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護られる青年
「……燐斗」
返事はなく、耳を澄ますと燐斗の寝息が聞こえる。……そーっと燐斗に近づこう。
「ふふ、グッスリと寝ているな」
穏やかな寝顔だ。ついつい頭を撫でてしまう。
……温かい。
……燐斗。
……燐斗。
……燐斗。
……ありがとう。お前に出会うことができて、本当によかった。お前のおかげで我輩はこんなにも温かい気持ちになれるのだ。
だからこそ、お前を失いたくはない。お前に身の危険が迫ったときは必ず護ろう。
……消えたか。この部屋に何かいるような、見られているような気配を感じたのは気のせいではなかったのだな。用心せねば。
……安心しろ、燐斗。お前は我輩が護る。
……願わくば、ずっとずっと、一緒にいたいものだ。……何百年の時を、お前と共に生きたい。




