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五月の出来事B面  作者: 池田 和美
7/7

蛇足



 使用上の注意


 蛇足の使用に当たっては一度本編を読み終えてからの方が適切と考えられるので、まず本編をお読みください。

 まお蛇足の「行」は本編の当該行の目安で(作者の数え間違いや書式変更などで)多少前後していても広い心で利用していただければ幸いです。

 そしてお知らせしますが、この作品に登場する人物、団体、事件などは、実在の物とは関係がありません。また、たまに物理法則を無視する時もありますが、面白さ優先の法則で、これまた広い心で許していただければ幸いです。



★五月のB面①

 ●いつもの海城家のパート

 111行:口を何回か空振りさせた。

  まさかパンツ洗われたなんてことを、元・男の子のアキラに相談できるわけもない。

 144行:黒い拳銃。

  ウエストポーチ風のホルスターに入れているのは『四月のB面』で明美が調達した「ギルティ」である。詳しい解説は『四月のB面』の蛇足を参照の事。

 434行:生体反応。

  『四月のB面』で『創造物』には生理が来ない事を書いたと思うが、他にも下り物なども無いと推定される。

 446行:男だって。

  まあ、男だって、夢で見るとかで、ね。


 ●ヒカルがドライファイヤをしているパート

 10行:カチッ。

  後述される「イノセンス」のハンマーが落ちる音である。「イノセンス」の詳しい解説は『四月のB面』の蛇足を参照の事。

 49行:ヒカルは軽々と構えていた。

  『創造物』たちは、常人では出せない程の怪力である設定だ。よって、こんな大型拳銃も軽々と振り回すことができる。本当なら相撲取りみたいな体格の男じゃないと、筋肉量が足りなくて無理であろう。

 79行:ガイシを狙っていたのだろう。

  電信柱と電線の間に挟まれている円筒形をした白色の部材。釉薬を塗った陶器なので遠くからでも視認が可能。こうして射撃の練習に使用したり、望遠鏡のガイドスコープの位置合わせに使ったり、色々と役に立つ。ただエアーソフトガンで実際に撃っちゃだめだよ。BB弾が当たると、割れて、漏電して、火災になるかもしれないから。見るだけにしましょう。

 92行:そのどちらにも弾がこめられていた。

  六連発の「イノセンス」だが、片方には五発しか装填していない。これはホルスターに入れて持ち運んでいる途中で、万が一暴発することを予防するために、一番上に来る位置には装填しないという、西部劇の時代からの慣習を守っているため。逆に替えの弾倉の方は、六発すべて込めてある。

 125行:指先についた油膜を…。

  ガンオイルは皮膚から吸収されると有毒な成分を含んでいることが多いため、取り扱いに注意が必要になる。といっても『創造物』にどれだけ悪影響があるかは、わからない。

 253行:必要な身分証。

  実は色々と揃える方法はある。一番簡単なのは、非合法な組織から購入するとか。あと公的機関を騙す手口が一時期ネットで話題にもなっていた。


 ●一年一組の風景のパート

 26行:真鹿児(まかご)孝之(たかゆき)

  ちょこちょこ『出来事シリーズ』などに名前を出していたキャラクター。天文学部にして一組の男子図書委員である。同期の天文部員には、他のシリーズに出ている橋本大和や、愛子千波がいるはず。

 50行:ISSの日面通過。

  ISSは、日本人宇宙飛行士が滞在するなどで話題になる、国際宇宙ステーションのことである。日面通過とは、地上から見て太陽の前を通り過ぎる事を言う。これが水星などの惑星だと、結構話題になったりするのだが、人工衛星や宇宙ステーションなどになると、天文現象としては、だいぶランクは下になる。

 202行:「まだ」だけど、ほぼ決まっているんだから。

  恵美子は『出来事シリーズ』でさんざん書いたが、由美子とサトミがくっつけばいいという考えの持ち主である。よって、この場合の相手は、郷見弘志である。

 281行:顔を真っ赤にしたヒカル。

  また照れちゃって。ヒカルちゃんのかわいいところが出ていますよ。

 355行:誕生日は一つしかないでしょ。

  素材となった者たちの五人分を毎回祝ってもいいと思うが、実際に『構築』された日付を、自分の誕生日にしちゃってもいいんじゃないかなあ。いちおうヒカルが『構築』されたのは、五月三日あたりの日付を設定している。

 440行:あたしにササキを殴れって言うのか。

  既述であるが『創造物』たちは怪力なので、剣道部のエースとはいえ普通の女子高生を殴ったら、ただですまない事態となる。それを分かっているからアキラもすぐ後に「それもそっか」と納得している。


 ●科学部のパート

 15行:今日は紺色であった。

  なにが?

 105行:いっこうに銃弾が発射されない…。

  弾丸が不良品で発火しなかったわけではなく、こういった会話になるだろうと見当をつけていたヒカルが、弾倉を一個ずらして弾丸が入っていない位置でハンマーが落ちるようにしておいたのだろう。

 140行:『科学部』

  集団が大きくなれば、学校や生徒会に対する意見も大きく言えるなど、副次的な効果も狙っての組織づくりであろう。

 357行:NUKE

  スラングで核兵器の事ですな。もちろんお話の都合で、でっち上げた組織です。が、説明に使ったCCCとかNISCなどは、実在する対コンピューターウイルスの組織である。

 390行:そのメモリの中身は?

  直前のヒカルのセリフに注意。ヒカルはUSBと言っているが、USBメモリとは言っていない。つまり不審物が届けられた段階で、研究所の方が非破壊検査をしており、明実は封筒の中身を把握していたということだろう。

 471行:ボロボロの道着を着た少年。

  日本拳法部一年生の弓削(ゆげ)(りゅう)くんである。『一学期の~』の『幕間②』参照の事。



★五月のB面②

 ●ヒカルのお出かけにつきあうパート

 75行:ゴミをポケットに。

  ただの綺麗好きというわけではなく、現場に証拠を残さないように日頃から気を付けている、という行動である。

 99行:わかったから、はやくしろ。

  四〇秒で支度しな。

 277行:上宮みかん。

  ヒカルの偽名の一つと言っておく。もちろん他にも違う偽名で身分証明書を複数所持しているつもりだ。ちなみに新命ヒカルという名前は『四月のB面』で香苗がつけた名前だ。


 ●いい店に行くパート

 3行:トンビ。

  二人が時間を潰しているのは、鎌倉は由比ガ浜のつもり。ここら辺はカモメよりもトンビが多く、それらに襲われる事件が多く発生している。まあ手ぶらなら襲ってこないんだけどね。あと、ここら辺は『カーニバル・ナイト』(笹本祐一)のパロディのつもり。

 91行:髪の毛を回収すると…、ポケットにねじ込んだ。

  これも事件現場に証拠を残さないように行動している、というつもり。髪の毛一本から血液型や性別、薬物の使用歴までわかってしまうからだ。

 135行:ノートパソコン。

  後述するように、ただアングラな掲示板を読むだけの通信機としてしか使用しないが、本当は必要最低限の性能があるはず。でも、すぱっと(創造物だけどさ)男らしく即断即決したといった感じにした。

 205行:オバQ。

  『オバケのQ太郎』(藤子不二雄)のこと。版権関係がややこしく絡み合ってしまったので、今後再放送や新シリーズが作られることなど無いであろう。

 247行:シロクニさん。

  会話の内容からして、おそらくエシェックを『構築』した『創造主』の名前であろう。

 376行:いつもの三点セット。

  ヒカルはリボルバー使いなので、手元に薬莢が残る。残った薬莢に、弾丸、火薬、雷管を買ってきて、自分で詰めれば再び使用できることになる。そのほうが安い。ちなみに「イノセンス」の弾丸は、一発ずつ自分で作らないといけない弾である。『四月のB面』の蛇足参照の事。

 384行:ケース用にウェンチェスターマグナム。

  「イノセンス」の薬莢は、狩猟用ライフル弾の絞られているところから先を切り飛ばして使用する。詳しくは『四月のB面』の蛇足を参照の事。

 389行:トンネル事故。

  『四月の~』や『四月のB面』を参照。

 426行:ベルトのバックルに…。

  実際に複数のメーカーから超小型のリボルバーが発売されており、その中にはベルトのバックルがホルスターになっている物すらある。もちろん低威力なので殺傷能力は期待できない。もちろん相手を押さえつけて眼球に向けて発射するなど、特殊な使い方をすれば殺すことも可能だが。

 433行:レイピア。

  イギリスはBAC社が開発した短距離防空ミサイルである。改良型は現在も運用中であるが、フォークランド紛争(1982年)に使用された型は、さすがに引退していると思われる。

 459行:国立駅前で…。

  せっかく『カーニバル・ナイト』のパロディですから、やるところまでやりました。

 466行:Me一六三(コメート)

  世界初のロケット推進戦闘機。

 507行:デルタエリート。

  自動拳銃で有名なガバメントを販売しているコルト社が、一〇ミリAUTO弾が出た時に、ガバメントのバリエーションとして発表した自動拳銃。ただし弾丸の威力に対して銃自体の強度が不足して、射撃中にスライドが破損する事故があったため、一時期生産を中止していた。最近になって一〇ミリAUTO弾の復権により、新しく強度も考えられたバージョンが出たが、前のイメージが残っているせいか、いまいち販売成績が良くない模様。

 527行:遊底の方を取り…。

  まあエチケットであろう。グリップの方を握ったら「お前を撃つぞ」と言っているようなものだから。

 546行:クリス・ベクター。

  新時代のサブマシンガンとして開発された銃。コンパクトながら整備性も考えられた銃で、使用する弾丸で色々なバリエーションがある。

 554行:ベクターK一〇。

  ただでさえコンパクトなクリス・ベクターを、さらに矮小化させたモデル。それでいて威力はそのままに、反動が少なくなるように設計されているため、私服警官など一見武装が弱い業種に、これから配備されて行くと思われる。


 ●ウドン屋のパート

 1行:全体。

  ここも『カーニバル・ナイト』のパロディになっています。

 91行:本人の説明によると、七〇パーセントが日本人で…。

  既述の通りヒカルは五人分の体を集めて『構築』されている。この五人とは、どういった人物たちなのだろうか? こんな表に出せない銃砲店などを知っている事から推理すると以下の通り。

  シルバーボルト・航空指揮官

  スリング・副官

  エアーライダー・戦士

  ファイアーボルト・偵察員

  スカイダイブ・航空戦略家

  それじゃあ「トランスフォーマー」のエアーボット、合体戦士スペリオンじゃん!

 111行:決まり文句はもちろん…。

  「月に代わっておしおきよ!」


 ●帰宅したパート

 55行:ゼロイン。

  安定した射撃場か何かで、弾が飛んで行くところに照準器の中心が来るように調整しないと、ただの飾りとなってしまう。


 ●ヒカルの部屋のパート

 29行:筒を天井に…。

  銃身の中に傷が無いかチェックしていると思われる。

 61行:カチリと窓の方を…。

  組み立てたばかりで弾が入っていないのは当たり前だが、それでも暴発事故を防ぐために、引き金を引くときは外に銃口を向けている。

 71行:見えたり見えなかったりした。

  なにが?

 209行:一葉の写真。

  まあ写っているのは、若き日のヒカルと、ヒカルを『構築』したシロクニのつもりなんですけどね。

 301行:エロサイトかよ

  裏の情報を取り扱う掲示板を使用していると、バレないための画面だろう。この画面とニュース画面を一定回数行き来すると、本番の掲示板に繋がる仕様となっている。もし第三者に疑われても「なんだエロサイト見てたのか」と、そこで追及の手が止まるかもしれない。そして、こんな画像が表示されるのを知っていたので、ヒカルは海城家のパソコンにこのソフトを入れることをしなかったと思われる。香苗に見つかったら一騒動だろう。また逆探知されて海城家に迷惑がかからないようにという配慮もあったのかもしれない。

 403行:二万ドル。

  大雑把に1ドル100円としたって200万円である。フリ-ターの年収ぐらいか? それだけ情報というのは価値があるということ。それにヒカルほどの腕利きは、そのぐらいは「お小遣い」程度の感覚という暗示にしたつもりでもある。つまり後に稼いだバイト代の金額も、それなりって事だ。そういや分け前はどうしたんだろう?


 ●また清隆学園内のパート

 107行:オリジナルのエアーソフトガン。

  『十一月の~』に出てくる「マーガレット・スピンドルストン」の事を言っていると思われる。

 144行:オイラが関わった科学実験衛星が…。

  『十一月の~』に出てくる「チェリャビンスク・クラッシュ」などのことだろう。

 153行:なにせVIPという…。

  明美はVIPって言いたいだけだな。でも、これでヒカルの護衛対象が半分になって、バイトに行く事ができた。

 204行:新井尚美。

  『出来事シリーズ』にも、ちょこちょこ顔を出していた女子生徒。『四月のB面』にも登場している。

 207行:尚美の荷物。

  色々なコスプレが入っていますが、だいたい『出来事シリーズ』でサトミが着ていた物だということに注意。ただ古き良き日本(ブルマ)とスクール水着は、コスプレの下に着て余分な視線をカットする目的に使用すると思われる。



★五月のB面③

 ●バイトの面接会場までのパート

 21行:箱根山。

  新宿駅より新大久保駅の方が近いかしら? 決して箱根山近辺が怪しいと言っているわけではなく、そこから新宿駅方面へ向かうと、繁華街の裏口に着くから出した地名。

 115行:道に吐き捨てた。

  普段のヒカルではやらないようなミス。理由は既述したが、唾液など証拠になるような物を現場に残すことになる。ただ、それが証拠になるか判別できない程、ゴミが散らかった道であった可能性もある。

 133行:<ゴーテル>

  童話に出てくる魔法使いの名前である。深い意味はない。もし同名の店があったら、偶然です。

 157行:手を繋いでやるよ。

  ヒカルちゃんの可愛いところが出ています。

 178行:雑居ビル。

  バイトの面接をする建物も『カーニバル・ナイト』からパロディとして引っ張ってきました。

 213行:『ネモ船長』

  まあ読み進めれば、世間の裏でヤクザまがいの仕事をしている集団、その首領だということが分かるとおもいます。

 252行:エレクトラ。

  『ネモ船長』腹心の部下で、しかもそれが女性なら、そら名前はエレクトラで決まりでしょうよ。かつてガイナックスが、NHKから詐欺同然の手法で放送枠を得て作ったアニメ『ふしぎの海のナディア』ネタ。

 256行:エシェック。

  偽名だらけのヒカルの本名のような物。『四月のB面』参照。

 320行:サトミだよ。わからないのか?

  わかるか! こんな格好していたら別人だと思うでしょ。いちおうA面にあたる『出来事シリーズ』の郷見弘志と同一人物のつもり。『出来事シリーズ』の方では、変な行動をする普通の男子高校生といった表現にした。逆に『B面シリーズ』では、得体のしれない危険な少年と、別人であるかのような扱いをしている。

 346行:お願いがあって…。

  おそらく『企業』による由美子の父親の会社への手出しに、加担しないように言いに来たのだろう。もちろんプロがその程度で矛を収めるわけも無いのだが。もしかしたら、これから先の事を考えて、敵にも顔を売りに来たのかもしれない。

 377行:<スイカ味>

  あのキャンディの流通している中で、一番外れな味だと思う。

 384行:赤い牛のロゴ。

  翼を授ける味だろうか? いちおう、まだ現実には販売されていないはずの味。

 395行:迷言をのこした芸術家。

  サルバドール・ダリのつもり。

 426行:『ネズミの目』

  エシェックが連れてきたルーキーすら加えるぐらいだし、人手不足から彼にも仕事を任せたものと思われる。もしかしたら後の福岡空港で狙撃してきたのが彼かもしれない。


 ●バイトの面接のパート

 27行:向こう側の部屋。

  『五月の~』のラストシーンで書類ケースが持ち込まれる部屋のつもり。そして安楽椅子に座っている『ネモ船長』が、報告を受ける相手という設定だ。

 80行:あたしのフレンズよ。

  すっご~い。キミは拳銃を乱射するフレンズなんだね?

 162行:どこかで見た事があるような気がした。

  ほら、女の子は父親に似るって言うじゃない。文孝は由美子の父親である。『五月の~』参照。

 173行:ウチは平和的なコンサルタント業だって。

  と『ネモ船長』は言い張っているが、その直前にヒカルが「脅迫? 誘拐? 殺人?」とぶっそうな事を訊いているということから、そういった荒事の方が多いコンサルタントなのだろう。

 227行:二人ほど使えなくなりました。

  入口に立っていた二人に、エレクトラが命じて、サトミに痛い目を見させようとしたのだろう。だが逆襲された、と。いちおうサトミは合気道の道場に通っている設定ではある。それに危険なオモチャも色々持っていそうだし。

 238行:僕がそんなことを命じるとでも?

  でも示唆したりなんだりしたんじゃないかなあ。

 268行:エシェックはエレクトラに、ついていて欲しい。

  設定的には『ネモ船長』は自分の後継者としてエレクトラを考えており、その経験づくりとして、今回の現場へ送り出すつもり。でも彼女の身の回りが心配なので、護衛役を探していたところに腕利きから連絡があって助かったと思っている。しかし本人がいるのに護衛を頼むと、彼女のプライドが傷つくと思って、運転手役と言っている。


 ●どこかで誰かが電話を取るパート

 :全体。

  響灘という単語とか、チョロチョロ出てくる人名とか、『一月の~』で出てきた白膏学院の図書委員会であるようだ。もちろん電話をかけてきたのはサトミで、受けたのは化学部の縞子さんであろう。白膏学院について詳しくは『一月の~』参照。


 ●香苗に釘を刺されるパート

 131行:覗き放題。

  なにが?


 ●バイトに電車で向かうパート

 32行:アキラのファッション。

  今回は「新宿の種馬」と呼ばれたスィーパーのような格好をさせてみました。

 106行:人いきれにのぼせて…。

  というより正面からアキラと密着しているせいだと思う。

 196行:ホカホカである。

  分かりやすい反応で、ヒカルちゃん可愛いと思うのは、和美だけでしょうか。

 208行:どこかに、いい女の子いないかなあ。

  目の前にいるだろうアキラよ…。引っかかれて当然だぞ。


 ●名古屋へ向かうパート

 104行:機関長(チーフ・エンジニア)

  おそらく彼は『ネモ船長』から、エレクトラを育てたいから、よろしく頼むと言われているのだろう。よって今回はあまり前に出ずにサポート役に回ることが多い。

 140行:ドン・ファン

  彼も機関長と同じような立場なのだろう。もちろんこの名前が本名ではない。

 171行:首都高から

  経験不足のチョコに負担をかけないために、なるべく早く自動車専用道路に入らせたと思われる。本当なら一般道を走って世田谷から東名に乗るのが普通であろう。自動車専用道路ならば尾行してくる相手も発見しやすいからだ。また第一東名を選んだのは、後述されるもう一台が第二東名で西進しているからではないだろうか。なんらかのアクシデントがあっても全滅しないように、分けて行動するのが基本だからだ。

 235行:<アイスキューカンバー味>

  あのキャンディにこんな味は無かったと思われる。元ネタは昔に出たペプシコーラの夏限定品。ちなみに和美はアレを飲んで「イケる!」と思った。

 254行:中部国際空港(セントレア)じゃなくて、名古屋空港。

  海の上のセントレアだと、いざという時に逃げ道が無いので、段取りを踏む段階で名古屋空港を選択したと思われる。陸続きなら最悪の場合、徒歩でだって逃げることが可能だからだ。

 329行:そちらは…、航海長たちが。

  『五月の~』で空楽たち四人が新幹線に乗った時は、すでにそのチームの尾行を受けていたことになる。

 367行:罠が仕掛けてある。

  さすがにサトミも全能でないから、この罠に引っかかってしまったというつもり。

 424行:小さな金属音。

  おそらく「ギルティ」のセフティを戻した音だろう。

 572行:キハラのアノ話し

  設定はしていないが、きっと大ポカをやらかした過去があるのだろう。


 ●名古屋で一泊するパート

 6行:床暖房。

  五月の愛知県とはいえ、標高が高いと朝晩冷えるだろうから、床暖房が入っている設定にした。

 26行:施設の看板。

  適当にキーボードを叩いて出た単語を看板にした、というミラクル。特養って特別養護老人ホームの略だったりしない? 老人ホームのディサービスに泊まるプロットを組んで、後から決めた名前にしては、神がかっている。

 241行:ミーティング

  若い連中をチーフとドン・ファンに紹介しているところを見ると、『船員たち』っていうのは結構、大所帯なのではないだろうか。

 323行:ビニール紐を手に取った。

  若い娘に手を出すようなら、一晩中縛り上げるつもりなのだろうか?

 338行:ベビーフード…だけを口に

  ただのキャラクターつけ。有象無象が集まっていると表現したかった。



★五月のB面④

 ●朝の仕度パート

 103行:体へ三つも銃を巻き付けて…。

  ヒカルは「ギルティ」と「イノセンス」の他に、一〇ミリAUTO弾を使用する単発銃である「アメージング・デリンジャー」を袖に仕込んでいる。詳しくは『四月のB面』の蛇足を参照の事。

 154行:「梅」「鮭」

  オニギリの具であろう。

 172行:甲斐甲斐しく給仕しているロメオチーム。

  作戦の支援と言っても、ただドンパチだけでなく、こういったことも含まれる。

 245行:だいぶおどけた声を上げた。

  何度も偽物を尾行しているんじゃないかと心配されるターレット・オフィサーなる人物。きっと過去に大ポカをやらかしたことがあるのだろう。

 269行:米軍制式小銃。

  M四カービンのつもり。ベトナム戦争でデビューしたM一六の改良品である。


 ●目標に修正が入るパート

 84行:『やか…』

  「やかん」じゃあ「ん」がついて負けである。

 116行:カナリヤ諸島の大騒動とか、パラオ墜落事件とか。

  事件の詳しい内容は考えていないが、いまのヒカルから推察するに、大立ち回りだったのだろう。

 166行:あ、『ヤエバ』

  そら『学園のマドンナ』たる美少女の事を想像していたのが分かるから、ヒカルの機嫌も悪くなるといものだ。

 243行:呻き声のような物を漏らした。

  思いも寄らずクラスメイトが、こういった荒事の対象になったと知ったのだから、アキラの動揺も分かるというもの。


 ●福岡空港での出来事パート

 18行:頬に…傷跡が走っていた。

  名古屋までの車内で交わされた会話の中で、ヒカルが頬を指でなぞりながら「キハラって、あの?」と発言していることから、彼がキハラであろう。軽自動車の中で一番偉そうな態度を取っているところから、水雷長と呼ばれる者は乗っておらず、おそらく狙撃手と一緒にバックアップ態勢を取っていたのかもしれない。

 74行:白いセーラー服を着た少女。

  『一月の~』に登場した本山(もとやま)ノブヨのつもり。剣道の腕は全国レベルで、さらに言えば酒乱の気があるという設定。詳しくは『一月の~』参照の事。

 148行~:白いセーラー服の少女が喋っている方言。

  地元の人が読んだら怒り出すような適当な方言になっていたら、あしからず。


  原「にしゃらは、誰や!」

  訳「おまえたちは誰だ」


  原「誰も、こん飛行機に近づけなかれらな」

  訳「誰も、この飛行機には近づけさせないぞ」


  原「は? なんぞ? うちっとやろうっちゅうと?」

  訳「は? なに? 私とやりあうつもりなの?」


  原「だれぞ、のくもんと!」

  訳「誰が、退くか!」


  原「今宵ん村雨蘭丸ば、血に飢えよー」

  訳「今宵の村雨蘭丸は血に飢えておる」


  原「飛び道具っち卑怯者や」

  訳「飛び道具とは卑怯者め」


  原「ここで退いたら恥ずかしか。博多娘ん名折れじゃ」

  訳「ここでどいたら恥ずかしいです。博多娘の名折れです」


 179行:一対一でも負ける気がしなかった。

  相手の実力を見誤った瞬間である。

 246行:テイザー銃。

  複数のメーカーから発売されており、日本でも防犯機器メーカーから民間へ販売されている物もある。警察が採用しない理由が分からない。高電圧をかけるので、相手が心臓の弱い体質だったら死亡する可能性があるからか? それでも拳銃よりは安全と思えるのだが。

 295行:フランジブル弾。

  実際に存在する弾頭。アメリカなどで人質事件など発生した時に使用される例がある。

 296行:まだ握っていたテイザー銃。

  自分の武器を取り落さないなんて、キハラもなかなかの経験者ということだ。


 ●屋上の狙撃者のパート

 3行:車椅子の女。

  『一月の~』に出てきた縞子さんである。

 17行:灰色のつなぎ服を着た少女。

  後の会話から『一月の~』に出ていた白膏学院図書委員会書記の猿渡(さるわたり)美智(みち)であろう。彼女がなぜ狙撃手になれたかは、じつは深く考えていない。国体の射撃競技の選手だったとか? 清隆学園の対象物として設定した白膏学院であるから、登場人物は由美子たちの鏡像である事が多い。彼女はサトミの女版として設定した内の一人。ただしサトミが個性ありすぎるので、白膏学院側のキャラクターとしてはサトミ役を、縞子さんなど複数の人物に分解してある。

 24行:巨大な対物ライフル。

  『一月の~』に出てきた縞子さんの部屋に、壊れたM82が飾ってあった。それのつもり。

 36行:スコープの中に投影されている数字など。

  最近の狙撃用スコープにはコンピューターが内蔵されていて、横風などの予測データが表示されるようになっている。

 62行:弾種変更。

  フランジブル弾は貫通力が全く無いため、軽自動車といえども車内に入られてしまうと、手が出せなくなってしまう。最悪、このまま車ごとノブヨへ体当たりされる可能性もあったから、いざとなったら車を破壊できる弾丸へ変更したのだろう。

 90行:横へ銃口を振った。

  排気管へ銃弾を放り込むために、離れた位置で銃弾をコンクリートの路面で跳弾させている。

 121行:向こうも狙撃手を配置していたか。

  じゃあ『船員たち』は、その狙撃手でノブヨを排除しちゃえばよかったじゃん。という、もっともな意見もある。ただミチを通常弾で狙撃しているところから、『船員たち』側にはフランジブル弾のような特殊な弾の用意は無かったのかもしれない。ここで相手を殺傷すると、全面戦争となる可能性があり、それは避けたいと考えたのだろう。

 174行:燃料系へ穴を開けることは可能なんじゃないかな。

  離陸する時に、滑走路で走り出す直前に、進路を確認するために停止する瞬間がある。その時に、ソフトメタル弾頭の銃弾で狙撃して燃料系へ穴を開けたという設定です。

 194行:あれ、どうやって回収しようか。

  いちおうノブヨの回収班は、軽自動車の運転手が落としていったテイザー銃で、彼女を気絶させたつもり。その後、由美子たちが乗る飛行機のパイロットに事情を説明したのかは不明だが、給油されていない事実があるから(成田の部下など)第三者を迂回して報告は行っているはず。


 ●待ち受ける名古屋空港のパート。

 43行:目を閉じたままヒカルが…。

  明るい光が目に入って、瞳孔が閉じてしまい、暗闇で視力を失うことを恐れている。この後に片目しか開かないのも同じ理由だ。

 182行:エレクトラの銃。

  おそらく形状やら、彼女の言動からグロック17あたりではないだろうか。プラスティックを多用した初めての拳銃として知られている。

 290行:トイレなら…。

  仕事直前に、緊張から便意を催したと勘違いしたのだろう。

 301行:地域限定の、デスソース味。

  もちろんギャグとして和美がでっち上げた味である。

 345行:引き換えるようにして、口の中へ放り込んだ。

  さりげなく「間接キッス」ではないだろうか? まあヒカルにそれを指摘したらムキになって否定するだろうけど。


 ●空港の消防隊詰め所のパート

 19行:台湾の飛行機が落ちて。

  公式には「中華航空140便墜落事故」と呼ばれる事故のこと。1994年4月26日夜に発生し、日本航空史上ワースト二位の死傷者数を出した。(一位は御巣鷹山の事故)空港への着陸途中で自動操縦装置の取り扱いを誤って墜落した。賠償金で揉めた方が印象に残った事故。

 36行:聞こえたよ! …叫び声がさ…

  もちろんエレクトラの悲鳴である。



★五月のB面⑤

 ●今回の山場のパート

 124行:パーンという音がした。

  サトミが閃光弾を使用した瞬間だ。詳しくは『五月の~』参照。

 147行:ゴハッという吸気音。

  スーパーチャージャーを搭載したエンジンの特徴である。急にパワーを上げた反動で、その瞬間だけハンドルが右に取られたりする。

 159行:イフリートとハデスが負傷。ドン・ファンが置いてきぼり。

  救急車の助手席から蹴り出されたのがドン・ファンで、滑走路へ叩きつけられた二人が手下と設定してみた。

 283行:路面に跳ねさせて…。

  車体の下側から駆動系を攻撃して、エンジンと推進軸を繋いでいるトルクコンバータに穴を開けてしまおうとしている。トルクコンバータに詰まっている作動油(フルード)が抜けてしまえば、エンジンがいくら回転しても動力が伝達されずにタイヤは回らなくなる。

 298行:赤い瞳。

  サトミが本気になっている。

 395行:エレクトラへ教えを垂れるように言った。

  おそらく『ネモ船長』は、こういった未熟ゆえにエレクトラが感情に任せ、失敗しそうになるところをサポートしてもらいたかったのだろう。

 495行:T七二(タンゴ・セブン・ツー)

  次の行の「ドリー・パートン」と合わせて、旧ソ連の主力戦車だったT七二のこと。値段と性能が丁度良かったので、世界中に輸出された。そのせいで、中東でキナ臭い事件が起きると、必ずと言っていいほどテレビの画面に登場する。

 534行:空軍のMP。

  外国の基準だとそうなる。

 578行:銃を積んでなけりゃな。

  かつて昭和天皇の大喪の礼で厳戒態勢となった東京で、警官に呼び止められた池田という者が、エアーソフトガンを数挺所持していて、場が色めき立った事があったとか無かったとか。いや、そんな時期にサバゲを企画した本人が悪いのだが。

 698行:アキラの腕を回収した。

  アキラのロケットパンチは、本家と違って自動的に帰ってきたりしないという設定なのだ。それなのでヒカルは証拠を残さないために、わざわざ車を停めた。

 705行:肘との接続はすぐにできない。

  『四月のB面』参照。

 784行:ロキソニン。

  医療用の痛み止めと熱さましの薬だ。エレクトラは、まさにこういう時のために携帯していたのだろう。


 ●治療のために浜松へ行くパート

 163行:アメリカじゃ重機関銃だって…。

  もちろん誰でも持てるわけでは無いが、日本のように誰もが持てないわけではない。

 185行:レオパルド。

  レオパルドンに非ず。西ドイツ製の主力戦車の名前だ。

 192行:ミゼットとかヂャイアントとか。

  ミゼットは超小型の四輪車として一時期復活していたので、車好きな方は知っているかもしれない。ヂャイアントは誤字じゃないよ。普通のトラックよりも大きい自動三輪車という、法規制の隙間を縫ったような車だった。

 199行:微笑みの国や獅子の国。

  タイ王国とシンガポール共和国のことだろう。まあアセアンの代表的な国ではある。

 200行:土曜日の放課後…。

  有名なタイムトラベルの方法。

 211行:トゥクトゥク。

  タイやラオスなどでの自動三輪車の呼称。そんな珍しい車が住んでいる近くにあるとエレクトラに聞かれたら、潜伏場所がばれてしまうので、ヒカルが睨みつけた。

 238行:そっぽを向いた。

  高速道路の出入り口は監視カメラで撮影しているので、なるべく顔が映らないように工夫したと思われる。

 286行:赤い色に白線を入れた電車。

  地元では遠鉄とか赤電などと呼ばれる遠州鉄道であろう。新浜松を起点に天竜浜名湖鉄道の西鹿島までを繋いでいる地方私鉄である。

 362行:銃身を添木に…。

  そうしなかったのは銃身が曲がって使い物にならなくなることを恐れたのか。まあ戦場で銃身を添木にしようとしたら、射撃直後だと火傷するほど熱くなっているから、習慣的に銃床の方を選んだのかもしれない。

 368行:細い道。

  ここらへんから和美のでっち上げの町並みを走っています。

 432行:遠慮したいんだけど…。

  エレクトラはヒカルに嫉妬されることを恐れているのかな?

 532行:同情したのはアキラだけだった。

  そらあ、この場にいる他の人物は、全員経験したことのない痛みだろうからなあ。


 ●モトコから依頼されるパート

 18行:アキラはヒカルと顔を見合わせた。

  まあ二人は『創造物』として、どんな怪我でもすぐに治るという体になっているからなあ。

 157行:血でも足りなくなったか?

  もし輸血が必要でも、同じ血液型とは限らない。しかも二人は『創造物』であるから、そもそも人間に輸血していいものかも分からない。

 162行:シグナル・オフィサーが…。

  既述だが、シグナル・オフィサーは在来線でサンライズエクスプレスを使って罠を張っていた人物である。怪我をしたとは、そのサンライズエクスプレスからサトミに落とされたからである。詳しくは『五月の~』参照。


 ●シグナル・オフィサーと合流するパート

 13行:カーナビぐらい…。

  ついていないのではなく、わざとつけていないのだ。下手にカーナビを付けておくと、どこへ行ったかの履歴がカーナビの中に記録されてしまい、何らかの事件の証拠として残ってしまう可能性があるからだ。

 124行:船舶無線。

  国際VHFのことである。0、05メガヘルツごとに28chまであったと記憶している。船同士だと、まず6ch(156、300メガヘルツ)で呼びかけるのが通例である。20chは港と船が話す時に呼びかけるチャンネルだ。モトコとの会話で言っていた16chは緊急回線だったと記憶している。違ったらごめんなさいね。それと最近は何でもデジタル化が進んでいるから、もうこんな古い通信法は廃止されているかもしれない。

 174行:何度か呼びかけても返事は無かった。

  短波なので、単純に電波が届いていなかったと思われる。シグナル・オフィサーから浜松への救援要請は、携帯電話だったのではないだろうか。

 234行:流暢な英語。

  ヒカルは、それまでの言動からも、外国でも活動していたことが察せられる。よって主要な外国語は不自由なく使えるのだろう。

 338行:この先を右にか…。

  「インド人を右に」ではない。

 397行:チーズを一切れ持ってないか…。

  有名な『宝島』(ロバート・ルイス・スティーブンソン)で、島に一人置き去りにされていたベンが、主人公のジムに最初に訊ねる言葉。転じて、一人きりになっている「船員」への合言葉として用意されそうな言葉だと思い、ヒカルが口にしている。

 463行:赤い手形が残った。

  他にも車体前部が血で汚れたかもしれない。それは目立ちすぎるからと出発前に拭き取ったことは確実だが、話しの流れから省略している。

 470行:元はそれなりのスーツ。

  大怪我をする前の彼は『五月の~』参照の事。

 563行:怪我を直すぐらいなら『生命の水』を注射するだけでも効果が出る…。

  じゃあなぜ左腕を負傷したエレクトラには注射しなかったのか、という疑問が出てくる。彼女の場合は、気を失っている時間が少なかったので『生命の水』の秘密が漏れる心配があった。さらに、命に係わる怪我でなかったということもあるだろう。後述されているが、体質があわないと死の危険すらある、という設定なのだ。

 584行:心臓に『生命の水』が詰まってる。

  詳しくは『四月のB面』参照の事。

 590行:あたしの荷物の中にポンプ…。

  注射器をポンプと呼ぶなんて…、裏稼業の人間の証拠だなあ。なぜ持っていたのかは、もしヒカルかアキラのどちらかが大怪我した時に、お互いの『生命の水』を融通するためだったとしておく。



★五月のB面⑥

 ●アキラとヒカルが帰宅するパート

 40行:出来上がったのは…、怪物のような代物。

  これで『五月の~』のラストで、書類ケースを持ってきた男と同じ状態となった。

 68行:男とは『ネモ船長』のオフィスがある新宿で別れた。

  この後、『五月の~』のラストシーンである。

 127行:サトミだよ。

  登場する度に別の人物に化けているように、わざわざシナリオを調整している。とにかく、こちらのサトミは正体不明の人物というキャラクターなので。あと、突然現れるが、新宿辺りから、後述する車で尾行されていたものとする。秘書室長の成田も無能ではないから、ここら辺に『ネモ船長』が臨時の事務所を構えているだろうな、ぐらいは部下を使って把握していただろうし。サトミは前日から徹夜のはずであるが、疲労を感じている様子が無い。そこは『出来事シリーズ』でちょろっと説明している。

 141行:サトミの手には、小さな自動拳銃が…。

  『五月の~』でシグナル・オフィサーから奪ったコルトポケットのステンレススチール三八口径である。

 193行:こちらで、そちらの下端を…。

  サンライズエクスプレスに配置されていたシグナル・オフィサーの部下たちである。全員が捕縛され、東京駅に着いたところで成田の部下に身柄を渡された。

 224行:手を汚させることもないじゃない。

  物理的に汚れるのと、東京湾に沈めるという汚れ仕事というダブルニーミング。

 259行:オレが地獄を見た事が無いと?

  『六月の~』参照。

 271行:高級車。

  いちおう『五月の~』の冒頭に出てきた黒塗りのリムジンのつもり。

 312行:嬉しそうに香苗はその背中を見送った。

  もちろん「おかえりなさい」と言ったら、ヒカルが「ただいま」と言ってくれたから。これで肉親までとは言わないが、家族にはなれた気がしたのだろう。


 ●サトミがケジメをつけるパート

 5行:テレビ塔としては世界一。

  東京スカイツリーと思われる。

 6行:タワーマンション。

  特にモデルはない。お話のためにでっち上げた建物である。

 27行:空中庭園。

  造るだけならそう金はかからないが、維持するとなると結構な金額が毎月飛んで行くことになる。しかも観葉植物に、小川までついているとなると、メンテナンスを怠ると建物自体にダメージを与えてしまうから、なおさらだ。

 40行:キヨシ。

  サトミヒロシの父親なのだから、フルネームは郷見キヨシ(漢字は未定)である。

 67行:ミキ。

  フルネームはまだ未設定。だが『六月の~』で、サトミの姉が家族の事を考えているシーンに登場済みである。

 175行:マイセン、ウェッジウッド。

  どちらも高級茶器で有名なブランドである。

 225行:どこまでも続く青空で、髙く白い雲が浮いていた。

  このパートが始まった時にキヨシが見ていた雲と同じ物が背景にあるというつもりである。

 257行:取手を、丸テーブルの上に投げ捨てたのであった。

  もちろん狙撃はサトミ自身が行った物ではない。それどころか、実は狙撃自体が演出された物の可能性の方が高い。いくら視程が届くとはいえ、風が渦巻く高層で、そんな精密射撃ができるとは思えない。それよりも空中庭園のどこかに自動照準の銃を仕掛けたとか、ミキを買収してカップの底面に小型の爆発物を仕掛けたとか、確実な方法はいくらでもある。もちろんキヨシはそれに気づいており、自分の身の回りの洗い出しから始めなければならなくなったので、由美子の父親の会社へちょっかいをかけている暇が無くなる。という筋書きなのだが、納得していただけるだろうか?



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