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(3)海老名SAへ

相変わらず、フザケてる宮本という男は

俺にはない、ユーモアと愛されて育ってきたであろう雰囲気がある。


「まずさ、海老名よってメロンパン!食べようぜ」


「有名所だな。」


「あれ?仁たんは、食べたことあるの?」


「いや、テレビとかで。俺家族旅行とかそういうの行ったことないから」


思い出してしまった。 昔から威厳高い親父がやれ仕事だとか帰ってきても会食だとか

たまに口を開けば勉強しているかとか

母もそれなりに割り切ってセレブぶってたし、

医者として患者を治しているのか。患者=金としか思ってないんじゃないかと考える事も多かった。



「まーた俯いてる! 俺も、家族旅行なんて行ったこと無いよ~安心しな。仁たんだけじゃないから。」



俺だけじゃないという言葉にふと安堵したが

安心っ…てなんだよ。

思わず、ムスッとしつつ、カッとした自分にもムカついて下を向く。


「色々考え過ぎてて煮詰まっちゃう事も多いけど、

ぐるぐるするならとりあえず動き出すのも悪くないと思うよ♪」


車内に心地よい風が吹く


いつも一人が当たり前だった自分には信じられない今を生きている。

変われるだろうか、変わらないといけない性格は分かってる。

でもどうやって…そんなモヤモヤを、この男はいとも簡単に言い切ってしまう。


俺に足りないのは楽観さなのだろうか…


「もーそんなフグみたいな顔して!お腹すいたの?もう少しだから!」


「子供扱いするなよ!」

俺のお腹が鳴る。 こんな所で空気を読まなくても。

そういえば朝食べてなかった。


「お腹は正直だな」

宮本は爆笑している。なんかバカバカしくなって俺も笑う。


「今を笑って生きていられるって凄い幸せなことなんだぞ」


急な宮本の言葉に聞き返す


「聞こえなかったんならいいよー ほらもう着くから」


車を停めて、宮本ははしゃいでいる


「メロンパン並ぶぞー」

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