10話 詐欺罪まで発覚!!
「結局は司とアイツは別れる運命だったんだから関係ないよ♪」
………。
奴に出会った時点で私の人生終わっていたようだ。
『別れる運命だった』じゃなく、これは明らかに脅迫だ。
奴の顔が晴れやかな笑顔なだけに真実を物語っている。
さすが悪魔。
性格も破綻してると思うが(ストーカーなだけに)行動もそれに比例している。
規模が大きすぎる。地球が対象って何!?
一人のか弱い人間にどうしろと?
『地球VS人間一人』ってどう考えても無理でしょ!?
というか誰が考えても無理でしょ!?
『地球VS人間一人』という方程式すらおかしいから!!
どうやって解決策が見つかると?
見つからないよ!
日本人特有の『根性』とやらでどうにかなるとでも!
絶対無理ですから!!
雷に先端が尖った鉄を手に持って戦いに行くようなものですから!?
その結果は真っ黒焦げですから!!
寧ろそっちのほうが『底抜けにアホ』なのに『良い案』と思ってしまうのはどういうことですか!
『底抜けのアホ』なのに!!
有り得ませんよ!!
でもそっちのほうが私一人で助かるんですよ!!
私は助かりませんが。
でも比較にすらならないんですよ!
地球規模じゃ!!
一人の人間に背負える重さの罪じゃないよ!!
神様とやらがいたならアンタ人の人生の采配間違っているよ!!
私に全部不幸を詰め込んだのか!貴様!
寧ろ、私一人で助かるなら安いからいいか~くらいな一山いくらのどうでも良い感じで売ったんじゃないだろうな!?
私は存在するかどうかも判らない神の存在に対して己の不幸は全て神の所為にしといた。
ちなみに、悪魔が存在するのだから神も存在していると思っている。
*****
「確認しときたいんですが、あなたの嫁になることはもう確実なんですね………私。」
「うん♪」
「………そうですか………。」
もうすでに私は諦めの境地に達している。人間諦めが肝心だ。しょせん人間なんてチッポケなんだ…。
「あ!?もしかして結婚式の事気にしてる!?人間て結婚式とかするんでしょ!!悪魔はしないけどさ。司がしたいなら僕はかまわないよ!!司はウエディングドレスとかも似合うよ!!絶対綺麗だよ~♪」
そう言うと奴は急にニヤニヤしだした。
………はっきり言って気持ち悪い。
きっとまたもや妄想の世界で私をウエディングドレスにしているに違いない。
そしてまたもや奴お得意の『ザ・勘違い』が炸裂していた。
「結婚式は別にやらなくていいです。」
「え゛~!!司のウエディングドレスがみたい~!!」
「めんどくさいし、お金がかかります。」
「お金の心配はいらないよ~♪なんてたって僕は悪魔だからお金持ちだよ。」
「………どこからそのお金が?」
純粋にお金がどこからきているのかが気になった。
奴を見る限り働いてなさそうだからだ。
奴自身も『退屈な毎日』と言っていたのでてっきり働いていないと思ったのだ。
それになんてたって『悪魔』だし。
「もちろん、僕への寄付金とかだよ。僕って悪魔でしょ、色々な人がさ僕にお金なんかを捧げて願いを叶えてほしいとか頼みにくるんだよ♪『この人間を殺してくれ』や『契約を結んで不老不死にしてくれ』なんてね♪あ!『世界を破滅させてくれ』なんてのもあったね~♪」
………。
「………それで叶えたりとかするんですか?」
「まっさか~♪僕はそんな暇じゃないよ~。めんどくさいしね~♪だからお金だけ貰っとくの。捧げるって言うんだからさ~これは貰うべきでしょ。そんな人間が大勢いるから、あ~ら不思議!僕はお金持ちになったのです。てな感じだよ~♪」
………それってネコババってゆーんじゃ………。
寧ろ詐欺………。
しかも奴は願いを叶えてない様子だ。かなり悪どい。
そして常習犯だ。
………………………………………………なんか頭痛くなってきたかも。
私こんな奴の嫁になるんですか!?
本当に事実なんですか!?
誰か嘘だと言ってくれ!
誰が好き好んで多重犯罪者の嫁になりたいと思うのか!
明らかにお先真っ暗コース決定だ。
借金地獄は待っていないと思うが人間として何か大事な物を失いそうだ。
誰か私の青春返してくれ。
そしてこの悪魔から助けて下さい。
helpme!!
私は誰にも届かない事は重々承知の上で再び神以外の誰かに助けを求めた。
なぜ神以外かというと神はもうすでに私の中で不幸を押し付けた張本人だと決定したからである。
私は奴のお金に対してはこれからは何も考えないことした。
じゃないと私の繊細な胃に穴が開いてしまう。
もう、すでに遅いかも知れないが………。
胃辺りにチクチクとした痛みが走る事があったのだ。
齢、16歳で胃潰瘍。
なんて悲しい青春なんでしょう。
………泣けますね。