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第93話 解き放たれた本能


「……だめ、マルクはライムちゃんだけのもの。絶対にわたさない」


 意外なことに、ライムはデネボラを拒絶した。


「あらあら、つれないですわね」

「どうしてもって言うなら、ライムちゃんを倒してからにして」

「では、そうさせていただきますわ」


 デネボラはそう言うと、威圧感をまといながらマルク達の方は近づいてきた。


「――終わったら、またいっぱいちゅうしようねマルク!」

「普通にいやです…………」

「つめたいマルクもすき……!」


 ライムは顔を真っ赤にしながらマルクのことを手放し、デネボラの前に立ちはだかる。もはや何を言われても動じない無敵状態だった。


「仕方がありません。まずは貴女から、しばらく動けなくなるくらい気持ちよくして差し上げますわ!」

「ライムちゃんは負けない!」


 かくしてデネボラとライムによる、マルクのおち●ち●をかけた熾烈な争いが幕を開ける。


「………………そ~っ」


 そして二人の意識が逸れた隙に、マルクはその場からこっそり逃げ出すのだった。



 廊下をいくつも曲がり、ひとまず安全な場所へ退避したマルクは、ほっと胸をなでおろす。


「た、助かりました……」


 もっとも、今のこの船に安全な場所など存在していないが。


「…………そういえば、師匠の部屋は確かこの辺だったはずです」


 気を取り直し、周囲を見回して師匠の部屋を探しながら歩き始めた、その時だった。


 ――むにゅ。


「ぐむっ!?」


 マルクは、正面にあった何か柔らかいものに埋もれてしまう。


「……んぐぐ…………こんな廊下に一体何が……」


 そう言いながら後ずさり、自分がぶつかったものを確認するマルク。


 そこには全裸で野生を解放したリタが立っていた。


「り、りりりりリタお姉ちゃんっ!? どうしてそんな恰好を……?」

「あおーんッ!」


 リタは四つん這いになり、高らかに遠吠えをする。


 その顔は紅潮していた。


 おまけに舌を出しながら、愛おしそうな目でマルクを見つめている。


 リタは完全に発情していた。


「わんっわんわんっ! わおーんっ!」

「う、うわああああああっ!」


 メス犬の顔つきになって追いかけてくるリタに恐怖し、悲鳴を上げて逃げ出すマルク。


「ちんち●! ちん●ん! おち●ち●!」


 リタは卑猥な言葉を連呼しながら、ものすごい速さで追いかけてくる。


「もうなんなんですかぁっ!」


 マルクは涙目になって叫んだ。しかし、そんなことを言ったところでどうにもならない。


 獣人であるリタに、足の速さで叶うはずがない。このままでは、確実に追いつかれてしまうだろう。


「――――!」


 諦めかけたその時、マルクは通路を曲がった先にルドガーの部屋を見つけた。


 マルクは咄嗟に、リタが来るより早くその中へ駆け込むのだった。



「はぁ……はぁ……あんっ……!」


 全裸でベッドの毛布にくるまり、一人身体を揺らして苦しそうな声を出すルドガー。


「だ、だめだよ……君と私は、師匠と弟子なのにそんな……ああっ、――――――ッ!」

「……な、何してるんですか師匠?」

「ごはぁッ?!?!」


 夢中になるあまり、ルドガーは部屋の中へ入ってきたマルクの存在に気付かなかった。


「ままままマルク?!ど、どうしたんだいっ?ノックくらいしたまえ!」

「ご、ごめんなさい。でも今はそれどころじゃなくて……」

「…………ふぅ……死の☆」


 最悪なタイミングで弟子に見られたことに絶望し、小声でそんなことを呟くルドガー。


「――それより師匠、どこか悪いんですか?さっき、ずいぶんと苦しそうでしたけど……」


 マルクはそんなことお構いなしに問いかける。


「わ、私は大丈夫だよっ!忘れたまえっ!」

「そんな意味わからないくらいぐるぐる巻きになって寝るからいけないんです。僕が直しますね」


 そう言いながら、ルドガーの寝るベッドへ近づくマルク。


「まっ、待ちたまえ! それはだめだ!」


 当然、下に何も着ていないことがバレれば師匠生命が終わりを迎えるので、ルドガーはうずくまって必死に抵抗する。


「わがままを言わないでください。ちゃんと毛布をかけて寝ないとだめですよっ!」


 しかしマルクは、無慈悲にも抵抗するルドガーから布団を引きはがすのだった。

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