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医者に余命2ヶ月と宣告されてから、1ヶ月と20日の月日が流れていた。
僕に残された時間は、約10日。
余命を宣告されてから僕は、焦っていた。
まず、以前から想いを寄せていた子に猛烈アタックし見事撃沈。
幼い頃からの夢である、海釣りに行ったり。
それなりに人生に悔いはないと思う。
だが、、、何だろう、、、
この感覚は、、、
僕はまだ生きていたいのだろうか?
「生きたいの?」
「あぁ、多分まだ生きていたい。」
「生きるためなら何でもする?」
「なんでもしますから!」
「なら、交渉成立だね。」
「!?」
僕は、誰と会話していたのだろう?
甲高い声がまだ耳に残っている。
その疑問も束の間、僕は激しい睡魔に襲われる。
「・・・きて」
よく聞こえない・・・なんだ?
「起きて!」
僕は、甲高い声で目を覚ます。
そうだ、昨日は思い残す事がないか考えてる途中で寝ちゃったんだっけ。
「やっと起きたね!」
そこには、髪の毛が緑色の羽の生えた女の子が・・・
あれ?なんか小さくね?ってか浮いてね?
「だ、誰?」
思わず声が裏返ってしまった。
「私は、見ての通り妖精よ、名前はエリス。」
僕は、自分の頬を抓ってみる。
痛みを感じる、どうやら夢ではないようだ。
僕は寝起きの頭で冷静に事態を把握しようと試みる。
「その妖精さんが僕に何の用ですか?」
「貴方、生きるためにはなんでもするって言ったわよね?」
確かに、昨日そんなことを言ったかもしれない。
だとすると、昨日僕に話しかけて来たのは、
この妖精?だったのではないだろうか。
声質もかなり似ている。
「言ったかもしれない。」
「なら、問題ないわね。」
「問題ないって、何が?」
「まだ、気付いてないの?回りを良く見て。」
そういえば、ここは僕の部屋じゃない。
僕が寝ていたベッドはそのままだが、部屋が広すぎる。
何より、壁紙の色が僕の趣味じゃない。
「ここは?」
「平行世界って知ってる?」
「あぁ、パラレルなんたらってやつだろ?」
「そう、パラレルワールド。」
「まさか、そのパラレルワールドが、こことか言うんじゃないだろうな。」
「そのまさかよ。」
僕はエリスをまじまじと観察する。
確かに、こんな蝶と人間が合体したような生物見た事ないしな。
もしかして、僕はもう死んでるんじゃないだろうか。
「100歩譲ってパラレルワールドは信じよう。
だが、なんで俺がこっちに連れてこられたんだ?」
「説明すると長くなるけど良いかしら?」
なにぶん初投稿故、至らない点がございましたら。
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