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事件を知った周りの反応

「ねえ、昨日のニュース見た?」

「見た見た! あれでしょ? パトカーがグニャってなってるやつっしょ?」

「そうそう! 絶対にヤバいヤツでしょ! 普通の事件とは違う感じ!」

「ニュースでは凶器不明って言ってたけど、ネットでは凶器は犯人の腕って言われているんだよねー! あり得なくなーい?」

「ああ、あの事件の話だろ? 画像見た? あれはどう考えても作り物だよな!」

「あ! アンタ画像拡散したでしょ? やめてよ! ウチ、グロいの無理なんだってば!」

「ハハハッ! ぶりっ子かよー!」

「はぁ!? 意味わかんないですけどー? ぶりっ子じゃねーし!」

「まあまあ……でも、たしかにあの画像はあり得ないよね。特撮映画か何かのワンシーンみたいだし」

「ああ! 分かるー! 特殊メイクみたいな? 誰かが面白がって撮ったんじゃね?」

「けど、目撃者が沢山いて、ネットで、自分は目撃者っていう人全員が『あの画像は本物だ』とか、『夢でも見ているようだった』って言っているんだぜ?」

「いやー、ガセっしょー……ってか、目撃者多すぎじゃね? どんだけ見ているんだって話だっつーの」

「まあ、便乗している人もいると思うけど……やっぱ普通じゃないよねー」

「ってかこれ、結構近くであった事件だろ? こっちに来たらどうするよ?」

「フハッ! あの画像みたいなものがマジで見れるなら見てみたくね?」

「お? ぶりっ子の癖に興味津々って感じ?」

「ちげーし! グロいのは無理だけど、遠くで見るだけなら面白そうじゃん?」

「えー、不謹慎じゃない?」

「ウチらとは関係ないし、見てる人だって沢山いたんでしょ? じゃあ、ウチが見たいって思うのは仕方ないじゃん!」

「……うーん、まあ、見るのはまだいいけど、それで殺されちゃったら嫌じゃない?」

「それは大丈夫だって! ネットに書いてたけどさ、被害者のおっさんはしゃしゃり出てその女の人に突っかかったから殺されたらしいし、遠くで見ていたら何もしてこないって! まあ、そいつが東京に来るかどうかは分からないけどな」

「おっ!? じゃあ、そいつが東京で事件を起こしたらウチらで捜してみる!? もちろん見つけても遠くから見るだけで!」

「あー、私は行かなくていいかな。どこにいるかも分からないし……顔も、あの画像の女の人の顔であっているのか分からないし」

「あー……分かる。たしかに顔がアレであっているのか分からないし、ニュースでも顔隠れちゃってるもんね! 少年法って訳わかんない! 人殺しを守る必要なんてあんの!?」

「まあ、ネットではあの画像が本物って言ってる人もいるんだからさ、捜すときは画像の女の人を捜せばいいんじゃね?」

「あー……じゃあ、そのときは画像の女を捜すって事で! 決定! じゃあ、そのときはよろ!」

「オレは強制かよ」

「どうせ暇でしょ?」

「……まあ、バイトが休みだったら付き合ってやるよ」


「わ! 大河君だけじゃなくて燐斗まで寝ちゃってるし!」

「……起きてるよ」

 教室に入るとすぐにハルが教室を出て行き、大河もいつものようにぐっすりと寝ていたので、特に話すべき相手もいなかったので机に突っ伏していたが、いつもの声がでかい三人組のせいで眠れていない。その分、あの三人の会話の内容はばっちりと把握したが……大丈夫だろうか。ルナから聞いた話だと、あの事件は常人が関わってはいけないものみたいだったが。

「あ、そうだ。燐斗、昨日のニュースであった事件、知ってる? パトカーがグニャってなっていたあの事件」

「お前もか……」

 一度上げた顔をまた机と再会させてしまった。何というか、耳にタコができそうだ。

「へ? ……まあ、いいや。で、その事件の犯人が、また事件を起こしたんだって。さっき、職員室で先生方が話していたの」

 成る程。ハルは職員室に行っていたのか。……それにしても、新しい事件、だって?

「え!? マジで!?」

「オレらにも教えて!」

 お前らは声がでかいだけじゃなくて地獄耳でもあるのか……?

「えっと……詳しくは聞いていないの。昨日よりも東京に近いところで起きたっていう事しか……」

 ……近づいている?

「おっ!? これは東京にも来るんじゃね!?」

「マジでか!」

 ガッツポーズをしているクラスメイトと、純粋に驚いているクラスメイト。


 ……なんとなく、嫌な予感がする。

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