表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第3話

ユーリが宿屋の硬いベッドで意識が落ちると同時に

かちりと切り替わる。


「ふぁ」

薄暗い部屋の柔らかいベッドの中で有理は目をこすりながら上半身を起こす。

有理目の前には慣れ親しんだ自分の部屋が広がる。

教科書が置かれた勉強机、少しよれた黒いランドセル、まだ上手く吹けないリコーダー、誕生日に買って貰った携帯ゲーム機の夢釣人2。

少なくとも自分が夢から醒めたことを有理は感じた。

ベッドの近くに置いて有ったまだアラームがなって居ない目覚まし時計を見る。

時間は六時だった。


「灯はまだ眠っているか……

起こすのも悪いし……」

隣のベッドで寝ている灯を起こさないようにしてそろりと部屋から抜け出すとすぐ右側にある階段を降りる。


階段を降りる度にいい臭いが下から漂ってくる。


「お父さんおはよう」


「おはよう有理今日も早起きか、偉いじゃないか」

リビングに入った時にソファーに腰かけて新聞を読んでいる父の背中に有理は挨拶をする。


「あら、有理おはよう、朝御飯は用意するから少し待っててね」

台所から茶碗や皿が乗ったおぼんを持って出てきた母はテーブルに料朝御飯を配膳しながら有理に言う。

炊きたての御飯や味噌汁が有理の鼻腔をくすぐる。


「うん」

その言葉に有理は答える。

ソファーに座りテレビを見る。

朝早いからかその目に映るはただのニュースで有った。



「「行って来まーす」」


朝食を食べ終え歯を磨き服を整え有理と灯は家を出ていく。

たまたま二人の兄弟しか居ない通学班は足は軽やかにそして一直線に自分の学校に向かう。


その道すがら……

道中の赤信号で足止めを食らっていた時……


「ヨう◎※#……」

有理はその不思議な唸り声を聞いて振り替える。


それはほのおだった。


それを見た有理はあるはずの無い記憶が頭に映る。

そのなはくとぅぐぁ。

ふぉーまるはうとのきゅうしはいしゃであり。

ないあるらとほてぷのてきたいしゃ。


有理は頭を抱えるこれはなんだ。

この記憶はなんなんだと。


「ほウ、ワタしヲ見てもその様子やハリ目をかケタ甲斐有っタ」


聞くな聞くな聞くな聞くな聞くな聞くな。

奴の声を聞くな。

有理は耳を押さえるが意味も無くそれは聞こえる。


「お前はなんだ?知っているのか?」

ならば少しでも情報を得ようと

有理はほのおの人型クトゥグアに唸り声で問いかける。


「ユーリ、それを知るのはまだ早い」

その言葉に対しクトゥグアは答える。

有理はクトゥグアの声が鮮明に聞こえる。


「いずれ知る、もう時間のようだしまた会おうユーリ」

その言葉と共に少女クトゥグアは消える。

まるでそこには居なかったように……


「お兄ちゃん大丈夫?変な唸り声あげてたけど?」

灯のその言葉共に有理は前を見る。

信号は青になっていた。


「大丈夫だよ、灯」

その言葉と共に有理は道路を渡る。


「そう……」

灯もそれに着いていく。


学校はもうすぐだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ