NO.5 レフィールと王都
前話でレフィールにいない、いない、バァ!をやったカレン
文章が下手になっていく。
「いるよ、ここに」
レイとルイスの【偽装】は解除せず、自分の【偽装】だけを解除して目の前に登場する。
「道具として使われるのは、私は嫌です。お引き取り願います」
急に目の前に出てきたのか、言葉が悪いことを聞かれて驚いたのか分からないが、レフィールはまた跪くと言った。
「お願いします!どうか我が国を助けてください。報酬はいくらでも払いますから!」
「すいません、私はそういうことには疎いので報酬などは私の相棒に任せていいですか?」
マジでそういうのわかんないんですよ。
今日生まれたばかりなんで、異世界のことは全然わからないんですよね!
「その者は?」
レフィールに答えるようにカレンが先ほど奥に投げた物を取りに行く。そう、手にはあの水晶がある。
「フヨウ、お願いしていい?」
フヨウが浮いて光りながら話す。
『了解しました。二人を連れて後ろにお願いします』
「偽装、解除」
≪【偽装Lv.4】が解除されました≫
「待て。その者達は?」
レフィールが驚く。
そりゃそうだろうな、目の前から出たもんな。
『主様の止め役ですよ。暴れないためのストッパーです』
「そうか、馬を何頭か用意してあります。王都で話しませんか?」
『そうしたいですが、もし気に入らないことがあれば主様は貴方の国を破壊すると思いますよ?ここで話し会った方が国と身のためですよ』
え、どうやって破壊するの?
私はわかりませんよ、王都の壊し方。
ルイスとレイが結構怖がってるんだけど。
それより古代兵器って現代兵器より規格外なんだね。
「......分かりました。では、我が国について話させてもらいます。後ろにいる古代兵器殿に我が国での戦争に参k『却下します』どうしてですか?!」
あれフヨウがそんなこと言うの珍しいな。
というか、我が国、我が国、うるさいな。
「報酬は用意するんですよ!メリットしかないじゃないですか!」
『理由は簡単ですよ』
「は?」
『主様は戦争をもうやりたくないんですよ。過去に人殺しと言われ、化け物と言われ。人を助けても助けても返ってくるのは感謝ではなく拒否の言葉。分かりますか、その辛さがあなたに』
言葉を失うレフィール。
なんと声を掛ければいいのかわからないルイスとレイ。
「フヨウ、もう言わなくていいよ。思い出したくない」
『申し訳ありません』
フヨウを掴むと洞窟の奥に勢いよく投げる。
「......と言うのは嘘だっ!」
『ふぇっ!』
そして、私はレフィールに近づきこう言った。
「戦争に参加しましょう。報酬は用意してくれますよね?」
にっこりと笑いかけながら言う。
レフィールが少し怖がっていたが無視だ。
「いいのですか!ありがとうございます、古代兵器殿!詳しい話は王都で話したいと思います。馬を用意しています。ついてきてください」
「すいません、私たちこんなみっともない服なので着替えたいんだです。着替えはないんですけども......」
今の状態を言おう。
カレンはオークの返り血を受けて全身血だらけ。
ルイスは左上半身、自身の血で血だらけ。
レイは髪がボサボサで装備がボロボロ。
この中で一番やばいのはカレンですね。
このまま王都に行けばやばい集団の塊ですね。
「大丈夫です、お金はありますよ。まずは馬に乗って王都に行きましょう。そこで身なりは整えられますから」
と、レフィールが言う。
お風呂にも入りたいな、今は。
それに、普通のご飯が食べたい。
というか、馬に乗ったことないです。
今の日本人ほとんど乗ったことないと思うよ。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
初の王都へレッツゴー!
「ルイスとレイはどうする?ついてくる?」
「ついて行きたいのは山々なんですが、私のようなものが「行きたい!」こらっ!」
「私、行きたいです。連れてってください!」
「いいですよ。でも、戦争に参加しますから覚悟を決めてください」
「大丈夫です!覚悟はもうついてますから」
「すいません、娘が......」
「よし行こう王都へ」
フヨウをちゃんと連れて王都へ行きましょうか。
この後カレンに降りかかる災難があるのを彼女は知らない。
馬に乗って一時間半後。
城壁に囲まれた大きな街が見えてきた。
レフィールが王都の門に近づくと門が開く。
まさかの顔パス。
みんなが馬から降りるのを見てカレンも降りようとするがなぜか降りれない。
降りれないのでルイスに降ろしてもらう。
待って、意外と簡単に持ち上げたよね、今?
「大丈夫ですか、古代兵器殿?」
レフィールが聞いたのとカレンの下半身が攣るのは同時だった。
「いったっ!」
こてんと転ぶカレン。
乗馬に慣れてない人が乗るとどうなるか、今わかりました。
なんで、ルイスとレイは大丈夫なの!
『簡単ですよ、乗馬スキルを持っていますから』
「なるほど」
フヨウ、いたんだね。
そして、下半身が攣っては動けないのでルイスに運んでもらい王都に行くことになりました。
ごめんねルイスさん。
意外とすぐ近くに王都があり、着替えや身なりを整えることができました。
お風呂にも入れたしね!
カレン達一行はそれぞれ部屋でくつろいでいると衛兵に呼ばれた。
三メートルとありそうな扉を開けると長い机が置いてあった。
きっと食堂だ。
「すわれ」
正面にいた者が言った。
レフィールはその横にすわりくつろいでいる。
「私の父上だ」
ということは王様というわけか。
納得しているとまた王様が言った。
「すわれ」
「分かりました。座ろう」
左からカレン、レイ、ルイスの順番で座る。
左前には王様、正面には王子がいる。
「貴様が古代兵器か」
「はいそうです」
「そうか」
そう言って黙る王様。
レフィールが右手を少し上げると食事が運ばれてくる。
「食べろ」
王様、命令口調しか言えないんですか?と思うがさすがに反論はしないでおき食べ始める。
美味しい。
あの、鳥鍋より美味しい。
というか、全体的にキラキラしてるな。
半分ほど食べると王様が言った。これも命令口調。
「私の国を助けろ。報酬は弾む」
「ええ、いいですよ。どんなのが来るんですか?」
「魔王軍だ」
普通なら勇者に頼むと思うんだけども、まあいいか。
「そうですか、その魔王軍はいつ来るんですか?」
「今日入れずに三日後だ」
わー街の人たちほんわかしてんのに大丈夫?
「そうなんですか。追い返せばいいですか?倒したほうがいいですか?」
「できれば倒してほしいが、無理なら追い返してほしい」
「分かりました。あと、ごちそうさまでした。部屋に戻ります」
三日しかないのなら急いで支度しないとな。あの増えたスキルも確認しなければいけない。三人が食堂を出ようとした瞬間、王様が何かを言った。しかし、その言葉は聞きとることはできなかった。
三人が食堂を出ると王様はレフィールに言った。
「また新しい"人形"が手に入りそうだな。それも三人もだ」
「ええ、いつも通り父上には古代兵器をあげますよ」
「ありがたく美味しくいただくか」
「はい」
フフフと不気味に笑う父と息子。
その笑いは消し去ることができるのだろうか。
今回おまけは無し。
これからは一週間に一度日曜日に投稿します。