本部に その3
扉の上のセンサーにカードをかざす。すると、『カチッ』という音がして、扉を開ける。
また、扉。工藤 貴美は溜息をつく。
(荷物持っている時はこの2重扉めんどくさいんだよな。)
そんなことを思いつつ、次の扉に暗証番号を入力し、部屋に入る。
「おはようございます、リーダー。今日の資料をお持ちしました。」
部屋の左壁面にはディスプレイがはめ込まれており、6つの情景を写していた。右端の上下2つはこの建物の部屋の状況を一定の時間とともに切り替わりながら写している。そして、左端の上下には字幕でニュースを流しているが、音声は流れていない。中央2台、上はサインカーブのような波状を写しており、下は不規則な点線を写していた。その画面の前に重厚な黒皮の椅子が置いてあり、人の頭が見える。
「ふぁー、、、そこに置いといてー。」
工藤は紙の束を部屋にある一枚板の机の上に置いた。
「あと、そこのボックスに入ってる紙を各々に伝えといてー。よろー。」
工藤は、紙の量を見てげんなりする。よくぞいつもこの量を1人で作成していると感心する。
工藤が椅子の方を見ると、髪がもじゃもじの青年が立ち上がっていた。工藤に近づくと、先程置いた紙に手を伸ばし、ぼんやり眺めている。
「こっちを選んだかー。」
ぽつりと呟き、椅子に戻っていく。その背中に工藤は問いかける。
「何か食べられますか?」
椅子にドスンと座り、一瞬の間の後、答えが返ってくる。
「チャーハン!」