プロローグ
僕はある日夢を見た。
そしてその日から私は夢を見続ける。
廻る廻る夢は廻る。
此処は鬱蒼とした森の中その一角でそれは声を上げる。
「此処は?何処?」
その声の主は戸惑っていた。
小学校に行って宿題をしてお母さんが作ってくれた大好きなハンバーグを
妹と一緒に食べてお父さんと一緒にお風呂に入り、そして布団に
くるまって寝た。
その筈だった。
「お父さん、お母さん、何処行っちゃったの……」
その声はまたか細い声を上げる。
寝たと思ったらそこは森の中この唸り声の主で無くとも戸惑うであろう。
そして幸か不幸か戸惑っているからか自分の身体の変化に気付いてはいなかった。
「お父さん……お母さん……」
それは少し低めの声で唸り上げる。
ガサガサ
不意に近くの林から音が鳴る。
「なに?」
その音に反応して唸り声を上げ首を右に振る。
その音の主は犬だった。
「グルル、ワォーン」
地球で言えば大型犬とも言える犬は吠え眼前の獲物に飛びかかる。
「いや、こないで」
それは悲鳴を上げそして……
「キャン」
バキッ
犬は撥ね飛ばされ木に激突し血を吹き出しながら沈む。
その先には……
「いや……僕はやってない」
3つの龍が背中から生えた黒のゴシックロリータを着た少女が居た。