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一歩踏み出すのは一瞬だけど難しい。
「私、悠のことが好き」
深夜2時半。大野月花は岩本悠とのLINEに書き込んだ。
書き込んですぐに既読がつき、今更消せず後に引けない状態だと気付き、月花は息を飲んだ。
「うん、そうだと思った」
悠からの返事が返ってきて赤面する。
やっぱり気付かれていた。つい書き込んでしまったが恥ずかしい。
立て続けに返事が来る。
「今度、デートしよう。どこがいい?遊園地?水族館?動物園?買い物?」
で、デート!?え、デート!?告白の返事は?
月花は思わず寝転んでいたところから起き上がった。
しばらく考えこみ、返事を打った。
「じゃあ、水族館がいい」
「わかった、じゃあ次の日曜はどう?」
「うん、空いてる」
「じゃあそれで」
あっさりデートが決まってしまった。こんなにあっさり決まっていいのだろうか。
月花は急にソワソワしてきて眠気などどこかに行ってしまった。
明日も仕事があるのに眠れない。いっそオールして出勤しようか。