *****




 ヴィルシュ国の町並みが見渡せる城があった。

 城の最上階南側の部屋の中は50帖の広いスペース。

 床にはチェス模様のタイル。

 右壁には木の彫りで出来ている正方形の型が何百個と壁を作ってある。

 左の壁には赤と白の壁紙で彩られており、3メートルのアーチ型の窓3点を際立たせていた。

 アーチ型の窓にも凝った装飾がされている。

 部屋の中の家具に関しても名のある職人の最高傑作と言っても過言なくまさに城に在ってこその作品だった。

 そんな部屋のなかで机に向かい書類にサインをしていた男の手が止まった。

 男の側に立っていた男は男の手が止まった事に気が付き、怪訝に思い、書類を読むのを止めた。


「………おい、ルド。」


「はい。」


「急に明るさが増したぞ。」


「日が射したのでしょう。」


「………こんな刻にか?」


 そう言われてルドは懐から懐中時計を取り出した。

 時計の針は調度、午後4時を示していた。

 そろそろ夕刻の時間に近い。

 昼食を終えてから今まで仕事に熱心になるあまり、時間がかなり経っていた事に気付かなかったようだ。

 おかげで本日のティータイムを逃してしまったらしい。

 今日はせっかく昨日手に入れたばかりの新種の茶葉のテイスティングをしようとしていたのに。

 ………誠に残念だ。


「そうですね。そろそろ夕刻の時刻に近いのに、この光の入り方は変ですね。」


 『失礼します』と男に言い、ルドは窓の方へ寄った。

 窓を明けバルコニーへ出てみると、やはり何時もより日が射しているようだ。

 太陽の位置は普段と変わらないように見えるが日差しの変化だろうか。

 もし、これが太陽の異常気象なら速やかに魔法(研究)省へ報告しなければならない。『また、仕事が増えますね。』とルドは毒づき、溜息をついた。

 ルドは更に積もるだろう仕事に辟易しながらも最後に街並みを見下ろした。

 ルドは太陽が沈む際の街と夕日のコントラストがとても気にいっていた。

 仕事が無ければ何時までも見ていたいがそうもいかない。

 今日中に仕上げなければならない書類がまだ残っていた。

 ルドは後ろ髪ひかれながらも仕事に戻ろうと足を踏み出したが何かが違和感があるような気がして再び街を見下ろした。

 街を見るが何時もと変わった所もない様子。今の時刻ならさぞかし市場が賑やかだろう。下に行けば何時もの市の喧騒も聞こえてくるだろう。

 街の中心部から逸れた場所に有るカミ湖も何時もと同じだ。

 その奥に有るルイジーアナ森(還らずの森) ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ルドは急ぎバルコニーから戻った。




     *****




 男はルドがバルコニーへ出て行ったため、書類にサインをすることもなく、休憩の時間とした。

 机に肘をつけ頭を支える。

 眉間に皺が寄っていた。

 かなり疲れた様子だ。

 無理も無い。昼食後からルドと共に書類に専念していたのだ。おかげで時間を忘れてしまった。

 男は長時間使用していた目を瞑る。

 ついでとばかりに頭を支えている方と反対側のサインをしていた左手をブラブラと振った。

 結構な量の書類にサインをしていたために指が硬くなっていた。


 そろそろ小腹がすいたから茶にでもするかと思っていたところにバンッと派手な音がし、顔を向けた。

 バルコニーに出ていたルドが勢いよく部屋に飛び込んできた。

 いつも冷静なこの男にしては珍しい事もあるものだ。

 よほど大変な事態が起こったみたいだな。

 他人事な様に男はルドの様子を見ていた。

大変遅くなりましたがやっと登場人物が増えました。

ついでにペースも遅いです(涙)

まだまだ増える予定でいます!!

城に関してはあまり苦情を言わないでください(涙)

これが精一杯の表現でした(悲)

文章表現が乏しすぎて泣けました………。

P・S:このあとがきは活動報告にも載せます!?

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