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チェンジリング  作者: 香美味
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4.模擬戦と薬草採り

4話目です。

 そんなこんなで、二カ月が過ぎ、二度目の模擬戦の日となった。


 コンビを変えるのが面倒なので、前回と同じくルジェルと組むことにした。

 ルジェルも僕と組む気だったようだ。

 回りも固定ペアーの様に思っているようだ。


 で、二度目の模擬戦の結果についてだが、・・・・・・やばかった。


 ルジェルは動きに精彩が無く、殆ど僕一人で相手をすることになった。

 弓を引くのも、棒を持つのも辛そうだった。


 消極的に僕の後ろに隠れていればいいのに、相手の隙を見つけてしまうと攻めて行き、思う様に動けず返り討ちに合っている。


 相手に決定打を打たれる前に、僕が割って入り何とかポイントを取られずにすんでいる。

 一人で戦っている方がマシなぐらいだ。


 模擬戦の中、ルジェルの腕のつけ根に青い痣を見つけた僕は、模擬戦後、彼を問い詰めることにした。

 他にも痣がありそうだ。


「その怪我どうしたんだ?」 

「岩場で転んだ」

「擦過傷もなく内出血の打ち身だけって、おかし過ぎる。誰にやられた?」

「でも、転んだの」


 本当の事を言う気はないようだ。


「次から僕も採集依頼に付き合う。」

 

「未成年の冒険者以外を同行させるの違反なんだよ。」


「もう十五才になってる。僕は今日中に冒険者になる。次から絶対誘えよ。」


-----------------------------------


 コレージュが終わり、勢いでギルド会館まで来てしまった。

 ルジェルは、怪我の事がランベルト先生にばれた為、外出禁止だ。

 コレージュを出る時、ルイーゼさんとすれ違った。看病兼監視だろう。お店まで連れて行かれるかもしれない。




 冒険者ギルドに到着しで受付のお姉さんの説明を受ける。

 十五才になっているため、本人の意思だけで冒険者ギルドの会員になれる。

 それ以下の年齢の場合、保護者か後見人の同意と、D級以上冒険者の推薦がいる。


 会員になると会員タグが発行される。

 タグは甲羅の様な金属の様な不思議な材質で出来ており、名前(俗称可)、魔力紋、階級、交付日、最終更新日時、発行ギルドが記載される。

 『魔力紋とは、一人ひとりが持っている魔力の属性と波長のことで物質属性とエネルギー属性の組み合わせで表す事が出来、同じ物は一つとして無い。  物質属性(水風土)、エネルギー属性(生熱光重)』



 冒険者ギルド会員

 名 前: グレン

 ランク: G カルネ K403/04/07

 交 付: カルネ K403/04/07

 魔力紋: %&$#*○*+&¥&&


 実にシンプル。本人確認時、手に特殊な光を当て、会員タグの波長と一致するか確認する。

 魔力紋は再書き込み防止措置が施されており、他人のタグを使用する事は出来ない。

 ランクは、各ギルド毎のランクが優先される為、他の町へ行った場合、一ランクから二ランク下からのスタートとなる。


 それとなく、ルジェルが普段どのような依頼を受けていたのか聞いてみる。


「ルジェル?・・・あ、クレイム君なら怪我治療用素材主体です。たまに希少素材も採取しています。」

 偽名?・・名前の下半分か・・・


「どこら辺に採集に行っているかわかりますか?」


「皆さん、独自の場所を見つけていますので、何処かは分りませんが、他より少し質の良いのを持ち込まれます。素材の主成分となる草は、水や土の条件が良過ぎると大きく育つだけで品質がかえって悪くなります。丁度いい環境の場所を何箇所かご存じの様です。」


 中途半端に悪い環境・・・草原と荒れ地か岩場の境目辺りか。

 ルジェルの場合、牧場の仕事で放牧の補助をしているので、カルネから半径二十kmの草原の地形についてかなり詳しい。


 北東の牧草地の切れ目辺りの岩場、確か調剤の説明の時に言っていたような。


 取り合えず、今日のところは、そちらへ行ってみる。


--------------------------------


 先客がいるようだ。男の子二人に女の子一人、それに、身なりの悪そうなおじさん。

 (バリバリにスラム感出ている)


 軽く会釈をして薬草を探す。本草学の授業を受けているのが恥ずかしくなるくらい、全然わからん。


「お兄ちゃん。その岩の裏辺りに沢山生えているよ。」

 見かねた男の子が教えてくれた。

 無邪気そうな笑顔が、貧しそうな身なりと対照的にまぶしかった。未だ十才にも成っていないだろう。


「カルネからは少し遠いけど、よく此方まで採りに来るの?」

「うん。近くは採っちゃったから、こっちが多いよ」


「ところで、剣を二本腰の挿した男の子見たこと無い?」

「ルーちゃ・・疾風のくれいむの事?」

「やっぱりクレイムなんだ。」(ルジェルじゃダメなのか?)

「『カッコいい冒険者は、通り名と偽名が基本』だって、尊敬する先生が教えてくれた。って、言ってた。」


・・・ランベルト先生の仕業か。


「おい、トーア。喋くってないで、さっさと採れ。」

「はい。すみません。ハルドさん。」


(おっさん、柄悪りー。)でも、ここら辺でルジェルも薬草を採っていたみたいだ。

 もう少し情報が欲しいが。・・



 結局、おっさんに怒鳴られてから、まともに会話が出来なかった。


 そして帰る頃になって。

「兄ちゃんよぉ。ここは俺っちの縄張りだ。場所代置いて行きな。」

「・・・?」

「新米か?  薬草の五割で許してやる。」

「・・・?」

「兄ちゃんも大人だ。世の中の仕組みってもんをよく分ってるだろ。」


「断る。」

 多分こいつだ、ルジェルが素直に払うわけない。その時、揉めたんだ。


「僕に友人にも同じことを言ったのか?」

「ん。あのくそ生意気なチビか。道理を分っとらんので、教育してやった。・・大人の義務ってもんよ。」


 思わず剣に手が伸びる。

「お、やるのか。覚悟も出来てない若造が。 どうした、抜いてみろよ、その腰の物。」


 人間相手に剣を使う。一瞬の戸惑いが身体の反応を鈍らせる。

 相手は革袋の様な武器を使ってきた。


 とっさに左の小手で受け止めるが、ずっしりと重い衝撃が伝わってくる。

 左手がしびれ、思わずよろける。


 次の攻撃をかわし切れずに背中に受ける。あまりの衝撃に倒れこんでしまい、その後はサンドバック状態だ。

 頭をガードしながら小さく丸くなる。


 ひとしきり殴られた。子供たちの「もう、止めてあげて」の泣き声が聞こえる。


「これは、授業料だ。」薬草を全部取られてしまった。


 遠ざかるのを感じながら起き上る。トーアと呼ばれた男の子が残っていた。

「この場所、ルーちゃんに教えてもらって、ハルドさんにバレちゃって、その後、ルーちゃんとハルドさんが。」


「大丈夫だから。僕もルジェルも。」


バタバタです。手直し入ると思います。

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