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チェンジリング  作者: 香美味
7/37

7.躾けは最初が肝心。

7話目です。

切りが悪かったので訂正いたしました。短くなっています。


 ボーパルラビット討伐の翌日、僕等は冒険者ギルドの食堂に居た。


 ルジェルは勿論配膳の仕事で、僕は昨日の情報を得るためだ。


 昨日の今日で、食堂はいつもより賑やかだ。


「じゃあ、ロベルト、報奨金の十金貨、昨日と今日で使っちまってもいいんだな。」

「ああ、みんなの力だ。どんどんやってくれ。」

「あれだけ大騒ぎして、死人まで出て、十金貨ポッチじゃ割に合わねえなあ。浮ばれねえー。」

「バカな話さ。」


「で、あいつで作った剣、ドラゴンスレイヤーじやないって本当か?」

「ああ、精々、五金貨ていどの片手剣がいいとこだ。」

「じゃあ、十金貨使って、五金貨の剣か。貴族様も浮ばれねえー。」

「バーカ。剣への加工に三金貨だ。」

「浮ばれねえー。」

「バカな話さ。」


「でも、スラッシュが使えるぞ。」

「あいつのスラッシュ、凄かったなあ。死人も出たし、槍の柄を真っ二つにされた時ゃ、死ぬかと思ったぜ。」

「お前はまだいい。ホランドは、買ったばかりのバックラーが真っ二つだ。」

「それで、やけ酒か。浮ばれねえー。」

「バカな話さ。」


「で、シルベーヌ嬢は、どうしてあんな隅っこで。」

「「探索範囲を広げる」とか言って単独行動してただろう。」

「ああ、やってた。やってた。」

「ボーパルの暴れている姿、見損ねたって、拗ねてる。」

「浮ばれねえー。」

「バカな話さ。」


「そんな中、ロベルト、お前は凄げえよなあ。」

「何が。」

「よく、スラッシュの嵐を掻い潜って、仕留めたよなあ。」

「あいつは討たれに来ていた。」

「だから、むこうから姿を現せたのか。」

「ああ、ここで、討たれてやるから、これ以上、他のウサギに手を出すな。って思いがにじみ出ていた。」

「ボーパルも浮ばれねえー。」

「バカな話さ。」




 そんな会話が飛び交う中、僕は気が気でなかった。


 二匹(ビーグル犬モドキと小人モドキ)が大人しくしてくれないのだ。


 ビーグル犬モドキは、お客さんの骨付き肉を、超至近距離でガン見し、ヨダレを垂らしている。

 肉が、客さんの口元と皿を、上下する度に、ビーグル犬モドキの頭も動く。

 お客さんには見えていない様だが、見えている僕にとっては心臓に悪い。


 だが、犬モドキは、まだいい。


 小人モドキ・・・シャンディだが・・・・・・

「おっ、おっ、オッパイ。ボイン。ボイン。」

 ・・・・・シャンディ、つつくんじゃない。しがみつくんじゃない。お願、マジで止めて。


 見えていないし、聞こえていないから良いが、シャレにならん。

 僕の社会的地位が。

 これが僕の深層心理だというのか・・・違う、・・・断じて違う!

 シャンディ、おじさんは、そんな、オッパイ星人に君を育てた覚えは無い。(昨日生まれたバッカで育ててないけど。)


 あ、見えている人がいた。

 シルベーヌさんとロベルトさんだ。

 モドキ共が動く度に、視線が動いている。完全に見えている。・・・終わった。



 そんな、僕よりも盛大に終わった奴がいた。


 マリアンヌ(超巨乳)さんのオッパイに、シャンディがしがみついている時、たまたま配膳中のルジェルが通りかかった。

 もちろん、マリアンヌさんにシャンディは見えていないし、しがみついている事を感じてもいない。


 ルジェルは、シャンディを取り除くために、摘まもうとする。

 霊的な存在の為、シャンディの身体をすり抜けるルジェルの右手。

 すり抜けた先の、マリアンヌさんの超巨乳をルジェルが掴んでしまう。


「ルジェルちゃん。・・・まだ、小さくて幼いと思っていた君が、大きくなって、女の子の胸に興味を持つようになった事、お姉さんとてもうれしく思うわー。」

「あの、これは。」

「なんて言うと思ってるの、このエロガキは。来なさい。悪い子にはお仕置きです。」

「誤解だー。それに仕事中だし。」

「犬でも猫でも悪い事をしたら、その場で叱らないと躾にならないの。いいから来なさい。」


「マリアンヌ嬢の躾かあー、おっさん的には・・・ありだなあ。」

「チビ助、浮ばれねえー。」

「バカな話さ。」


 奥の衝立ついたての陰から、お尻をぶたれる音とルジェルの悲鳴が聞こえる。


 原因である小さい二匹は、ぶたれる音を聞く度に、ビクっとしているが、騒がしいままだ。


 シルベーヌさんと目が合った。

 何故か胸隠す。僕がやらせている訳じゃないです。本当に。(感覚は共有ですが。ホントすみません。)



 ロベルトさんが、こちらに来る。

「まだ、無理見たいだなあ。」僕にしか聞こえない大きさの声で呟く。


「バルド、捕まえてこい。」

 三十㎝ぐらいのマッチョな熊(2足歩行)が現れ、瞬く間に二匹を捕まえ、首根っこを掴んで戻って来た。


「お前ら、向こうでバカ猫と一緒に遊んでろ。」シルベーヌさんの方を見ながら言う。


 マッチョ熊が二匹をつれて、シルベーヌさんに近づくと、長靴を履いた猫的なモノが現れた。

 マッチョ熊と長靴猫の監視元、大人しくさせられている。


「ガイドは何時いつからだ。」

「??」

「この事を、ランベルトさんには?」

「昨日の今日で、まだです。」


 やれやれ、って仕草をするロベルトさん。

「ランベルトさんには、明日午前中に、コレージュで説明しろ。それから、午後一でギルド会館に二人で来る事。」





後半を次話に移動しています。

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