8,ケドニア到着
『身分証を提示してください。』
【ウルハートさんに聞いた通りだ。】
ルーセントは思った。
ウルハートの話ではこの国は来るもの拒まず去るもの追わず。栄えた国を維持するためには他国からの商人も審査を通れば簡単に商売ができるらしい。
ルーセントは持っていた身分証であるカードを提示した。門番はルーセントに石に触れるよう言った。ルーセントが石に触れると途端に青く光った。
この丸い石は犯罪を犯したかどうか確認できる石らしい。赤に光れば犯罪を犯した者であり罪を償っていない者、黄色は過去に犯罪を犯したが償った者、青は問題なしらしい。
『よし、いいだろう。入国税で2500ルピーだ。』
ルーセントが2500ルピーを支払うと門番はルーセントの身分証に判子を押した。しかしその判子は直ぐに消えて行った。
ル「すみません!ここの辺りで地図って手に入りますか?」
『それなら無料で配布してるよ。はい、これが地図ね!』
そう言って門番はルーセントに地図を渡した!
『ケドニアへようこそ、楽しみな!』
ル「ありがとうございます!」
ルーセントは歩き出した。
門を超えるとそこには栄えた市場が広がっていた。
「いらっしゃい!!お兄ちゃん安いよ!安いよ!」
「おまけするから買ってくれないかい」
「美味しい串焼きはいかがだい!」
この街はとても賑わっている。
【まず素材屋に行かないと…見つけた】
そこには大きく[ギルドお抱え素材屋]と書いてある
《チリンチリーン》
ルーセントは扉を開けて中に入った。そして、周りを見渡して直ぐに3つの素材を店主に頼んだ。
店主「はいよぉ!2800ルピーね!」
ルーセントはちょうど支払うと足早に店を出た。そして、人気の少ない路地裏で調合を始めた。
ルーセントが買ったのはらアルテマ草、オークの血、クコの実だ。これは髪と目の色を変えるペルフィディ薬を作るための物だ。
【僕は剣術や属性魔法はからっきしだけど、魔力を使うだけの調合なら上手くできるんだ。失敗はしないよ。練習してたからね…】
ルーセントは全ての素材を砕いたあと混ぜ合わせ、魔力を注いだ。みるみる真っ赤な色をした液体が透き通った赤色に変化した。
【成功だ!】
髪の色はこの後に沈める鉱石の色によって決まる。ルーセントは持っていた真っ黒な鉱石を色変薬に沈めた。すると色変薬は光を放ち直ぐに収まった。そしてルーセントは小瓶3つに分け入れて、残りを自分で飲み干した。
髪はみるみる真っ黒に、そして瞳も黒く変わった。
ルーセントの赤色瞳と髪は非常に目立つ。フードでは隠しきれないと知っていたが故郷の町では手に入れることができなかった。店主が鑑定式に参列していたらしい。購入を断られた。
【この鉱石を入れる時に間違えてただの石や魔物の骨や、木の実を入れると髪の毛の色が何色になるか分からないらしい。失敗した人の中には髪がチリチリになった人がいたって書物に書いてあった。】
効果は基本丸1日だがルーセントの作った変色薬の品質がどれほどか分からない。
【定期的に飲まないといけないかもしれないな…】
そう思いながらルーセントは市場に足を運んだ。