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第3章 10話 そもそも根本式ってなんだよ。

アイテム名 根本式魔導ロケットMkーⅣ(マークフォー)


分類    乗り物

レア度   ?

価額相場  ?


効果及び説明


空の勇者根本が作った四番目のロケット。

居住性の向上が計られ、MkーⅢ(マークスリー)に搭載された破壊光線ガンの威力と連射性も向上されている。



 俺は隠し倉庫のさらに奥にある隠し部屋で、おかしなロケットを眺めている。

 なんかオモチャみたいなビジュアルのロケットだ。

 同じくオモチャみたいなデザインの鉄砲がロケットの先っぽの方についてる。


 しかし隠し部屋とは言ったものの、めちゃくちゃ広い空間だな。

 デカいロケットが入っている部屋だけあって高さもとんでもない。

 天井まで数十メートル位はある。

 部屋というよりガレージだな。

 ガレージの真ん中にクレーンがくっついてる鉄筋のようなものに囲まれたロケットが置いてある。

 根本さんが作った四番目のロケットらしい。

 居住性が向上されていて、破壊光線ガンの威力と連射性も向上されているらしい。



 ……うん。

 ……いや知らねえけどねっ。

 MkーⅢ(マークスリー)につけられた破壊光線ガンより威力が上がってるらしいけど、まずその三番目のロケットを知らねえからさっ。

 MkーⅣ(マークフォー)とかこじゃれた名前にして、Kが小文字なのもなんかしゃくにさわるしっ。

 なんだこれ!?こんなわけのわかんないロケットポンポン作るなよ根本っ。


「で、どうするんだ龍臣、このオモチャの鉄砲みたいなところだけ外すのか?これ専門知識がいるだろう」


 京がロケット見ながら呟く。


「そうよなあ、やっぱ色々いじれるカワウソ達集めてからだなあ」


 百歩譲ってただのロケットがあるだけなら放置でも構わないが、破壊光線ガンついてるからな。

 明確な武器がついてるロケット放置するわけにもいかない。

 なんだよ破壊光線ガンって。

 まあ少なくとも武器の部分だけでも何とかせんとな。

 いや、やっぱロケットだけでもダメか?ロケットもダメだよな。


 カワウソ族の鍛冶師のモンブランさんとか大工のマスカットさんあたりの力が必要だ。


「カワウソ達を王都に迎えに行かないとだなあ」


 また飛行船で移動か。


「先生、私テレポートで迎えにいきましょうか?一度に四人ずつしか運べませんけど」


 !?、東くんの仲間のカガミちゃんがとんでもない発言をする。


 そうか、この娘一度行ったことある場所ならテレポートできるんだった。

 迎えに行って貰うのが一番手っ取り早いな。



鑑定結果


カワウソ達は今日の夜にはみんな王都につきます。



「よし、じゃあ今日の夜にはカワウソ達みんな王都に着くから、テレポートで連れてきて」


「わかりました。じゃあ行ってきますね」


 カガミちゃんが返事をして呪文を唱えると、彼女の体が影の中に沈み混む。

 ……はじめて見たけど悪の幹部みたいな消え方だな。


「あの娘あんなことできたのか……。龍臣、あの能力を使えばなんか色々楽になる場面あったんじゃないか?」


「……言うな」


 目立たなすぎて、まじですっかり忘れてた。

 映画版で事件が起きた時にタイム○シーン使えば、基本全て解決することに気づかないドラ○もんみたいなことしちまったな。


 気を取り直して町に戻ろう。

 みんなでアジフライを食いにいこうぜ。







 旨いなあ。アジフライ。

 町に戻り、ミンストレルにあるナナセさんのおすすめの店で仲間みんなでアジフライを頬張る。

 なんだろうな。やっぱアジが違うのかな?


鑑定結果


このアジフライのアジは異世界特有の生命力に溢れた騎士団鯵と呼ばれるやつ。

ミンストレルのそばに騎士団鯵の回遊ルートがあり、生きのいいやつがよく取れます。

ちなみに全然関係ありませんが、このアジフライの店の地下にある隠し部屋に根本式魔導ロケット24号があります。




 関係ねえんだったら教えてくんじゃねえよっ!!


 ……まじか。

 また隠し部屋にロケットあるじゃん。

 しかも24号……。

 名前もMk(マーク)ほにゃららじゃなくなってるし。


鑑定結果


地下室にある三段目の列の一番左端のレンガを38回押して、二段目の列の右から三番目のレンガを7回押すと隠し部屋への入り口が開きます。

名前がこじゃれたヤツじゃ無くなってるのはめんどくさくなったからです。

ちなみに隠し部屋は地下にありますが、13号から後期のヤツは空間魔法で作られた部屋に格納されていますので、厳密には地下にあるわけではありません。

ちなみにちなみにこの町にあるロケットは全部で58基あります。



 ご、58基!?

 バカじゃねえの!?

 田中の負の遺産とは比べ物にならない負の遺産だわっ!!

 なんでそんな作った!?


 ……うわー。

 無理だわ、こんなん全部処理すんの。

 幸い隠し部屋に扉開ける方法知らなければまず入れないからな。

 やっぱ放置の方向で……。

 いや、やっぱ放置するわけにはいかんよな……。


 ……考えただけでめんどくさすぎて血を吐きそう。


 まあとりあえず、4号から処理せんとな。

 カワウソ待ちだわ。


 旨いアジフライ食ってたのにいい気分が台無しだ。

 まあとりあえず飛行船に戻るべ。



 飛行船に戻ってまったりする。

 もう夜、カワウソ村がある部屋のソファーにもたれかかってる最中だ。

 ……大したことなにもしてないが疲れた。


「先生、カワウソさん達みんな連れてきました」


「お、ご苦労様」


 カガミちゃんが見事にカワウソ達をピストン輸送してくれたらしい。


「先生、食糧の輸送は無事に完了しました。多くの領主が失脚したために各地で多少の混乱はあるようですが、平民達からは概ね良好にとらえられているようです」


 ピンタさんが報告をしてくれる。

 まあ、俺と京がろくでもない貴族ほとんどクビにしちゃったからねえ。


「お疲れ様ピンタさん」


 ホントはゆっくり休ませてあげたいんだが、そうもいかんのが心苦しい。


「どうした?龍臣、なんか疲れた顔してるな」


「うん、大変なことを今から言うわ。ちょっと、みんな注目」


 みんなの視線が集まる。

 そう言えば何日かぶりにパーティー全員が揃ったな。


「えー、マスカットさんとモンブランさん、ロケットの話聞いたかな?」


「うむ、きいちょるよ」


「はい、多分武器の取り外しや解体くらいならできると思います」


 あ、良かった。

 なんとかなるらしい。

 じゃあ、衝撃の事実を伝えねば。


「解体できるならよかった。ちなみにロケットはこの町だけで58基あります。俺たちも手伝うので、よろしく」


 ほんと、よろしく。


「「―――!!?」」


挿絵(By みてみん)


 ああ、カワウソ達がなんか、クワッ、て感じの顔になってしまった。

 ごめんよ、クワッてさせて。


「58!?安田くん、そんなにあるの!?」

「大変じゃないですか?」


 鈴木さんと東くんも驚きながらもげんなりだよね。


「私、アナログ人間だからロケットとか横文字のものはよくわからん。お主等に任せたぞ」


 京が逃げようとしてる。逃がさないよ。

 アナログって言葉がすでに横文字だし。


「安田くんそもそも、58基もどこにあるの?この町の地下穴だらけってこと?」


 鈴木さんが当然の疑問を口にする。


「いや、その辺は空間魔法がどうとかっていういつものあれで……」


「東王様っ、安田様っ」


 ん?開けっぱにしてある部屋の扉の外から聞き覚えのある声がする。

 多分ナナセさんだ。

 ……なんだべ?


 みんなで飛行船の外に出る。


「……どうしました?ナナセさん」


 外に出ると汗だくのナナセさん他何人かの騎士が息も絶え絶えで東くんの前に膝まずいてる。

 東くんが彼らの様子を見て心配そうに語りかけている。


「申し訳ありませんっ、魔導ロケットが盗まれてしまいましたっ」


 はあ!?、ウルトラ鑑定。


鑑定結果


ミンストレル辺りに出没する快盗パリパリオスに盗まれました。

快盗パリパリオスは、悪い貴族の屋敷に盗みに入っては圧政に苦しむ民衆に金や食糧を分け与える義賊として知られています。

魔導ロケットは強力な武器であるため、この国の貴族に渡すのは危険と判断して盗みました。

パリパリオスは無限空間という、収納も保存も上限なしのアイテムボックス系最上位スキルと姿を消す系の装備品、そして持ち前の類い希なる体術を駆使してロケットを盗みました。

今は町外れに作った空間魔法による隠し倉庫でロケットを解体しています。

ちなみにパリパリオスの正体は、この町で一番始めに会った頭ツルツルの領主代行のおじさんです。



 ……やべ、早速快盗の正体わかっちまった。

 一番やってはいけないことしてしまった気分だ。

テレポートは少人数しか移動できずに、連発もできません。

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